これまでのSマンションの臨時総会にどういうものがあったかというと、
1.駐輪場の増設(昭和63年11月)
2.管理費等の長期滞納者に対する訴訟及び強制執行手続き、
エレベーター内の防犯カメラ設置(平成5年8月)
3.隣に建つマンションの反対運動、活動費350万円(平成14年6月)
ぐらいだろうか。
2.の管理費の長期滞納者については相変わらずで常習者となっている。
臨時総会は滅多にあるものではない。
銀行口座の変更
管理会社が代わるため臨時総会で承認を得なければならないことは分かっていた。いつ頃やろうかと考えていた。
当然ながらUFJ信託銀行の支払代行口座を使わず、管理組合名義の口座に管理費を振り込んでもらうことになるのだが、その変更は総会での承認が必要で、議事録を見せてくれればすぐに変更手続きをとると銀行側でいっているとH社のTがいう。
管理費を扱う銀行については紆余曲折があった。当初は、全てを新しくと思い、不便なUFJ信託銀行、統廃合ばかりしている信金を使うことをやめ、あちこちにATMのたくさんある銀行にしようと軽く考えていた。この際、いままでの、これからの不便さを一気に解決しようと理事会でも話し合っていた。みずほにしようか、三井住友にしようかUFJかと銀行選びをしていた。
そういうわけで、とTに管理費の口座振替を扱ってくれるよう銀行に聞いてみてくれと頼んだのである。
しばらくたってからTから説明があった。大手の都市銀行は現在のような口座振替を扱ってくれない。UFJ信託銀行(東洋信託銀行)はSマンションができたときのデベロッパーとして加わっていたためサービスとして1件あたり30円の振替手数料で管理費と修繕費を分けての口座振替をやっている。信用金庫なら手数料を払えばやってくれるそうだ。(それはすでに日興信金でやっているし)
今回は時間的余裕がなく(2ヶ月も管理費を徴収できない状態で560万円の管理費修繕積立、駐車代が滞っている)、従来と同じ金融機関での口座振替の回復をしたほうがいいと判断した。今後のことは、手数料が高くなるが、どの銀行からでも引き落とすという集金代行会社を検討すればいいと考えた。大事なことは、以前の状態に戻すことだ。
同じ銀行であるのに口座番号を代えることだけでも銀行は区分所有者の承諾を必要とするのなら、臨時総会をやらなければならない。
10月5日(日)の定例理事会で話し合い、10月26日(日)がいいが、準備の余裕がないから、次の週の11月2日(日)に決めた。
3連休だが、関心のある人が多いだろうから、近くの文化センターの会議室2つを予約した。仕切りをとると続き部屋で使える。
議案書
総会で決議する議題は、50万円以上の金をつかうもの、事務手続きの大きな変更、管理細則の変更などである。今回の倒産騒ぎでは、管理会社の変更、エレベータ保守契約(年間で170万円ほどになるから)、管理費の振込み銀行の変更の3つである。それだけでは説明不足であるから、議題は、以下の構成になった。
・T社破産に伴う経過報告と今後の予定
(その1)経過、今後の予定
(その2)管理費、修繕積立金等の残高報告
(その3)Sマンション管理組合が債権者となるにいたった理由
(その4)T社破産にともなう被害額の計上
・今後のマンション管理の方針
・管理室用電話加入権の買取と名義変更の件
・共用部、管理室の電気、水道、ガスの名義と料金支払について
・高層住宅管理業協会への管理費保証請求の件
・東京地方裁判所に提出する、破産債権届出の件
総会の開催の知らせは、開催の10日前にしなくてはならない。
開催のお知らせと議案書を作ったところ、資料のページも含め、15ページになった。それを150部作るのに印刷屋を使おうかと思ったが時間がなく、結局、我が家のパソコンとインクジェットプリンタで24時間連続で刷り上げた。夜中にも途中で起きて、紙の補給とインクの補給をするのである。
10月23日(木)から熊本に出かける用事があり、前日までにはケリをつけたかった。
11月2日(日)
暖かく穏やかな日だった。10時から臨時総会を開催した。参加者は40名程。
(その1)経過、今後の予定、を説明し終えたところで最初の質問がきた。
「マンション積立保険はどうなっていますか?」女性からである。
「650万円の件ですね。議案書の次のページを見て頂いて‥」
そこにはこう書いた。
| 毎年、大規模修繕の積立として、日本興亜損保(株)のマンション積立保険、年額6,498,860円をこの時期に支払っております。今年も、同じように、9月4日にT社(日本興亜損保の扱代理店で仲立人なのである)に支払いました。これについても、日本興亜損保(株)が、管財人を通して調査しています。日本興亜損保(株)のT社への債権となるものと理解しています。 |
「まだ、返事がないんですよ。今週中に問い合わせます。答えを得たら皆さんにお知らせいたします」
「保険はきくんでしょうか」
「ききます」
積立保険の約款を持っているわけではないが、8年間払い続けたものだ、当然、保険は有効だろうと思って答えた。
私が加入している保険を読むと、確かにこういう条項がある。
「保険証券記載の保険期間が始まった後であっても,当会社は,前条第1項の第1回分割保険料領収前に生じた事故による損害または傷害に対しては,保険金を支払いません」
総会が終った後、この女性はすぐに私の席にきて、
「領収証はもらっているんですか」
「領収証は1月末の監査のときに他のものと一緒にくるようです」
「これって、還ってこないんじゃないでしょうか。保険契約違反です」という。
保険の仕事をやっていたのだろうか。(ニッセイレディ!)
9月の650万円の支払について心配しているのは私だけかと思って孤独であったが同志を得た思いである。
原則方式について質問された方がいた。
「新規の管理会社との契約、原則方式の場合、1年で全員が交代する理事会では引継ぎで難点がないのか」
「毎期、交代する理事会の運営が円滑に進むよう運営委員会とも相談しながら各種指示書(理事会運営マニュアル)の作成をいたします」
いままで、引継ぎの文書などなかったのだ、これからは前よりましになる、といっているのと同じである。初めて理事をする方は、それが当たり前だと思うだろう。
H社のTの管理委託契約の重要事項説明の後、前理事長のSから質問があった。
「国土交通省への登録が平成15年9月30日とあるが会社としてのマンション管理の経歴はどうなっているのか」
「会社の設立は昭和51年です。これまで管理組合、理事会等の支援業務は行っていなかったので今回その分野での業務登録をしました」
「契約の満了を待たず解約はできるか」
「3ヶ月前に申し出れば解約できます」
S氏は大手の管理会社にしたいと思っている。当然の質問である。
先月の親戚の結婚式ではスピーチの依頼がなく退屈であったが、この日は2時間たっぷり話ができ私は満足した。12時きっかりに総会は終った。
「このような危機をチャンスにして、さらに管理組合をよりよきものにしていきましょう」と言葉を結んだ。 |