「この漫画がすごい!'95」

「このJUNEがすごい!」企画と同様に、漫画ベストをやります。だだし、こちらは奥付の日付を問わず、'95に「読んだ」漫画の中から選ぶ、という方式にしました。漫画は古本屋の利用がわりと多いから、まそーいうことで。

という集計方式です。
投票者は違えど、三人だけの投票なので「全員バラバラで1位は5点の作品がみっつ」の可能性もあるにはありますが、日頃の言動からいって、きっぱり1位が決まると思ってました。結果は下記の通りです。('96.2.13)

投票メンバーをふやしたら、いっそうバラバラになりました。('96.2.27)

こうしてみるとジャンルの幅がありすぎて、私の全く知らない作品も多いです。友人といっても近場に住んでないと本の貸し借りもままならないしね。('96.3.11)

集計ミスがあったので直しました。気づくのが遅すぎる…('98.9.16)

投票者のコメント


by 竹村かおる

1.笠原倫「唇にパンク」
秋田書店/少年チャンピオン・コミックス'91-92(全5巻)/『週刊少年チャンピオン』掲載
去年出た漫画じゃないけど去年読んだうちで1番アホだったのでアホ1位を、6×9=53+1(ロックはゴミの1つ上)は迷キャチです。
なかでディープパープルのバーンの早引きバトルをやるのだけど、クィーンの遅引きバトルもやってもらいたかったな。
しかし、女郎いらいチャンピオンにもごぶさたの笠原倫、このままきえていくにはあまりにおしい!
さあ!よみがえるがいい!アイアンコミック!
2.槙村さとる「おいしい関係」
集栄社/ヤングユーコミックス'93-/『YOUNG YOU』連載中
3星コミック、いうことなし
3.曽田正人「シャカリキ!」
秋田書店/少年チャンピオン・コミックス'92-95(全18)/『週刊少年チャンピオン』掲載'92-95
主人公の輝はあっちおいといてフィニヨン似の由多とミック・ジャガー似の鳩村がとってもラブリー。最後のもりあがるべきツールドオキナワのところで、作者がキャラにのめりこみすぎてちょっと、散漫になってしまったのはとっても残念!次回(め組の大吾)に期待
4.細野不二彦「ギャラリーフェイク」
小学館/ビッグコミックス'92-
美術界ウンチクもの。1話完結もではこれが1番面白い。
5.黒田かすみ「Vice(バイス)」
角川書店/あすかコミックスDX'92-/角川書店『ASUKAミステリーDX』'91-
少佐とエロイカが女と男に転生してしてシリアスにラブストーリーをやるとこうなる。いまどきの漫画家はこういうはなしだと、たいていやおいねたにしてしまうのだけれどちゃんとラブストーリーにしてくれてるのがうれしい。

 おいしい関係は2人とも1位だろうから敢えて2位、唇にパンクは去年読んだ漫画のなかで一番アホだったのでアホ1位を。覚悟のススメは馬鹿なので評価しません


by 高橋陽子

1.槙村さとる「おいしい関係」
2.ひかわきょうこ「彼方から」
白泉社/花とゆめコミックス'92-/『LaLa』隔月連載中
3.杉本亜未「ANIMAL X」
角川書店/あすかコミックスDX'92-93(全4)
4.樹なつみ「八雲立つ」
白泉社/花とゆめコミックス'92-/『LaLa』連載中
5.黒田かすみ「Vice(バイス)」

連載中のものは、期待値も含む。「イタズラなKiss」、完結の「フレッドウォード氏のアヒル」とかも入れたいところですが、まあ、こんなとこでしょう。


by 菊池鈴々

1.岩明均「寄生獣」
講談社/アフタヌーンKC'90-95/『アフタヌーン』掲載
少年誌/青年誌系の漫画は手薄ぎみだけど、これは連載スタート時から注目していた。終わり方が「するっ」としていて虚をつかれた気分。なんにせよ、インパクトは大きかった。
2.ひかわきょうこ「彼方から」
あまたある異世界冒険ファンタジーの中で、確実に頭ひとつ抜けている。
主人公のノリコが時折自分にいいきかせるセリフがちょっぴりくどい。そのくらい強調しないと読者に届かない、と思っているのかも。イザークが天上鬼として発露した形態は、特撮化物風というより、たがみよしひさ風のデザインだった。
3.槙村さとる「おいしい関係」
人間関係の配置バランスがうまい、うますぎるくらいうまい。
4.宮崎駿「風の谷のナウシカ」
徳間書店/アニメージュコミックスワイド版/『アニメージュ』掲載
今頃読んで、なんなんですけど、傑作でした。
5.篠原千絵「天は赤い河のほとり」
小学館/フラワーコミックス/『少女コミック』連載中
話はクサイ異世界冒険ファンタジー。でも、このクサイ展開がここちよい。あざとくこきざみにヤマ場をつくるのもさすがベテラン。私はわりとあざとい演出が好きだということだ。

'95中に読んだコミックスは発行日付を問わずに数えると510冊でした。逢坂みえこの「永遠の野原」も「ベル・エポック」も面白かったし、いしいひさいちはいつも凄いし、牛島慶子の「フレッドウォード氏のアヒル」も終わってしまったし、リストを眺めているといつまでも迷うので、このへんで手をうちます。


by 青柳悟

1.三浦建太郎「ベルセルク」
白泉社/1〜10巻・刊行
これを読んだ後、三浦氏の以前の作品「ジャパン」「王狼」「王狼伝」1も読んだのですが、全て原作付きでした。原作なしの本作品の方が格段におもしろいです。去年読んだ作品中、段トツのトップです。
初めはありきたりのヒロイック・ファンタジー物かと思ったのですが、ダークな味、GAINAXのような大胆な構成、迫力のキャラクター、かなり圧倒された作品です。私は、長い作品をぶつ切りで読むのが嫌いなんで、連載を追わずに、コミックスを待つのですが、待ち切れない作品がひとつ増えました。
2.作/丸戸亀介・画/吉原昌弘「ポパイたちの遺産 ドキュメンタリー・コミック 幻想の昭和史」
講談社('94.11.9第一刷)/『ミスターマガジン パッピー増刊 』'93.23号'94.7,15,188号
作画の吉原氏は、三山のぼる氏のタッチを想起させられます。
私は、日本の義務教育及び高校で、近・現代史をほとんど教えない事に対して常々疑問を持っています。若者の事を擁護する気は毛頭ないのですが、教えられたり、興味を持つ機会を持てずに、昔の事を知らないと責めるのは片手落ちのような気がするのです。
そういう機会は、現在シミュレーション・ノベルとか、本作品のようなマンガにしかないのではないでしょうか。
3.柳沢きみお 「男の自画像」
小学館(1〜6)/ビッグコミックス
マンガ界の赤川次郎並に、マンガを描いている柳沢氏だが(100以上あるらしい)、真の意味で完結している作品は少ないのでは、と思われます。途中でダレて打ち切り(?)というパターンが多いようです。その中で、きちんと完結していて、なおかつ、話が面白いというのは、この作品位ではと思います。
柳沢氏は私の中では、時々読みたくなる妙なマンガ家という位置を占めていますが、ギャグ路線以降(「翔んだカップル」半ば以降)の彼の作品はあまり好んではいませんでした。「大市民」を読んでからは、この人もこだわりのマンガ家なんだね、と、ちょっと見直してます。完結した作品少ないけど。
4.西村しのぶ「SLIP」
白泉社
大震災以降の「サード・ガール」の展開が気になっていた西村さんですが、お元気なのでしょうか。久しぶりに読んだ西村作品だったので、“がんばれ、神戸”という事で、入れさせて頂きました。
5.伊藤明弘「ジオブリーダーズ」
少年画報社/『YK増刊・アワーズ』1・3〜8号に掲載
記憶違いならごめんなさい。伊藤氏は以前美少女系のマンガを描いていたと思ったのですが。他にも、角川あたりで何か単行本を出していたと思います。
この作品は平たく言うと、化け猫退治の会社の話です。ひねりは登場人物にあるんですが、去年、読んだときはけっこう面白いと思いました。でも、読み返してみるとそうでもないかな。
各エピソード・タイトル、「階下の敵」「暴走特急」「第三の社員」「地下水道」「猫国の帝王」「衝突!!」「雨の訪問者」「赤い夕日の流れ星」のひねりがひっかかったのかな。

マンガばっかり読んでいるとバカになるでしょうか。
私は小さい頃に、漢字や世の中の物事の理りをマンガから学びました。
UP TO DATEな世の中の事を知るにはマンガが一番早いのではないでしょうか。日本においてマンガは一つの文化ではないでしょうか。まあ、肩を怒らせて言う程の事ではないのですが。
うさん臭いところも含めて百科繚乱なところが、マンガという文化の魅力なので、規制なんかしてほしくないというところですね。
あっ、業界の総評になってませんね。すみません。


by 津浦語

1.作/杉元伶一・画/加藤伸吉「国民クイズ」1〜4
講談社
馬鹿のオブラートで包んだ,とっても危ないマンガ。
コミック4冊分も連載していた「コミックモーニング」はエライ。
日本人なら1度は読むこと。
2.皇なつき「燕京伶人抄」(ぺきんれいじんしょう)
角川書店
歴史ロマンDXかなんかに連載していたらしいが,コミックでしか読んでいない。初めて見たとき,星野宣之と山田章博を足して2で割ったような絵だと思った。馬鹿にしているようだが,私にしてみれば結構な褒め言葉なのである。とりあえず昨年出版された上記を揚げておくが特に好きなのは「花倩曲(はなのこえ)」(ホントはにんべんじゃなくりっしんべん)の中の「虎嘯」(こしょう)とかの化生(けしょう)譚なのだった。あと,全く関係ないけど誕生日が私と1日違いだ。
3.木城ゆきと「銃夢(がんむ)」1〜9
集英社
4.永福一成「ライトニングブリゲイド」1〜3
講談社
5.長谷川裕一「マップス」1〜17
学研/ノーラコミックス
調子のいいときの板橋しゅうほうを彷彿とさせる,「銃夢」。木城はこれが初の連載だった筈(ビジネスジャンプ)で次回作が楽しみだったが,つい最近,がらっと絵柄を変えて再登場していた。評価はまだ出来ない。
ヤングマガジンの海賊版かなんかに,連載していた永福も知らない作家だったが,ありがちなヴァーチャルリアリティ+ゲーム+現実というネタを,無理なく綺麗に終わらせています。多分そういった評価が良かったのでしょう。その後は竹熊健太郎の原作でスピリッツに連載したみたいです。
長谷川の「マップス」は古き良き時代のスペオペマンガといったところでしょうか。NHKであっというまにメジャーになってしまいました。
3〜5に共通して言えることは,「再生」というキーワードです。
破滅を経て再生に到るという収束の仕方が好きなワケで,失敗すると,イダタツヒコの「BLADE」の様になります。
望月峯太郎の「ドラゴンヘッド」も候補にあがっていたのですが,そういった点で,ちゃんと終わるか不安なので,一応選外としました。

評1で”「コミックモーニング」はエライ”と書きましたが,昔はどちらかというと小学館寄りだったのが,近年の私は講談社寄りになっているようです。少年誌でも全体的につまらない中で「マガジン」が一番読めるし,ベスト候補も講談社が多かったように思う。
「モーニング」に連載している「オフィス北極星」もけっこう好きだが,同じ原作者「真刈信二」の「勇午」(こちらはアフタヌーン)が最も好きである。残念ながら気に入っているエピソードを読んだのが94年だったので選外となっている。その頃の「アフタヌーン」はかなり良くて,94年のベストだったら何作かはあったかもしれない。私は高橋ツトム「地雷震」が好きです。あと,「無限の住人」も94年じゃなかったかな。最近はどーも少年誌程じゃないけど,つまんないですね。連載で次号が待ちどおしいなんてこと,もう無いのかもしれない。これって”大人”ってコト?


by 佐々木康好

1.TEAM猫十字社「幻獣の国物語」
主婦と生活・宙出版/ミッシィコミックスDX/『アップルミステリー』連載中
エキゾチックな雰囲気で好きです。でも、これがトップというのも悲しい。
2.星野之宣「スターダストメモリーズ」
スコラ
久々にまともに読める星野作品でした。短編集です。
3.柳原望「千沙姫シリーズ」
白泉社/『LaLa』&『別冊LaLaDX』継続中
ほのぼのしていて好感が持てます。
4.米沢りか「アクション大魔王」
白泉社
最初読んだ時は、唖然としました。
5.「編集王」
小学館/『スピリッツ』連載中
コミックでは、買ってないのですが青年マンガの異端児として1票を投じます。

うーん、95年は“これは“というマンガはなかったなぁ。96年では、「聖伝」完結がトップになるでしょう。
印象に残ったマンガ界の話では「ビリーの森ジュディの樹」を最後に三原順の作品が読めなくなってしまったこと。
「Oh!アヅマ」&「銀河放浪」で吾妻ひでおが復活(というよりカムバック)したこと。
「紅たん青たん」新谷かおるのコミック化。2巻の方が売れたというウワサがあるほど。みんな、しつこいね。
そういえば、「忍者 飛翔」(和田慎二)も10年ぶりに続巻が出たな。次巻は来世紀か。
マンガ文庫続々出版。絵が小さいからあまり好きではないですが立ち読みする(コミックと違ってビニールカバーが少ない)と懐かしくなってしまいます。


by たこいきおし

1.那州雪絵「月光」
白泉社/『花とゆめ』連載
95年完結の作品から選択。
『ここはグリーン・ウッド』ほどのインパクトはないけど、那州雪絵の作品の中では一番完成度が高い。ほぼ期待を裏切らない形で収束、完結したということで一票。
那州雪絵のマンガはキャラクターの感情のリアルさと意志力、それからラストシーンの余韻の残し方が好き。
2.ひかわきょうこ「彼方から」
白泉社/『LaLa』連載
これは完結してないけど、95年に連載が復活したということでまあいいかな。リアルタイムの連載の方は今なかなかすごいことになっている。
『月光』と比べるとこちらはよくできたエンタテイメント。物語として楽しめる。
3.一色まこと「花田少年史」
講談社/『ミスターマガジン』連載
読んだのは実は今年に入ってからだけど、95年完結ということで。
詳細は「お楽しみはこれからだッ!!」#39に書いたけど、思いっきりノスタルジーにひたって、思いっきり泣いて、読後感がすがすがしい。
絵柄はかなり癖が強いのでとっつきにくい人もいるかもしれないけど、読めば傑作。オススメ。
4.堤抄子「聖戦記エルナサーガ」
ENIX/『ガンガンファンタジー』連載
これもまだ連載中ではある。
雨後の筍状態のゲーム系コミック誌に連載されている有象無象の作品群の中では、たぶん一番まっとうなマンガ。(と、いってもその手の雑誌の掲載マンガを逐一フォローしているわけではないけど(笑)。ファミコンRPGをマンガにしてみました的作品はそもそも読む気が起きない)
北欧神話あたりに材をとったオリジナルで魅力的な世界設定。登場人物の存在感。骨太なストーリー展開。少年マンガの力強さと少女マンガの繊細さが共存している。
因みにゲームっぽさはほとんどない(笑)。
5.山口貴由「覚悟のススメ」
秋田書店/『週刊少年チャンピオン』連載
これもまだ連載中ではある。
あまりの大バカぶりに一票(笑)。でも、所詮は色物という気はする(笑)。この人はこの一作で終りなのでは(笑)。現在クライマックスに入っている連載の方も既にノリはいまいちだし。しかし95年一番勢いがあったマンガなのはたぶん間違いない(笑)。
今年完結したとして、上記のような理由で96年のベストには入れられないと思うので、今年入れておこう(笑)。

95年はとにかく各社の旧作品の文庫化が一挙にブレイクした年、かな。いろいろ買いまくっているので読んだ作品も再読が多かったりして(笑)。
しかし、各社それなりに体系的に作品を出版してくれてるので、一時期の廉価版ワイド単行本の出版ラッシュよりはいいと思う。つい買ってしまう本が多い(笑)。


by Cherry

1.たがみよしひさ「NERVUS BREAKDOWN」
学研/ノーラコミックス
1:のナーバスは、たがみよしひさ初の二桁巻数に敬意を表して(^^;
いや、耕平ちゃんとかもでてきたしぃ(^^; 達人事件の4コマも好きなんよ。
2.新井理恵「X」
小学館/『別冊少女コミック』連載
2:のXは、CLAMPのX(エックス)じゃなく新井理恵のぺけの方です。まぁ、CLAMPのXも面白いんだけどね。そういえば、東バビや「20面相にお願い」も入れたかったような(読んだのは去年なの)。
欲しいんですのぉ〜のお母さん'Sがいいのぉ!
いや、ぺけの話ですね。稲葉君の存在が全てです。だんじて、稲葉弟とか保健室の先生とかじゃないです(^^; 
3.永野護「TheFiveStarStories」
角川書店
3:は7巻のみが去年かな。まぁ、FSSはデフォっすね。MLなんかにもはいっちゃったし、FCOMICに入った原因でもあるし。
4.永野のりこ「GOD SAVE THE すげこまくん」
4:のすげこまくんは、前々から気にはなっていたんだけど、ちゃんと読んだのが去年でしたので。01くんとかSCI−FIモーションも去年読んだんだけれど、アレがいちばん濃縮してるのがすげこまくんだと感じるのだ。
5.ことぶきつかさ「いけいけ!ぼくらのVガンダム」
5:は、ことぶきつかさがいっちゃてるから(^^;
アッガイファイト、イカスぅ(^^;
これの変わりに、「頑張れドモンくんW」でもいいんだけどね(^^;
次点.なにわ小吉「王様はロバ」
集英社/『週刊少年ジャンプ』連載

こんなところかなぁ。うーん、どこがとは言えないが、凄く片寄ってるような気がするぞ(^^;
一応順番つけました。その日の気分で多分変わる程度の順位ですが。
うーん、1週間後にかいたらまた別のものになりそうだなぁ。
JOJO第4部完とか、成田美名子とか、BRAKE−AGEとか、るろ剣とかもいれてないしね。


by TAM

1.宮崎駿「風の谷のナウシカ」
これについては、もう何も言うことはなし
2.吉田秋生「BANANA FISH」
小学館/フラワーコミックス/『別冊少女コミック』連載
予想していたとはいえ、やっぱり悲しい
3.樹なつみ「OZ」
白泉社/ジェッツコミックス
今頃といわれても、今なんだもの
4.永野護「TheFiveStarStories」
ちょっと、パワーが落ちてきたような気がするけど、やはり好きだから
5.荻原一至「BASTARD!!」
集英社/ジャンプコミックス
はてさて、どうすることやら 
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