まんが あ〜ん (3)

THATTA 110号(94/10/23)掲載

前口上

 「あ」が終わらないっ。いくらでも出てくる。気長にやりますので(本気か?)情報をお寄せ下さい。作品の存在はわかっているんだけど、三人とも読んでいないからボツにするしかない、というかわいそう(どこが?)なものもたくさんあります。アイシティ/板橋しゅうほうとかアウトランダーズ/真鍋譲二とか青い銀河の夜明け/星野架名とか蒼のイマージュ/森次矢尋とか赤い花のポルカ/さとうゆきとか赤い羊の刻印/由貴香織里とか赤ちゃんと僕/羅川真里茂とか暁特攻隊/園田光慶とか赤胴鈴之助/武内つなよしとか、ボツデータだけでもまだまだある。愛で始まるのなんか目が眩むほどある(笑)。情報とともに評点とコメントをいただければ原稿として載っけたいのでよろしくお願いします。短編に関しては、コミックスのタイトルになったもの、を一応のめやすにしています。 (く)


青空いっぱいのらくがき(全3巻) /立原あゆみ/'79-80
(か)未 (よ)★ (く)★☆

 「ひとみ」かなにかの連載だと思う。猫のイチクミが登場していた。子供向けの心暖まる話で、それなりのレベルだったと思う。立原あゆみは幼年少年少女青年レディース、と芸風が広いのに、どれもなんとなく「立原あゆみ節」なのはすごい。ヤクザ漫画を描きながらコバルトではりりっくなイラストポエムを描くもんな。 (く)

あおぞら散歩道 /佐藤真樹/りぼん
(か)未 (よ)★★ (く)★★★

 短編集。このひとはパッとはしないものの、誠実な作風でコンスタントに水準作を描いている。表題作は優しい不良少年と主人公の少女の恋物語。コミックス半分くらいの作品で、女の子の父の脱サラ、男の子の母との確執、不良グループからの足抜け、将来の夢…まで一気に展開するのでそんなにシビアなところはない。 (く)

青空しょって /森秀樹/週刊少年サンデー
(か)★ (よ)★ (く)未

 ゴルファーの親子の対立と和解。これが始まったころからサンデーは元気がなくなって来た。森秀樹は漫画がうまくない。これをマガジンに持っていったら本誌連載はムリじゃないだろうか。 (か)

青空にピンクのリボンで/あいかわももこ/'90
(か)未 (よ)未 (く)忘

 タイトルから察するに、たぶん少女まんが。内容も絵柄も全く思いだせない。私の電脳読了リストにあるから読んだことは確かなんだけど。やれやれぢゃ。 (く)

青になれ!/倉持知子/ぶ
(か)★★ (よ)★★ (く)未

 初期の頃の代表作。と、いってもすごくいいわけではない。くらもちふさこの妹のせいか、最初から、作品が妙にまとまっていた。 (よ)

青の戦士/谷口ジロー/スピリッツ
(か)★★★ (よ)未 (く)未

 谷口ジローの書くボクサーもの。なにせ谷口ジローだからボクサーの肉体の汗のぷるぷる感がそりゃもうぷるぷるでした。 (か)

青の洞門/ジョージ秋山/マンガ少年
(か)未 (よ)未 (く)★

 洞窟ほ掘っている坊主の話。なんだか哲学的、というか禅問答みたいなことをやっていたような気がする。退屈だったのでマジメに読んでなかった。 (く)

蒼の封印/篠原千絵/'92-継続中/週刊少女コミック
(か)★★★☆ (よ)★★★★ (く)★★★☆

 現在、週刊(?)少女コミックに連載中。伝奇的なものなのに、しっかり少女マンガ。前作よりも、全国規模に動いていて、話の展開が大きくなったか(?)。ようやく蒼の封印の意味がわかって、ますます期待できる。 (よ)

青のメソポタミア/秋里和国/プチフラワー
(か)★ (よ)★★ (く)★☆

 つまらないSF。 (か)

蒼のマハラジャ(全10巻)/神坂智子/月刊ASUKA
(か)★★★★★ (よ)★★★★★ (く)★★★★★

 イギリス人の少女がインドのマハラジャと結婚する話。結婚前は第二次大戦がからんで印英独仏をまたにかけて苦労(または冒険)するし、結婚後は外国人の王妃としてなじむまでがまた大変。その後マハラジャ制度の崩壊と議会政治でてんてこまい。身分制度の暗い部分にもふれているが、全体としては明るいトーンで展開するのがよい。 (く)

青への誘い/篠原のん/'91-継続中/パッツィ
(か)★ (よ)★ (く)★☆

 現在も12年(もっとか)の間に一冊の割に出ている。"解放の時"の続編。おもしろくない。でも絵は多少古くさいと思うけど好き。 (よ)

青また青/伸たまき/'90/新書館
(か)★★ (よ)★★★★ (く)★★★★★

 パームのサイドストーリーとフランケンシュタインものが入っている。フランケンのはサウスに連載された。パームのサロニーのようなフランケンシュタインだ。つまり、伸たまきはぶきような作家なのよ。 (よ)

青りんご迷宮(全3巻)/さいとうちほ/小学館
(か)★★ (よ)★★ (く)未

 突然の嵐の中で、二人きりで、迷子になったことのある少年と少女の恋物語。少女の恋物語をセオリーどおりにうまく描いてる。恋物語部分はいいのに、きっかれがどうにもマヌケなのはどうにかならないか…とも思うけど、まあこれは初期だから…。大目にみよう。ベタな少女まんががかける、私のひいきの一人です。 (よ)

赤々丸(全5巻)/内田美奈子/ウィングス/新書館/'84-87
(か)忘 (よ)未 (く)★★★★☆

 現代日本人の主人公の少年が、いきなり未来にとばされたら、あーら不思議、赤々丸と白々丸の二人に分裂していたのであった。二人とも過去の記憶はなく、人格も全くの別人である。おりしもその世界では猫族と中央人間政府とのいさかいのまっただなか。殺人請負業をはじめた赤々丸が、猫族排斥派のリーダーをたまたま(笑)殺してしまったため、猫族解放同盟なんかとつるむことになったりして闘争に巻き込まれてゆく。…なんて話をドライでアナーキーなスラップスティックに仕上げる作者の手腕はすばらしい。しかもなんと、精神の自由(!)を高らかに謳いあげて終わってしまうのだ、いいぞ、内田美奈子。 (く)

赤い血のしるし/河あきら/別冊マーガレット
(か)未 (よ)未 (く)★★★

 別マで「バッド・エイジ・シリーズ」とキャッチフレーズが(途中から)ついた不良物をたくさん描いていた時期がある。世間の無理解、抗いきれない無力感、がくり返し描かれていた。実のところ、このタイトル作品そのものの記憶はあまりない。ワンカット覚えてるくらい。当時の同シリーズの中では「ゆがんだ太陽」「錆びたナイフ」なんかはストーリーがはっきりいえるくらい記憶があるんだけどなあ。 (く)

赤いトナカイ/石森章太郎
(か)未 (よ)未 (く)未 (米)★★★★

 ハインラインの「大当たりの年」と同時期に発表されたため、盗作騒ぎも(後になって)あったようだが、世界の危機状況や頻発する天災などをひっくるめて、地球が破滅に向かうというアイデアはだれでも思いつくもの。中一コースに連載されたように、異星人によって中学生の男女が別世界のアダムとイヴになるのは(ちょっと)感動的。 (米村秀雄)


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