「このJUNEがすごい!'96」
私の怠慢で発表がこんなにも遅れてしまいました。申し訳ない。
- 奥付の日付が '95.11.1〜'96.10.31 の商業出版物(雑誌掲載もOK)が範囲。
でも発行日付を調べる手間をはぶくため、多少のズレは許容します。
- 集計は1位5点、2位4点、3位3点、4位2点、5位1点
という集計方式をとりました。投票者は3人。結果は下記の通りです。
- 1(8点):吉田珠姫「燈台」(天にとどく樹・4)
- 2(5点):山藍紫姫子「葛藤−アンビヴァレンツ− スタンレー・ホークの事件簿II」
- 2(5点):生野稜「約束します」(門の中の楽園シリーズ)
- 4(4点):神谷凪「緑の日々」
- 4(4点):森岡由宇子「愛に縛られて」
- 4(4点):椎崎夕「帰る場所」
- 7(3点):江上冴子「俺があいつを好きな理由(ワケ)」
- 7(3点):花郎藤子「黒羽と鵙目」
- 9(2点):かわいゆみこ「EGOIST(エゴイスト)」
- 9(2点):月村奎「エンドレス・ゲーム」
- 11(1点):森内景生「花鳥風月パニックNIGHT」
- 11(1点):秋月こお「富士見二丁目交響楽団シリーズ」
投票者のコメント
- 1.吉田珠姫「燈台」(天にとどく樹・4)
- 白泉社 花丸ノベルズ
女とやれないロッカーの彼の話がせつなくてよかった。
吉田珠姫はあたるとでかい
- 2.神谷凪「緑の日々」
- 白泉社 花丸ノベルズ
はかなげなおにーさんがでてくる。96年のベストはかなげおにーさん
- 3.江上冴子「俺があいつを好きな理由(ワケ)」
- 桜桃書房 エクリプス・ロマンス
バカ小説。ばかもきわめれば印象だけはのこる
イケイケ梓を女にして話ねりこめたらマンション買えるぞ。たぶん。
(*本人からの自己申告で、範囲内の本は冊数を読んでないとのことで3作投票になりましたby鈴々)
- 1.山藍紫姫子「葛藤−アンビヴァレンツ− スタンレー・ホークの事件簿II」
- 芳文社『小説花音倶楽部』掲載。同社 HANAOTO NOVELS
- 2.森岡由宇子「愛に縛られて」
- 芳文社 HANAOTO NOVELS
- 3.花郎藤子「黒羽と鵙目」
- 白泉社 花丸ノベルズ
- 4.かわいゆみこ「EGOIST(エゴイスト)」
- 青磁ビブロス ビーボーイノベルズ
- 5.森内景生「花鳥風月パニックNIGHT」
- 角川書店 ルビー文庫
- 1.生野稜「約束します」(門の中の楽園シリーズ)
- 青磁ビブロス『小説b-Boy 9・10月号』掲載。同社 b-Boyノベルズ
白血病の三上が、癌で死んだ父親から角膜移植をうけて視力を取り戻す津田少年に、病院で励まされるところからはじまる一途な恋の物語。三上は再発し、骨髄移植を受けることになる。その前に高校生になった津田に会いたくて、体力的な無理を学園側の理解に助けられて、寮監として赴任する。寮長の津田は出会った時には目が見えなかったため、三上のことはわからないまま、恋がはじまる。
主人公ふたりの、お互いに対する真摯な態度に好感度大。三上が自分の真意をごまかすための失言を恥じるシーンが印象的。ハッピーエンドがまたよい。
- 2.椎崎夕「帰る場所」
- 白泉社『小説花丸 秋の号・冬の号』掲載。同社 花丸ノベルズ
亡き姉が女手ひとつで苦労して遺した喫茶店を守ろうと奮闘する青年の物語。姉の忘れ形見の娘と二人で暮らしているところに、姉の夫の身内がいきなり出てきて娘をよこせといってくるわ、地上げ屋はひどいわで疲労が重なる。喫茶店にふらっとあらわれた、行き倒れ男の正体もからんで、切ない展開。青年の知り合いで負けん気の強い女医さんの、すぱっと物を言う、歯切れのよさがかっこいい。いやー、泣けちゃう話もいいもんです。
- 3.吉田珠姫「燈台」(天にとどく樹・4)
- 白泉社 花丸ノベルズ
バンドのギタリストの義臣くんは、相手をよりどりみどりのつまみ食いしほうだいだった過去は過去として、純愛モードになったら、いきなり不器用。その彼のそばに行きたくて整形手術までしちゃったドラムスの彼のいじらしさといったら、なんてラブリーなの。
ところで、続きがでない。どうしたんだろう。
- 4.月村奎「エンドレス・ゲーム」
- 白泉社 花丸ノベルズ
世話になっている青年弁護士に、ゲイの偽装結婚として、死にかけた母親と書類上の結婚をしたいともちかけられ、承諾して義理の親子になった少年の物語。義父に、自分はゲイだが子供は恋愛対象じゃないと言われたことにより、自覚した恋をうちあけることができない。義父の恋人を紹介されても平気なふりをし続けて、数年がたってしまった。刃傷事件をきっかけに、感情が噴出。後日談もついていてグーでございます。
- 5.秋月こお「富士見二丁目交響楽団シリーズ」
- マガジン・マガジン『小説JUNE』掲載。角川書店 ルビー文庫
連載中。エピソードごとのパワーにばらつきを感じる。音楽への向かい方と恋愛事情とその他のバランスがきわどい。桐ノ院が視点の話がシリアスさと可笑しさが同居していて楽しめた。
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