菊池鈴々の「RinRin日記」
95年12月分
主な内容:■本 ●漫画 ▼TV □雑誌 ○同人誌 etc.
●漫画は独断評価つき(5点満点:★1点・☆1/2点)
文中敬称略
96/01/12改訂
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12/30(土)
- □LaLa 1月号と2月号
- 京都のSF忘年会でもらった(笑)。帰省先の実家で読んだ。
12/28(木)
- □SFマガジン 2月号
- えーと、'95ベスト関連ページとコラムしか読んでない。
- □花丸漫画5
- 高永ひなこの絵柄はグーだ。話の盛り上がりをもう一歩なんとか。
のやま雪は引きがうまいかも。
- □花丸漫画6
- 花丸ノベルズ原作ものの比率が下がった。今のところ、原作ものよりオリジナルの方が出来が上だからいいけど。だってイラストレーターに起用されている人が漫画がうまいとはかぎらないんだもん。
12/26(火)
- ■ホンの幸せ/氷室冴子
- エッセイ集。好きな本のことや自分のことなど。昔、不倫していた頃の話などもクールに語っている。不倫相手というか、当時の恋人というか、その男を「男の子」と表現するするあたりに氷室冴子の認識が見えて面白い。
- ●いしいひさいちの問題外論(7)/いしいひさいち ★★★
- 12/24の例会において、本屋の後の夕食の席で誰かがこの本をだしたら、その場にいた約10人のうち4人が買っていた。凄い売れ行きなのだ。
- ●天職へのチャンピオン 決定版女子大生内定獲得マニュアル/現代洋子 ★★★
- サブタイトルのまんま。柔道をやっていた女子大生の就職までの戦いを描くコメディ。自分の個性とは何か、自分を出せば落とされて、押さえても落とされる。個性という言葉が落とすための言い訳に使われている、というくだりがシリアスだ。
12/25(月)
- ■俺達の夢伝説/あさぎり夕
- 泉&由鷹シリーズ番外編。登場人物の過去編など短編が3つと漫画が3つ。
- ■月さえ眠る夜/鈴木せるぼ
- 生徒と教師の学園JUNE。えっちシーン8つ、と後書きにあるから数えてないけど8つなんでしょう。Hな行為はあるかもしんないけど、教師の意志がぼんやりしているので、恋愛ドラマとしては少々ぼけた感じ。
- ●ANIMAL X 完全版(下)/杉本亜未 ★★★☆
- 結構加筆があるらしい、と同人誌を見た後思っていたら、約300ページもCD・BOOKについていたぶん増えていた。薄い紙を使っているので、本屋でぱっと見た感じでは300ページも追加があるようは見えなかった。こうしてみると全体の印象がかなり違う。
- ●八雲立つ(3)/樹なつみ ★★★
- 七地の妹のキャラがでんでんよくない。
- ●架空の園 −続・花盛りの庭−/坂井久仁江 ★★★☆
- 妻と自分の父の間の不倫でできた息子と性行為を続けていた男が火事で死んだ前作より、前のエピソード。息子が高校生のものと、結婚当初のもの。
ライトな吸血鬼短編と極々短編いり。
- ●児雷也(3・完)/橋本正枝 ★★
- 悪の首領が愛のパワーで滅び、平和が訪れるという、スットレエトな終わり方であった。
- ●KOMISCH(コーミッシュ)(1)/橘皆無 ★★
- このひとのコメディのセンスって、いまひとつ私とあわない。どシリアスの方がいいと思うんだけどなあ。
- ○第7天国殺人事件/えみくり
- えみこ山がくりこ姫の誕生日を記念して毎年出しているもので、漫画のみ。今回は第7天国シリーズ。
タイトルだけかと思っていたら、本当に殺人事件があったのでびっくり。でも長谷川会長があんな死に方をするとは思えないので、彼が死んだって部分はひっかけだとすぐわかる。
12/24(日)
- □いちばん好き 1月号
- 杉浦志保の、愛に目覚めた氷の魔物の話がなかなかよい。
- □いちばん好き 2月号
- 表紙の配色が角川書店っぽい。色彩をおさえて読者対象を上げるのか…っていうほどのことでもないか。
- □Racish(ラキッシュ) 2月号
- 戸川み(示見:字が出ないのよ)友の新連載は好みかもしれない。
- ●第三の帝国(5)/本橋馨子 ★★★
- ユリウスが傷心のまま記憶喪失になる。すぐ治ったけど。長期連載にはつきものの病のひとつである。
12/22(金)
- □小説JUNE 2月号
- 秋月こおのフジミ外伝とレギュラーコミック陣はいいけど、ほかはぱっとしない。むしろ、中島梓が小説道場をおりることについての本人の発言と、読者の「道場主への手紙」が目をひく。
12/21(木)
- ●オリスルートの銀の小枝(1)/紫堂恭子 ★★★★
- 架空の国の魔法がらみの学園ファンタジー。
- ●特務戦隊シャインズマン(4)/橘皆無 ★★☆
- 地球侵略を企むボイス星人と戦う五人のシャインズマンの活躍は時間外労働もなんのその、今日も続く。
OVAが出る。ちゃんと登場人物の名前に合わせた声優キャスティングらしい。原作があからさまに声優の名字を使ってるから、まあ、それしかないだろう。
- ●ギャラリーフェイク(6)/細野不二彦 ★★★★☆
- うんちくもいいが、今回はレイダースばりの冒険ものもあった。
- ●めりーさんの羊(1〜5)/神尾葉子 ★★
- コメディ寄り学園ラブストーリー。エピソードのつながり方が、あっちこっちにふらふらしてる。
12/20(水)
- ●砂の薔薇(10)/新谷かおる ★★★☆
- 対テロ専門の傭兵集団の指揮官「薔薇のマリー」の新兵時代のエピソードと、めずらしく軍事法廷もの。
- ●猫の手貸します/入江紀子 ★★☆
- この作者のデビュー作がはいってる(たぶん)コミックス1作目。モノローグやセリフのリズムなど面白いけど、これでは不満が残る。'88の作品だから古いことは確かで、しかたないのかなぁ。
- ●おたんこナース(1)/佐々木倫子/小林光恵 ★★★★
- 新米看護婦コメディ。ってそのまんまか。病院の描写など緻密な取材をしたものと思われる。『動物のお医者さん』でいうところの漆原教授のようなアクの強い人物がいないのが少しさびしい。
12/19(火)
- □セリエミステリー 12月号
- 桑原水菜/浜田翔子の『炎の蜃気楼』が浮くんじゃないかと思っていたが、黒川あづさや本橋馨子もライトながらもJUNEをやっている。そうかそうか、そういう雑誌になりつつあるのか。
- ▼開運!何でも鑑定団
- 萩尾望都の原画(モノクロ)が出た。しかもっ『トーマの心臓』の連載中の表紙! いいなあ、あれなら私でも欲しいかも。いつも番組を見ていてるけど、これは欲しい、と思う物を見た事はなかった。でも75万円は出せないわ(笑)。
- ■Nervous Everyday/五百香ノエル
- 親同士の再婚で義兄弟になった高校生のJUNE。
12/18(月)
●ハートの証明/中村真理子 ★★☆
- レデイース短編集。ほとんどOLが主人公。
12/17(日)
- □ブレス Special
- ロリショタ特集。この表紙はちょっといまいち。
12/16(土)
- □フジミ同人誌ワールド2
- 秋月こお『富士見二丁目交響楽団シリーズ』の同人誌から寄せ集めた作品集。
ふつうに「やおい」を楽しむ同人誌と違って、もとネタが、はっきりきっぱりまごうかたなきJUNEだから、いじる隙がなくて、極端なギャグ路線かほんわり路線が多い。原作をいっそうHにして遊ぶのはむずかしい作品なのかもしれない。アレより凄いのを書くのは大変だよなー。
- □ブレス VOL.10
- 池上遼一のそっくりさんの絵は、同人誌で何かのパロディをするならともかく、オリジナルを描くのには向いてないと思う。
- □COMIC CUE VOL.2
- 2冊目が出るとはあまり思ってなかったが、ちゃんと出た。江口もちゃんと漫画を描いている。今回はカバーバージョン特集。「カバー」と「パロディ」は違うのだ、ということか。元ネタを読んでないのもあったけど、ま、それはしょーがない。
- □小説花音倶楽部 VOL.7
- 阪急電車の売店でも売っていた。そういう世の中になったんだなあ、しみじみ。
白城るたはファンタジー/SF風のより今回の作風の方がいいよ。
12/15(金)
- □麗人 1月号
- 笠井あゆみの海彦山彦の表紙が耽美で美しい。でも耽美なのは表紙だけで中身はフツーに(?)JUNE系H雑誌。
- ●BRONZE -ブロンズ-(7)/尾崎南 ★★★
- 結局、南條晃司の左手は結局切断されたまま。泉の足もトラブるし。永遠の幸福とか叫んで求めるこのパターンのままでは、えいえんにシャーワセには、なれないと思う。
12/14(木)
- □小説b-BOY 1月号
- 完全な読み切りよりもシリーズ物が増えている気がする。
- □BE・BOY GOLD Winter
- JUNEと殆ど関係ない巻末の『OL!仕事人』をほめるようでは、JUNE系雑誌の立場がないかもしれない(笑)。『MAGAZINE BExBOY』より雑誌全体のH度をあげようとしているのはわかるけど…。好感度の高い絵柄が、露骨度の低い風祭壮太や鳥人弥巳なんだから、むくわれてない。「露骨」と「H」は似てるけど違う概念なんだと思う。
12/13(水)
- □サウスWinter
- 『原獣文書/なるしまゆり』のために買いましたっ! コミックスがでたら多分それも買うことでしょう(笑)。
- ■ATTRACTION STORM−引力の嵐−/池戸裕子
- 探偵事務所を開いている小説家のおじさんの手伝いをしている大学生が、「生き別れの弟かどうか確認して欲しい」と頼まれて接近した相手に恋をしてしまうJUNE。頼りなさそうな風情ながら、たまーにきりっとしたとこも見せるホームズおたくのおじさんが存在感がある。
12/12(火)
- □小説花丸 冬の号
- 吉田珠姫が使う、つまりながら喋る台詞のリズムが私好み。
雑誌の下段に「花丸新人賞・小説部門」応募作の批評が、だーーーっと掲載されていて凄い。数えてないけど300作くらい。評価ランク「E−:投稿する前に勉強しなければならないことが沢山あると思います」など、シビアでしびれる。
- ●JAPANESEな彼女(4)/小越なつえ ★★★
- 全寮制のインターナショナルスクールで、リズと修平がふたりきりの日本人。しかし修平は帰国子女なので、日本風習慣を解説する役はほとんどリズ一人。カルチャーギャップを扱うドタバタコメディ。
- ■フレキシブルな恋愛/月夜野亮
- コメディタッチのサラリーマンJUNE。本橋馨子の挿絵があまりにもイメージぴったりなので、ギャグ部分では、私の脳が勝手に本橋馨子チョロQ型絵柄にアレンジしてしまった。
12/11(月)
- ■SUKI! SUKI! SUKI!/神田睦子
- 同人誌にJUNEマンガを描いている高校生の雅之くんとアシスタントをしてくれる幼馴染みの譲くんがいつしかH関係になってしまいました。9エピソード全部にサービスシーン(笑)あり。
- ■もう一度ONLY YOU/高坂結城
- サラリーマンJUNE。中学生の頃、淡い恋心を抱きあっていた二人が、10年後職場で再会し、あらためて恋に落ちる。メインストーリーはともかく「10年前交換日記をしていた」って設定はいくらなんでも苦しくないか?
- □CARESS VOL.4
- Hのあからさま度はブレスと同じくらいかな。
- □ヤングユー 1月号
- 連載それぞれが水準作。
12/10(日)
- ●薔薇のために(1)/吉村明美 ★★★
- 大学受験に落っこちて、男にふられてがっくりきている主人公を育ててくれた祖母が急に亡くなり、有名女優が母だからそっちにひきとってもらえ、と遺言されてその家を訪ねた。なんとそこには全員父親が違うという兄弟たちがいた。一応うけいれてはもらえたが、家政婦扱いなのではと、身の置き処のなさに困惑する。
12/09(土)
- □コミックJUNE VOL.2
- 漫画はハルノ宵子が一番よかった。
今市子の文鳥ネタもナイス。オスが二羽だったので求愛ダンスをしてもむくわれず、丸めたティッシュで「ふらちなふるまい」をするところが白眉(^^;)。
- ●ちきぅの歩きかた/高梨くみ ★★★
- 海外旅行レポート漫画。エジプト・イースター島・中国、それぞれにトラブルと感動はあざなえる縄の如し。
12/08(金)
- ▼ガンダムウィング
- 事態が混乱してしまって、登場人物達も生きる道の見定めがつかず右往左往している。
ヒイロが「俺を殺しにくる奴が俺の敵だ」と言うのは、すさんじゃってるなぁヒイロ、ですんだとしても、ウーフェイの「俺が倒す相手が悪なのだ」というのはかなりマズイ思考だ。話合いに応じようとせず「おまえは悪だ」と決めつける姿勢はおおいに問題があるし、ウーフェイに全てを託してコロニーごと自爆する大婆様もおかしい。それってコロニーの住人の総意じゃないだろ。あんたの思い込みちゃうんか。コロニー評議会に裏切られた時点でガンダムが守るべき対象は失われたとはいえ、あそこで自爆したんじゃ救いがないなー。
- ■ぼくたちの洗脳社会/岡田斗司夫
- 元ガイナックスの岡田氏が世に問う洗脳社会論。とにかくわかりやすいくて面白い。
随所にレトリックとしての「決めつけ」があるが、それも物事をシンプルに説明するためなのだと思って(笑)つっこまずに読み進むべし。
トフラーの『第三の波』も境屋太一の『知価革命』も未読の無知な私でも、話の持って行き方がうまいので、するする読めてしまう。農業革命・産業革命を経て、自由経済さえひとつの思想だと知っている「もう引き返せないわたしたち」の現在をクリアーに語っている。
「情報」が新聞・TV・雑誌などの従来のマスコミとは違う非営利活動の増大により変容してゆく状況の描写の部分では、コミケやゲームやパソコン通信やインターネットなどの具体的な数字をあげて説得力を発揮する。でもそれって、私におたくの血が流れているからその分野の数字に納得しやすいんでしょうか(笑)。
- ●火輪(かりん)(1〜5)/河惣益巳 ★★★★
- 『花とゆめ』連載中。神話の時代の東アジアが舞台。白・黒・黄金の三真珠の精をとりまく天界と人間界をまたにかけるファンタジー。
12/07(木)
- □MAGAZINE BExBOY 1月号
- やおい系コミック誌。この号は小説が一本だけ掲載で、それが一番面白かった。
- ▼バビル二世
- 最近再放送(月〜木)をよく見ている。ロプロスを呼べない理由が特にないのにさっさと呼ばない脚本(笑)に不満を感じながら、本放送の頃は本当に素直に見ていたのか、記憶があいまいだ。高校生くらいになると逆に「お約束」を楽しんだり、番組中にキューを出して遊んだりしていた記憶があるんだけど…。
12/06(水)
- ■GAME CLEAR!/真船るのあ
- ゲームメーカー会社勤めのサラリーマンやおい。仕事部分の書き込みが細かいなぁと思ったら、後書きに作者が某ゲームメーカー会社の準社員とあった。そういうオチか。
- ▼エヴァンゲリオン
- いろいろウラ読みしたくなりそうな描写が多くていい。ずっと気になってるのは、あの「サード・チルドレン」って呼び方で、あれって「one of 3rd children」っていう意味だとするとぉ、レイの他にも「1st children」がいるしアスカ以外にも「2nd children」がいる(またはかつていた)ってことになって、画面には現れないそれらの子供達の境遇って…と考えてしまってつい暗くなる。アニメ関連雑誌をはしから読めば書いてあるのかなあ。
12/05(火)
- ○杉本亜未のANIMAL Xの本
-
- XYZ/HALLOWEEN
- 37.0C/HALLOWEEN
- BLIND/HALLOWEEN
嬉野かの子の同人誌。
元ネタが漫画だからといって、原作の絵柄に似せているとは限らないが、この人のはかなり似ている。その上うまい(裕司キレイ)から申し分ない。
ただ、私は原作の『完全版』も『画集』も見ていないので「ほー、裕司子供産んでたのかー」なんて言っている不真面目な読者だったりする。
12/04(月)
- ■アンコンビニエンスでいいから/火崎勇
- 書き下ろし中編が一番長い学生ものやおい。再録の中編1・短編2はいずれもサラリーマンもの。全体の印象が散漫。サラリーマン中編が一番まとまっている。
- ■ロマンスにはまだ早い/藤枝るみね
- 『わるいけど、キミが好き』の続編。風水師と未熟な霊能力者のやおい恋物語としての出来は前作の方が上。
今回のエピソードはオカルトノリのドラマに主眼を置きすぎて恋のエッセンスが希薄になってしまった。「付喪神」とかそういうネタが嫌いってわけじゃないんだけど。呪いの家をいくつも作った謎の建築家(綾辻行人の館シリーズじゃないんやし〜とつぶやく私)がちょっと思わせぶり。
- ●永遠の野原(13)/逢坂みえこ ★★★★★
- 小説家志望の女の子の自覚と決意が美しい。
二太郎が家庭教師をはじめた。教え子の女子中学生の母が強烈な潔癖症で、影響を受けまくって本人もかなりのもの。「思春期の女の子にありがちな」レベルを越えている。
- ●ラヴァーズ・キス(1)/吉田秋生 ★★★★★
- 『BANANA FISH』の後は日本が舞台。
読んでいて不思議なのは「面白い」っていう以上に「面白くなりそう」って感じることだ。
12/01(金)
- ■●夏目房之介の學問/夏目房之介+週刊朝日
- 週刊朝日の連載をセレクトしてまとめたもの。夏目節が冴えているものもあるが、ネタそのものがおいしいものも多く、取材の勝利だと思う。
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