泌尿器科医・木村明の日記


前立腺炎なら俺に任せろ、とは今は言えません。


[木村泌尿器皮膚科公式ブログ](2012年春)

前立腺炎における私の役割といえば、細菌感染症として抗生剤をいろいろ投薬されている患者さんに、
あなたの前立腺には微生物は棲みついていませんよ、と納得してもらうことでしょうか。
最近は前立腺炎を尿路感染症として論じるのではなく、間質性膀胱炎と同列に扱う泌尿器科医も、増えてきました。
なので、ドクターショッピングのはてに当院にたどり着く患者さんはすでに、α-ブロッカー過活動膀胱治療薬・そして漢方薬も経験済みです。
山田記念病院に、不登校の中学生が、前立腺炎ではないか、と母親に付き添われて、来院されたことがありました。
不登校になったばかりの頃は、腹痛を訴えていたようですが、ネットで調べているうちに、前立腺炎に共通する症状(下腹部痛・尿意)が揃ってきたようでした。
学校を休まなければならない異常は、君の前立腺にはない、とお話しするのにすごく時間をとられたように記憶しています。
間質性膀胱炎を扱うクリニックは、それ専門に特化していて、予約制のところが多いように思います。日曜日に見かけたクリックも予約制のようでした。
前立腺炎なら俺に任せろ、と言うためには、予約制か二診制に変えないと無理でしょう。
治療歴数年の方が土曜日のアサイチに来られたりすると、医者一人では診療が30分ストップしてしまいますから。
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