食品衛生法の暫定的な指標値ってどんな根拠?


[木村泌尿器皮膚科公式ブログ]

地球には宇宙から放射線がふりそそいでおり、人は年間で1から2ミリシーベルトを浴びているといわれています。
一生の間に1000ミリシーベルトを被曝すると、一生の間に致死的ガンになる確率5%というデータがあるそうです。多分被爆者に発生したガンの発生率の統計が根拠なのでしょう。
この二つが、議論のたたき台です。
1ミリシーベルトを浴びた人たちがどうなったかのデータなど存在しません。なので、被爆した人たちでの癌の発生率から単純計算するだけです。
一生の間に1000ミリシーベルトで、一生の間に致死的ガンになる確率が5%なら、年間1ミリシーベルトを浴びると、年間0.005%致死的ガンになる、と仮定します。
つまり、10万人に5人です。人口20万人の都筑区なら10人です。
普通に暮らしていても1ミリシーベルトは浴びているのだから、さらにもう1ミリシーベルト余計に浴びても、癌の発生率が0.005%なら、まあいいか、というのが、
一般人の許容線量は線量1ミリシーベルトと決められた、根拠です。
次に、シーベルトという単位とベクレルという単位について。
人体の被曝量(放射線を浴びた量)はシーベルトという単位で測りますが、
放射能の強さはベクレルという単位で測ります。
水道水に関する基準は、放射線が検出された水だけを、毎日一年間飲み続けると仮定し、それでも、心配する必要がない濃度を、基準値として設定しています。
原子力安全委員会が定めた飲食物摂取制限に関する指標値は、放射性ヨウ素に関しては、水1リットル当たり300ベクレル。
1日1.5リットル飲む(ここは私の泌尿器科医としての知識)として、365日だと16万ベクレル摂取して、やっと年間の被曝量が1ミリシーベルト。
年間の被曝量が1ミリシーベルト増えると10万人当たり5人発ガンします。
食品衛生法に基づく乳児の飲用に関する暫定的な指標値が、水1リットル当たり100ベクレル。
100ベクレルの基準を満たせなかった水を怖がる必要はないと思います。
300ベクレル1年間飲み続けたって、致死的ガンになる確率は0.005%なのですから。
ちなみに、年間のガン死亡率(10万人当たりの人数)は下の通りです。

(10万人当たりの年間死亡者数:肺がん男性73人)

(10万人当たりの年間死亡者数:肺がん女性26人)
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