ビル診開業医は絶滅危惧種?
外来管理加算や判断料のことを調べようとネットサーフィンしていたら、「中途半端に終わった勤務医対策」という読売新聞の社説を見つけました。
本気で勤務医対策に手を打つのならば、開業医の既得権に大胆に切り込むことで、もっと多くの財源を確保できたはずだ。今回の改定は、中途半端に終わったと見られても仕方あるまい。
ビルの一室に構えた診療所に昼間だけ通勤する開業医の報酬は、大幅に削る。地域の中核病院と連携し、休日・夜間や救急医療を支えようと粉骨砕身している開業医には、もっと思い切った報酬で報いる――。こうした改革で、勤務医の負担軽減を図る必要がある。
救急患者のたらい回しを防ぐには病院の医者を批判しているだけではだめで、お金も手当てしないといけないとマスコミも気づき始めたのはいいことだと思います。
しかし、再診料が下がらなかった事が、開業医の既得権に切り込めなかった、と批評されているのは残念です。外来管理加算の厳格化や検査判断料などが下がるので、実質再診料が下がったようなものなのです。
「ビルの一室に構えた診療所に昼間だけ通勤する開業医」はこれからは世論の叩かれ役になりそうで、次回の改定では平日9時ー17時の診察料はさらに引き下げられるのでしょう。それに反対する医師会は「開業医の既得権」にしがみつく圧力団体のように国民の目に映るのでしょう。
病院で医者4人が集まって一人の拡張型心筋症の患者さんにバチスタ手術ができるのは、その時間帯に一人でたくさんの外来患者さんの診療をしている開業医がいるからです。
再診料が加算される夜間と休日に、開業医が診察時間をシフトさせたら、昼間の病院の外来が混雑して、医者4人が手術室に集合できなくなると思うのですが。
かといって、平日の午後6~10時と、土曜の正午~午後10時にオープンするクリニックを作ろうと思っても、夕食の時間帯に働いてくれる職員を見つけるのは至難の業です。
新規開業支援をうたうコンサルタントたちが開催する勉強会に参加されている先生方へのアドバイス。
コンサルタントたちは、夜間休日加算を目玉に平日の午後6~10時と、土曜の正午~午後10時にオープンするよう助言してくれると思いますが、奥さんの同意を得てから開業しましょう。
コンサルタントは職員を派遣してくれません。人材募集の広告の出し方を教えてくれるだけです。職員は見つからず、事務長と二人で、父ちゃん母ちゃん農業方式になってしまいますよ。
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