弥陀三尊来迎画像庚申待供養板碑
              (下矢切西蓮寺所有)

形式、材質等 緑泥片岩、武蔵板碑、高さ91.0cm
下矢切、聖徳寺(廃寺)付近で発見

 下矢切西蓮寺には弥陀、観音、勢至三尊来迎画像板碑が
あります。庚申供養と結合した大変にめずらしいもので、
松戸市の有形文化財として昭和44年4月1日に指定され、
現在松戸市立博物館にて公開している。
  この板碑は天文二年(1543)十二月吉日とあって、
上部に天蓋・ヨウラクのある弥陀三尊の来迎の図像を陰刻
し、その下に燭台・香炉・花瓶の三具足をおいた前机をお
き、「奉庚申待供養結衆」の七字を刻んでいる。その左右
には、結衆の人びとの名が刻まれていたらしいが、いまは
欠損が甚しく読解できない。この板碑は、今日も庚申講の
組織をもつ栗山部落の地続きである下矢切西蓮寺にあるも
のであるが、これは同寺所蔵のものでなく、同寺に合併さ
れた近くの廃寺聖徳寺辺にあったもので、貞享三年(16
86)同寺の以察房宥真が什物帳にしるすところによると、
庚申山という塚のうえに庚申の石仏がある旨をのせている。
現物は写真のごとく、下部の左右が欠損しているが、高さ
九十一センチ・幅、最広三十七・五センチで、原形はこれ
より若干大きかったようである。

 板碑は、板仏とか石仏ともいわれ、死者の追善供養とか、来世
の自分を生存中にみずから供養する逆修という考え方から建立
されているものです。