LIVE ACT TULIP 2001年 心の旅
東京国際フォーラム公演 09/16/2000

Reported by Makoto Honda//Tokyo Zepp Website "Communication Breakdown"


●日付:2000年9月16日(土)

●会場:東京国際フォーラム ホールA(東京都有楽町)

●時間:17時開場/18時開演

東京国際フォーラム 外観
東京国際フォーラムは、東京有楽町にある総合コンベンション・センターです。
総工費1,650億円を投じ、1997年1月に開館しました。国際コンペによって米国人ラ
ファエル・ヴィニオリ氏のデザインを採用。豪華客船を思わせる巨大なガラス張りの
建物が目印です。
A〜Dの4つのホールと各種会議室から構成され、最大のホールAは5,012席。国内
の常席ホールの中で最大級の規模です(もちろん、武道館等のスポーツ施設を除く)
昨今は外タレの来日コンサートのメッカであり、DEEP PURPLEやJEFF BECKなどのビ
ック・ネームがこの会場を利用しています。(それだけ外タレの動員数が落ちている
ということでもありますが)

TULIPは東京3-DAYSの2日目/3日目を、ここホールAで開催しました。2度目の再
結成ということもあり、武道館開催というリスクをあえて回避したと思われます。

この日は小雨がパラつくあいにくの天気でした。
開場の17時には長蛇の列となりますが、「リハーサルが伸びている」とのことで、な
かなか会場に入れません。17時半近くになってようやくロビーに通されますが、そこ
でも客席への入場は許されず、数千人がロビーにすし詰め状態で待たされました。

売店には、初日にはなかったTULIPマル秘本「ANTHOLOGY 2」が販売されていました。
昨今では店頭でなかなか見かけない(^^;)TULIPのオリジナルCDも揃っており、飛ぶ
ように売れていました。

- 曲目 -
あなたの夢/東京国際フォーラム9/16/00公演より
  定時より10分以上過ぎて、会場が暗転。メンバーが登場します。   各人の衣装は初日とほぼ同じですが、宮城さんのみ上着の色が薄緑色に変わって   います。
1.心の旅
  楽器の構成は初日と同じで、姫野さんは緑色のSchecter Telecaster Model、   安部さんはGibson ES-335TD、宮城さんはサンバーストのFender Precision   Bassでした。   この日も姫野さんの声は調子が良いようですが、初日と比べるとやや劣る感が   あります。
MC:安部
  はい、どうもこんばんわ!チューリップです(拍手)。   「LIVE ACT TULIP 2001年 心の旅」にようこそ!いらっしゃいました。   えー、フェニックスのように、またまた我々蘇ってしまったんですけどもね。   ゾンビのように、って言わないように(笑)。   レコードですとね、CDですと、心だけですけども。今夜はライブです。   身も心も、ボディ・アンド・ソウル、○○一緒に○○したいと思います。   最後まで、よろしくお願いします。
2.あのバスを停めて!
  MCの間に姫野さんは右手のキーボード席に、財津さんはステージ中央後ろに置い   てあったEpiphone Casinoを手に、センター位置に移動します。   この日は財津さんは歌詞の間違えはありません(3日間でこの日だけですが)   安部さんのギターも適度なエフェクトです。ギターソロの間、財津さんが安部さ   んに向い、片膝をついて片手をヒラヒラして応援するシーンが印象的でした。
3.置いてきた日々
  財津さんはCasinoをギタースタンドに置き、同じくギタースタンドに置いてあっ   たMartin 000-28に持ち替えます。   安部さんはイントロ終了後、スツールに座っての演奏です。
4.淋しくて淋しくて
  ステージに半月型のバックスクリーンが降りて来ます。   安部さんはAメロの最中にチューニングをし、タオルでネックを拭いて2番以降   の自分のパートに臨んでいました。ギター・ソロの間中、エフェクターボードに   足を置いていましたので、おそらくペダルをワウワウの設定にし、音色を足でコ   ントロールしていたと思われます。
5.神様に感謝をしなければ
  財津さんがキーボード席に、姫野さんはサンバーストのアコギを持ってセンター   に移動します。   安部さんが姫野さんの横に近づき、二人並んでイントロのフレーズを奏でていま   した。
6.明日の風
  姫野さんがローディにアコギを渡し、緑色のTelecaster Modelに持ち替えます。   府中での失敗の反省からか、ブレーク時間がやや短かめでピアノが始まっていま   した。   演奏後、姫野さんはキーボード席へ、財津さんはMartin 000-28を持ってセンタ   ーに移動します。各メンバーが水飲み休憩の中、財津さんが話し始めます。
MC:財津
  はい、えー(拍手)。   安部俊幸さんに続いて、おしゃべりさせて頂きます(笑)。   僕らは1972年にデビューしました。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、福   岡から東京に来ましてね。それはそれはホントに、東京は凄い街だったんで、九   州の田舎者、チューリップはですね、もう、どこでも金魚のフンのようにですね、   くっついて歩いてました。東京は怖い街だと、ずっと先祖代々聞かされていたも   んですから(笑)。注意深く、注意深く、行動してました。   ですから、いい雰囲気になって女性と出会っても「近づいちゃいけないんだ。東   京の女は怖いんだ」って自分にこう、強く言い聞かせながら、生活していました   けれども。その頃、ホントに可愛かったなぁと思いますけどね。   だんだん、皆さんもそうですけど、歳をヒトは取るもので。それはそれなりに良   かったりもするんですけどもね。   えー、姫野、っていうのもウチにいますけどもね。彼なんかはホントに可愛かっ   たんですよ(笑)。18か9の時に、東京に来たんです。今や立派なオッサンで   すよ(笑)。どこに出しても恥ずかしくない(笑)。   皆さんも、オッサン、オバハンになったかも知れません....。   もう、○○○、いっぱいね、昔の歌が出てきますけれどもね。   さぁ、次の曲は、僕らが「心の旅」という曲でヒットした後ですけども....。   あ、間違いました、ヒットする前にですね。ものすごく違いますね(笑)。   出す前に、アルバムを既に2枚出していたんですね。売れなくても、その頃出し   てくれた、あのシンコー・ミュージックという事務所の方、ホントに、改めて、   ここでお礼を言います、ありがとう!(拍手)   えー、ベースの人は、今(シンコー・ミュージックに)勤めているんですけども   (笑)。まぁ色々、世の中はホントにね、何がどうなっていくかは判りませんけ   どもね。不思議な因縁があるようですけども。   そう言うわけで、2枚目のアルバムの同名タイトル曲をここで聴いてもらいます。   「君のために生まれ変わろう」
7.君のために生まれ変わろう
  この日の歌い始めはピッタリでした。   安部さんは情感たっぷりで、リフを弾きながら体を大きく揺らしています。ソロ   の終わりに足元のエフェクターをパッと踏み、上田さんの方を降り返っていまし   た。
8.ハーモニー
  ここでも安部さんはノリノリで、ギターのネックを振り回しながらの演奏です。   ....と思いきや、ソロ後でステージ脇のスタッフに何やら指を上げてアピールを   しています。どうやらモニターの音量が低いようです。しばらくしてから同じ方   向を見て大きくうなずいていましたから、問題は迅速に解決されたようです。
9.外へでちゃ危ないよ
  前曲からメドレーで続きます。財津さんはキーボード席に戻ります。   2コーラス目あたりでPAから「バン!」という大きなノイズが出て驚きました。
10.心の中は白い画用紙
  姫野さんがサンバーストのアコギを手にセンター位置に移動します。   安部さんは終始スツールに座り、リラックスした雰囲気の演奏でした。   宮城さんはピックを使わず、指でソフトなサウンドを出していました。
11.約束
  姫野さんはキーボード席に戻ります。   宮城さんは指で弦を弾いています。フレットレス・ベースを思わせるマイルドな   トーンで、曲の雰囲気にピッタリでした。   演奏後、ステージ前にスツールが置かれ、アコースティック・セットが準備さ   れます。安部さんは府中公演と異なり、赤いSchecter Storatocaster Model   を手にします。
MC:財津
  はい、ガーリーです(笑)。お待たせしております。   さて、みなさん、今年のお正月は何を食べましたでしょうかね?(笑)   ホントに、懐かしい思い出となってしまった正月ですけれども。   オリンピックは皆さん、行く予定は....今回はなかったようですね(笑)   甲子園は皆さん、行かれましたか?僕は行きませんでした。ねぇ。   それから、ねぶた祭りは終わったし、どんたくもあったしねぇ。色々ありまし   たけれども。ホントに、子供の少年問題っていうんですか?(笑)   ですからね、ホントに早く、姫野君も、おなかの調子が悪いようですけれど、   治して....元気な顔を見せて欲しいなぁと思いますけど。   さて、下らないことを言ってますけれどもね、あの〜恒例の、生ギター・コー   ナーがやってまいりました(拍手)。   昔はよくね、「怠けたコーナー」なんて言って、サボっているように見られた   りもしたことがあるんですけども。まぁ、あのね、こういうもんですから。   みなさんも、今日はあの、何ですか、「ちょっと堅めだな」と、こちらから見   て思いますけども(笑)。どうぞ、この時間帯だけは休憩タイムっていう感じ   で、リラックスしてね、お付き合い頂きたいと思います。   はい、ではまずは、そうですね、季節の話をしましたけれども。   9月です、今はね。やっぱり、9月になったら....この曲かなぁ。
12.セプテンバー
  財津さんが右手の人差し指を上げ、「コーン!」と甲高い舌打ちを鳴らしたの   を合図にスタートします。(姫野さん/安部さんは苦笑いしてます)   この日の安部さんはStratocasterのブリッジにディバイデッド・ピックアップ   を搭載し、中盤は生ピアノの音、エンディングはストリングスの音を出してい   ました。エンディングでは、財津さんと姫野さんが安部さんの魔法のような演   奏を楽しげに見つめるシーンが見られました。
MC:姫野
  えー(笑)、ありがとうございます。セプテンバーを....   いいすね、やっぱりね。久しぶりにセプテンバーを聞いてみましたけれども。   こうやって....あ、そうだ、僕が演ったんですけど(場内爆笑)   (財津:「ひとごとのように....)   なんとなしにね、そうなんですよ。僕、すぐ客になりたがるんですけども。   ずーっとあの、今日、コンサート始まりましてね、今まで「ああ、懐かしいな   ぁ。うん、懐かしいなぁ」って、色々こう、ね、懐かしい曲ばっかりなんです   けどもね。(財津:「懐かしい曲しかないんだよ!」)(観客爆笑)   かれこれ、30年近く演っているんでね、かなり懐かしい....(財津:「もう、   懐かしい人ばっかりだよ!」)かなり懐かしい顔がね、たくさん今日来て頂い   てると思うんですけども。   あの、僕、一番チューリップのコンサートの中で好きなのが、生ギター・コー   ナー、このコーナーなんですけどね(財津:「困ったものだな〜そりゃ〜」)。   なぜかと言いますと、なんかこの、皆さんとひとつ、こう一枚、壁が取り払わ   れて、すごい親近感を感じるんですよ(財津:「へ〜?」)。   すごくこう、皆さんのね、言葉もよく聞こえるし、お顔も見えるし、3列目く   らいまでしか見えませんけれども(笑)(財津:「え?」)。いや、僕はちょ   っと目が悪いもんで、5列目くらいですかね?見えるのは。   でも、こうやって皆さんの近くにいて、こうやって生ギター・コーナーで「い   いな〜」と思いながら、こう、コンサートをやっている訳ですけどもですね。   「長いなぁ〜」っていうみたいに、財津さんが横で、飽きているみたいなんで。   (財津:「MCがね、ホントそうですよね」)   そんなね、ダラダラな話だからみんなから怒られますんで、このあたりで曲に   行きたいと思います。懐かしい曲です。     (財津:「カポした?」)した。(財津さんに向って)した?あれ?   (財津:「違うところにしてるって!」)(観客、メンバー共に爆笑)   ....はい、じゃ、カポもちゃんとできて、準備もできたことだし。   みんな、準備はいいかな?(笑)では、懐かしいこの曲を聴いて下さい。
13.博多っ子純情
  とっても悲しい曲ですが、姫野さんの爆笑MCのおかげですっかり和やかな雰囲   気で聴いてしまいました。安部さんのSantoorは気のせいか府中公演よりも手   数が多いようです。
14.I Love You
  安部さんは再びアコギに持ち替えます。姫野さんのカウントでスタートです。   サビの歌詞に合わせて、上田さんがウッドブロックを「コンコンコン」と叩い   ていました。
MC:財津
  はい、えー、今度はですね、皆さんも一緒に歌って頂けるといい?なんていう   曲なんですけど。   まぁ、僕らはホントにね、まぁ、改めて言うのも何ですけど、歳を取ってしま   いまして。40代...まだ40代の人は、3人かな? ねぇ?   でも、もうすぐ、ウェルカム・50です(笑)。まぁ、ですから、平均すれば、   僕達40代って言っていい訳で。でも、やっぱりジジイです。   ぴったりの、ね。ホント、ぴったりの曲を次にお送りします。   ローカウ・ジジイ....ローカウジー...。
15.仔牛のローカウジー
  府中で忘れたネタを、満を持して繰り出した財津さんですが、姫野さんは全く   ノーリアクションでイントロを弾き始めたため、財津さんは淋しげでした。   この日は安部さんのマイクがオフ気味で、カリンバやハーモニカの音がほとん   ど聞こえませんでした。エンディング近くの一発ヴォーカルも語尾が聞こえず、   この日だけを観たお客さんには非常にお気の毒だったと思います。   演奏後、上田さんはドラムセットに、宮城さんはPrecision Bassを再び手に   します。姫野さんはいったんスツールを立ちかけますが、財津さんに注意され   て座り直し、アコギのチューニングを始めます。安部さんはアコギを再び手に   してスツールに座ります。   財津さんはアコギをスタンドに置きかけて、また膝に抱え、最後は納得したよ   うにスタンドに置きました。財津さんの前にはローディが持って来た譜面台が   置かれます。
16.あなたの夢
  財津さん/姫野さん/安部さんが顔を見合わせ、意味ありげに談笑してます。   姫野さんが「準備OK」とばかりにアコギをジャラーンと弾くと、財津さんが   姫野さんに向って「さぁ、どうぞ」と言うように手を差し伸べます。それを合   図に姫野さんがアルペジオを弾き、曲がスタートしました。   府中公演では演奏されなかった、本邦初公開の新曲です。1コーラス目は姫野   さんのアルペジオのみ、2コーラス目からは安部さんが低音弦での単音弾きで   絡み、サビ後の3コーラス目からは宮城さんのベースが入るという構成です。   この曲の謎は、終盤になってストリングスの音が聞こえることです。安部さん   のストロークとストリングスの譜割りがほぼ同じことから推測すると、安部さ   んのアコギの出力をトリガーにして、シンセを鳴らしていたと思われます。安   部さんは足元で一切操作していませんでしたから、ステージ脇かミキサー卓で   スタッフがシンセを操作していたのでしょう(あくまで推測です)。   演奏後、アコースティック・セットが片付けられ、財津さん/姫野さんがキー   ボード席に移動します。安部さんはES-335を再び手にします。
MC:宮城
  どうも皆さん、お久しぶりでございます(拍手)。   えー、僕もこのツアー、楽しみにしてまして。僕もちょっと根性入れて体重落   としたんですけど(笑)見えますか?(拍手)   姫野達也も5キロ落としたんですけど、見えますか?(笑)。      えー、実はですね、古い曲が多いんですけど、この次に演る曲もちょっと古い   曲でアレなんですが。今年の、きっかけなんですけどね、この夏前くらいに「   チューリップ・アンソロジー」っていう未発表曲が納められているアルバム、   スタッフがめちゃくちゃ盛り上がって作ったんですけども、それに僕も参加し   てまして、74〜5年のマルチの中に未発表曲が入ってて、それがスタジオで   真空パックされた状態でボーンと、あの、出てきて、すごく新鮮な感動があっ   て。ちょうど僕も、75年あたりを色々と思い出したりして。   この業界に入ったのが75年。えー、入った時に「がむがむ」というアコース   ティック・バンドに入ったんですけど、入ってすぐ、シングル盤のレコーディ   ングがありまして、その曲を、実は財津さんが書いてくれまして。   僕、調べたんですけどね、財津さんはまだそういうことをやってなくて、他人   に書いた第一号だったんですね、僕に書いたのが。   ほとんど同時にあべ静江さんの「私は小鳥」というのをやってまして、そっち   の方が、ちょっと力が入っていたかも知れないんですけどもね(笑)。   そう、あべ静江さんと言えば、スタジオに僕がいる時に、こう、ふらっと入っ   て来たんですね。もう、田舎から出てきた学生だったんで、「うわぁ!芸能人   だよ!」って。初めて見ましたけどもね、芸能人。財津さんも、もちろん芸能   人だったんですけども(笑)。まぁ、びっくりしまして。「うわぁ、豹柄のミ   ニスカートを履いてるぅ」とか、「うわぁ、いい匂いするぞぉ」とかね。   まぁ、いろんな、すごい、驚きがありました。   その、ちょっと話がそれまして(笑)。そのレコーディングのメンバー、リズ   ム隊のメンバーが、このステージ上にいる安部さん/姫野さん/上田さんだっ   たんですね、財津さんはガラスの向こう側からダメ出しをしてたんですけど、   その時は。それでオケを録りまして....。   その思い出の曲ですね、チューリップに入るきっかけとなった曲。   聴いて下さい、「青い空はいらない」
16.青い空はいらない
  青と赤の照明が、ムード歌謡っぽさを盛り上げています。   安部さんはギターソロで何か工夫を仕掛けますがイマイチ不発で、中途半端な   構成となってしまいました。
17.走れ!ムーン号
  姫野さんは緑のSchector Telecaster Modelを手に、センターに移動します。   赤い照明の中、上田さんの熱唱が映えます。   この日は姫野さんのギターのヴォリュームが小さめで、ギターバトルがやや迫   力不足でした。
18.人生ゲーム
  姫野さんはギターをローディーに渡し、キーボード席に戻ります。   安部さんはこの日の演奏も今イチです。エコーが中途半端な量で、スライドプ   レイも音程不安定でした。   宮城さんは前半は指弾きで、後半のアップテンポ部分からはマイクスタンドに   付けてあったピックを手にして演奏していました。
19.銀の指環
  財津さんがキーボード席に、姫野さんが緑のTelecasterを持ってセンター位   置に走ります。   間奏の間は姫野さんと宮城さんがステージ前に出てきて、スポットライトを浴   びていました。
20.ぼくがつくった愛のうた(いとしのEmily)
  姫野さんはローディにTelecasterを渡し、サンバーストのアコギを受け取り   ます。   財津さんのモニターが大き過ぎたのでしょうか、片耳を押さえながら歌うシー   ンが見られました。
21.ブルースカイ
  姫野さんはキーボード席に戻ります。宮城さんはローディにPrecision Bass   を渡し、赤いFender Jazz Bassに持ち替えます。   この日は安部さんのギターソロで大事件!3〜4小節目で音が出ていません。   一応指は動いていたようですが....感じとしては、フレットの位置を見失って   弾くのを躊躇したように見えました。
22.虹とスニーカーの頃
  上田さんのタム回しが冴え渡る一曲です。   エンディングは宮城さん/安部さんが背中合わせになり、リフをぴったりと   決めていました。   演奏後、財津さんはMartin 000-28を手にセンター位置へ、安部さんは赤い   Schecter Stratocaster Modelに持ち替えます。   安部さんがマイク前に歩み寄ると、スポットライトがあたって拍手喝采とな   りますが、かがみ込んでおもむろにエフェクターを調整し始めます。スポッ   トライトが戸惑ったかのように揺れて暗転すると、会場から笑い声が響きま   した。
MC:安部
  お待たせしております。安部と申します....。   はい、どうも!(拍手)。まぁ、懐かしい話の山ですけどね、今日も。   あの、チューリップに入りまして、僕達はずいぶん、すいぶんずいぶんたく   さんの曲を、まぁ、財津さんを中心にね、作ってきた訳なんですけども。   (財津:「違うよ!」)ええ...けど、やっぱり曲数....何よ?(財津さん   の方を見て)何か言ってごらん、言いたいことがあるんだったら。   (財津:「ねぇ、僕中心じゃないですよ、別に。別にこんなところで、養老   院のような話をしてもどうしようもないし....)   ね、中心じゃなければ、何でしょうかね?頂点っていうのもね。   いつ死ぬか分かりませんので、今のうちにヨイショしてかないと、ね。   死んだ後で「あの時言っておけば良かった」って後悔して...。   皆さん、次お会いする時は、追悼コンサートですから(場内大爆笑)。   ええ、たくさんホントにあの、曲をね、作って来た訳なんですけども。   これはホントにホントに、どの曲が可愛くてどの曲が可愛くないとかってい   うことは、まぁ、あのね、出来上がりに自分がすごく納得しているかどうか   は、「もう少しこうだったらなぁ」っていうのがある、かないかは別にして、   ホントにあの、ね、命を削って、ホントに一生懸命可愛がった曲なんで、ど   の曲も可愛いんですけども。   ま、シングルとしてね、皆さんによく知ってもらっている曲は、また、それ   とはちょっとニュアンスが変わった感じで、特別な意味があると思うんです   けども。   皆さんがコンサート、僕達のコンサートにおいでになる場合ね、たまたまそ   の時に友人から誘われたりなんかしたりして。   「明日、どう?」   「ちょっと明日、コンサートが」   「誰の?」   「チューリップの」   「あ、『ああ、だから...』」って、アレでしょ?ね?」   「まぁ、そうなんだけどね。この曲もそうよ」   「ほう、そう?あ、チューリップなの?へぇ、知ってるよ」   「じゃ、この曲は?」   「あ、知ってる、知ってる。前付き合ってた人がね、すぐ歌ってたの。    サビだけ一緒に歌えるよ」   「じゃ、この曲は?」   「ああ、いい曲だよ」   「そう、それもチューリップ」   「凄いなぁ。それじゃ、明日、楽しんで来てね」   次の曲も、きっとそのような曲だと思います。聴いて下さい。
23.サボテンの花
  背景に金属製の棒が降りて来る演出は、府中と同様です。   財津さんは心地よさげに浪々と熱唱していました。
24.Shooting Star
  安部さんはイントロのギターの出番前、かがみこんでエフェクターを調整し   ていました。どうやらエフェクターのパッチがトラブったようで、ディスト   ーション音へうまく切り替わりません。演奏中何度もペダルを踏みまくって   ますが事態は向上せず、エンディングのソロでかろうじて復活した模様です。
25.青春の影
  財津さんのヴォーカルは伸びやかで良い感じです。   安部さんも前曲のトラブルが無かったかのように、情感溢れるソロを披露し   ています。エンディングはフィードバックをギリギリまで伸ばし、プログレ   風の壮大なサウンドで締めてくれました。
MC:財津
  えー、どうもありがとうございます。   今日はホントに皆さんと、再会と言うんでしょうか?またお目にかかれて、   ホントに嬉しかったです(拍手)、ねぇ。   それと、こんなに皆さんが来てくれるということで、また僕らは大きな理由   付けとなって、ステージに戻ることができます。ホントにありがとうござい   ます(拍手)   これから、ツアーに出かけます。来年3月まで続きますけども、またどっか   でお会いできれば、とっても幸せです。   今日はホントにありがとうございました(拍手)
26.Someday Somewhere
  背景には金属棒と星が光り、ややアナクロながら幻想的なステージとなって   います。   演奏的にはミスも無い代わりに特筆すべきところもなく、無難にまとまった   感じです。   演奏終了後、メンバーは客席に手を振りながら、舞台袖に戻ります。
- アンコール -
  アンコールを求める拍手の中、メンバーが左袖から走ってステージに再登場   します。財津さんはキーボード席に、姫野さんは緑のTelecaster Modelを手   にセンターに位置します。   安部さんはES-335、宮城さんは白いRickenbacker 4001Sに持ち替えています。
27.早くおいで
  軽い音出しの後、ハードなイントロから始まります。この辺りから客席は総   立ち状態です。   赤と青の照明の中で熱唱する上田さんの姿は「カッコ良い!」の一言です。
28.あの娘は魔法使い
  姫野さんがキーボード席に走り、財津さんがFender Telecaster Thineline   を手にしてセンター位置に移動します。   真っ赤な照明の中でのライブの定番曲の演奏に、観客はヒートし続けます。   私の前のお客さんは曲に合わせてジャンプし続け、最新の会場設備がユサユ   サと揺れていました。   この日は財津さんは真面目な歌い方で、歌詞を忘れたりはしてませんでした。
29.夢中さ君に
  わずかな間をおいてこの曲へ。以降、白色の照明で会場が明るくなります。   前のお客さんの頭でよく見えませんでしたが、ギター・ソロの時に宮城さん   /財津さん/安部さんがステージ前で横スライドダンスを披露してくれた模   様です。   演奏後に、財津さんはギターをスタンドに置き、マイクを手にメンバーを紹   介します。宮城さんの前に上田さんを紹介し、しきりに客席/メンバーに謝   っていました。(こんな歳になっても、やっぱり年齢順なんですね)   紹介後、宮城さんは上着を脱いでTシャツ姿になり、Jazz Bassに持ち替え   ます。姫野さんはサンバーストのアコギを手にセンター位置に移動します。   ちなみに、府中公演ではアンコール時に財津さんのアコギがステージ上に置   かれていましたが、この日は置かれていませんでした。これは、ひょっとし   て「魔法の黄色い靴」を演奏するにあたり、財津さんがハンドマイクで歌う   か、アコギを持ちながら歌うのか、ツアー寸前まで決まってなかったのでは   ないでしょうか?
30.魔法の黄色い靴
  この曲で、財津さんは傍若無人な振舞いを3連発します。   まず、センターにあったマイクスタンドを「邪魔だ」とばかりに、ドラムス   前に片付けてしまいます。これには姫野さんが苦い顔です。なぜなら、姫野   さんが歌うマイクが無くなってしまったからです(^^;)困った姫野さんは、   宮城さんのマイクを借りて歌っていました(後でローディーがスタンド位置   を直してました)   さらに、最初の4小節を歌ってから姫野さんの方を振り向き「ちょっと早い   !」と言ってスローダウンさせ、また最初から歌い直していました。   最後の失敗は、エンディングの所で財津さんがバンザイポーズを取ってしま   ったことです。観客の大部分が「もう1コーラス」のポーズと勘違いしてし   まい、平均年齢40前後の間延びした「お〜そう〜〜」という歌声が、空し   く大会場に響き渡ってしまいました。      演奏後、財津さんは照れ隠しに何度も一人でバンザイをし、姫野さんからは   背中を何度も叩かれ(どつかれ?)ていました。   メンバーはステージ前に一列になって大きくお辞儀をし、観客に手を振りな   がらステージ左手から退場しました。

- 考察 -
 ツアー2日目ということで、初日より演奏の向上を感じました。  ただ、PAやモニターにトラブルがあったり、安部さんのエフェクターが不調だ  ったりして、ステージとしてのの完成度はもう一歩でした。  この日、新曲「あなたの夢」や安部さんのギターシンセが初披露だったことが  特筆すべき点でしょう。

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