●日付:2000年9月9日(日) ●会場:府中の森 芸術劇場 どりーむホール(東京都府中市) ●時間:17時30分開場/18時開演府中の森芸術劇場 外観
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府中市は新宿から電車で30分くらいの郊外の街です。競馬場とビール工場と大手電機 工場を有し、そこから得られる豊潤な税収を、惜しみなく市民に還元してます。 この会場もそうした税収による文化的施設のひとつと思われ、大中小のホールの他、 地下にスタジオ設備まで抱えるゴージャスな作りです。 どりーむホールは芸術劇場内で最大のホールで、客席数は2,027人。中野サンプラザ (2,222人収容)よりやや小さいくらいの規模です。 この日はまだ残暑が厳しく、やや蒸し暑い一日でした。ライブ前の私の活躍について は「ROCUMENTARY」の方をご覧下さい。 私の席は1階中央左よりで、観やすい上に音のバランスも良好でした。特筆すべき点 として、我がTulip inComplete Chronicle主催の湯浅氏と隣同士だったことです。 客席は超満員で、2階席の後ろまでびっちりお客さんが入っていました。
- 曲目 - 会場が暗転して数分。ステージが明るくなり、ステージ左側から、会場に手を振 りながら5人のメンバーが登場しました。財津さんは左手のキーボード席に、姫 野さんはセンター位置へ。続いて、軽く楽器の音出しが始まりました。 どれも、往年の彼らのステージでは見られなかった光景です。緞帳を使わなくな った1977年以降、真っ暗にしたステージにペンライトを持ったスタッフに先導さ れながら登場するのがオープニングの定番でした。80年代に至っては、更に荘厳 なBGMがそれに加わります。楽器を持ったら一切音出しはせず、いきなりフルボ リュームで演奏を始める、というのが「ライブバンド」TULIPの真骨頂でした。 「見栄を捨て、演奏トラブルを回避する」というのが、2000年における彼らの演 奏スタイルなのでしょう。それはそれで、納得せざるを得ないシーンでした。 ハーモニー/府中公演より
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1.心の旅
オープニングは、ツアー・タイトルでもあるこの曲でした。 姫野さんは緑色のSchecter Telecaster Model、安部さんはGibson ES-335TD、 宮城さんはサンバーストのFender Precision Bassを手にします。 姫野さんの声が非常に伸びやかで、往年の演奏に比べて全く引けを取りません。 演奏も全体的に力強いものでしたが、演奏中に安部さんがギターのぺグをいじっ ているのが気になりました。
MC:安部
どうも!どうもありがとうございます。えー、久しぶりです、チューリップです。 僕達はですね、えーと...(「安部さ〜ん」という声援に)...はいはい(笑)。 あの、3年前に、あの再結成をね、した訳ですけども。 その時は久しぶりにメンバーに会った訳でね、再開の挨拶もぎこちなくという、 そういう再開だったんですけども...。 前回のライブ・コンサートで、すごく僕達は幸せな気分を味わうことができまし て、その幸せな気分で、今回一緒にやろうということになった訳ですけどもね。 (拍手)あの、それと言いますのも、前回、ライブ・ツアーをやった時、たくさ ん、ほんとにたくさんたくさん、あの会場にお客さんがね、来てくれまして。 そのエネルギーに対抗するには、僕達チューリップがひとつにならざるを得ない という、そういう状況が生まれ、それで僕達がひとつになったことによって、こ の幸せな感じっつーのがね、生まれた訳なんですけどもね。 それから3年、経ちますけどですね....。 今回も、全国いろんなところに行く訳ですが、どの会場も満員、だそうでありま してですね...(拍手)...ありがとうございます。 財津さんがね、よく言いますけどもね、そんなに全国に、僕達のことをわざわざ お金を出して会場に足を運んでくれようという人が、そ〜んなにたくさんいると は思えない訳で。今日いらっしゃってる方が、みなさん、こう、あちこちに大移 動する訳でありましてね(笑)。 今日は初日であります。半年間、皆さん、頑張って下さい。 それじゃ今日は最後まで、よろしくお願いします!
2.あのバスを停めて!
MCの間に姫野さんは右手のキーボード席に、財津さんはEpiphone Casinoを抱え てセンター位置に移動しました。 ドラムスの軽快なオカズに続いて始まったのは、懐かしのライブ定番ナンバー。 スタジオ盤では財津さん&姫野さんのダブルヴォーカル曲ですが、ライブでは財 津さんのみというのも定番です。財津さんが「探すうちバスは走る」と歌詞を間 違えているのがご愛嬌です(正しくは「バスは停まる」) この曲における安部さんのギターは、なぜかエフェクト過多です。歪み系と空間 系が目一杯かかっており、ほとんどピッキングのニュアンスが判りません。文字 で表すと「ギュヨワ〜〜〜〜〜〜ン」という感じです。 エンディング近くでベースがブ〜〜ンというハウリングを起こし、メンバーが顔 を見合わせて苦笑するシーンがありました。
3.置いてきた日々
わずかな曲間に、財津さんがすばやくMartin 000-28に持ち替えます。 第二期のステージではエレキ・ギターを弾いていた姫野さんですが、今回はキー ボード席に陣取り、スタジオ盤に近いアレンジでサウンドに厚みを付けています。
4.淋しくて淋しくて
ステージに半月型のバックスクリーンが降りて来て、やや雰囲気が変わります。 財津さんがステージ前に出てアコギのイントロを刻みますが、1回中断してから 再びイントロを刻み、ようやく歌に入っています。姫野さんはシンセサイザーで ハモンドオルガン&レズリースピーカーの音をシュミレートしています。 安部さんはほとんどアンプの横のスツールに座り、ギターソロの時だけ前に出て 弾いていました。スタジオ盤と1977年頃のステージではトーキングモジュレータ ーを駆使していましたが、今回は足元のエフェクターのみで「それ風」の音色を 再現しています。
5.神様に感謝をしなければ
財津さんがキーボード席に、姫野さんはサンバーストのアコギを持ってセンター に移動します。 ここでは財津さんのオーボエ風シンセが秀逸で、透明感のあるサウンドをキリリ と引き締めていました。
6.明日の風
姫野さんが緑色のSchecter Telecaster Modelに持ち替えます。 ここに来てやや姫野さんの声が苦しそうですが、安部さんのギターがそれをカバ ーします。粘りあるチョ−キングが随所で炸裂し、姫野さんのサイド・ギターと 絡んで迫力ある演奏となっています。 終盤、恥ずかしい事件が勃発!この曲には、ブレークした後にピアノの刻みから ギターソロに再突入するパートがありますが、そこでかなりのお客さんが「曲が 終わった」と勘違いして拍手喝采!財津さんが「違う、違う!」と大きく手を振 ってお客さんを制止していました。 演奏後、姫野さんはキーボード席へ、財津さんはMartin 000-28を持ってセンタ ーに移動します。
MC:財津
はい、財津と申します。(拍手) えー、なんだかね、こうやって演奏してますと、昔懐かしいって感じになって きますけども。客席も、今日はなんだか「声が10代じゃないか?」って感じ でね(笑)。今、聞こえましたよ?「なんとかさん、なんとかさん」ってね。 昔、よく言われました。ほとんど最近言われませんけれども。でも(笑)... 若い!声が。ねー、やっぱり。 えー、時の流れは、とてつもなく大きなものですけれどもね。気持ちはね、心 の中はなんだかずーと続いたりしますけれども。不思議ものですけどもね。 えー、さて、懐かしい曲ばっかり続けて聴いていただいてますけども....。 僕らチューリップは、デビューして1年くらいヒットしませんでして、それで も、もう「2枚目のアルバムを作ろう」ということになりまして。 恵まれたスタッフに、僕らはね、ホントに育てられたんですよ。ええ、今にし て思えば。普通だったら、1枚アルバム出して売れなかったら、もう終りです よ。あの時代ね。でも、こうやって...。 2枚目の....あの2枚目があったからこそ、なんだかさっき歌った「心の旅」 まで来たのかなぁっていう気もするんですよね。 つまりですね、この2枚目のアルバムというのは、とてもとても、業界受けを、 なぜかしたんですよね、ええ。ですから、あまり派手な曲はありませんけれど も、なんだか変わった感じのするアルバムでした。 その2枚目のアルバムの同名タイトル曲をここで聴いてもらいます。 君のために生まれかわろう....。
7.君のために生まれ変わろう
今回のツアーの目玉とも言える、非常にレアな選曲です。(とは言いながら、 第一期のステージでは何度か演奏された曲ではありますが) この日は財津さんの歌い出しが遅れ、一瞬ヒヤリとなります。 スタジオ盤に忠実な、情緒たっぷりのアレンジです。コーラスの美しさが秀逸 で、こういうのを演らせたら今でもチューリップの右に出るバンドはいないで しょう。サビで聴ける上田さんのユニゾン・ヴォーカルも聴き所です。
8.ハーモニー
財津さんはMartin-0028のままでこの曲に突入します。ライブの定番曲ですが、 エレキ・ギターでの演奏が多かっただけに、やや意外な印象です。 財津さんは腰を振りながら、ノリノリの様子でした。
9.外へでちゃ危ないよ
前曲からメドレーで続きます。財津さんはキーボード席に戻ります。 私の知る限りにおいて、ライブで一度も演奏されたことが無いレア曲です。 ステージ背景には星のイルミネーションが輝き、キッチュな雰囲気です。
10.心の中は白い画用紙
姫野さんがサンバーストのアコギを手にセンター位置に移動します。 ツアー当初「あの曲は何?」「ひょっとして新曲?」とささやかれていました が、その正体は第二期のアルバム「2222年ピクニック」に収録されていた佳曲 です。1982年のステージで演奏されていましたが、あまりファンにも馴染みの 無い曲かも知れません。 さらりと歌う姫野さんのヴォーカルが心地良く響きます。安部さんもスツール に座って、全体的にリラックスムードが流れていました。
11.約束
姫野さんはキーボード席に戻ります。(実に忙しい) ステージで演奏されたのはおそらく1978年のツアーのみであり、このバラード の名曲を聴きたかったファンの方も多かったのではないでしょうか? 姫野さんの当時のバッキングは「ストリングス・シンセ」丸出しの機械的な音 でしたが、今回は本物に近いリアルな音色です。それでいてアナログ臭さを残 しているあたりに、姫野さんの音楽センスを感じます。 演奏後、ステージ前にスツールが置かれ、アコースティック・セットが準備さ れます。宮城さんはMartinのアコースティックベース、上田さんはスネア、ハ イハット・シンバル、三日月型タンバリンから成るパーカッションセット、財 津さんはMartin 000-28、姫野さんはサンバーストのアコギAlvarez、安部さん は白木のアコギAlvarezという楽器構成です。
MC:財津
はい、えー、どうも、お待たせしております(拍手)。 えー、皆さん、今年の夏、いかがお過ごしでしたでしょうかねぇ? 僕は、ホントに、個人的な事で申し訳ないんですけども、結構忙しくしていま してね。海にも山にも、川にも行っておりません。 もう、家族連れやら、カップルやらで、行楽地は相当にぎわったようですけど もね。もう真っ黒になってねぇ、「暑かった!」みたいな顔をして、東京に戻 って来ている人もいましたけれども。その頃、僕はスタジオの中でねぇ、真っ 白い顔をして、顔色悪く、過ごしておりましたけれども。 それで「さぁ、休み取ろうかぁ!」と思った頃には、チューリップのリハーサ ルっていうのが始まりましてですね。 ま、リハーサルはねぇ、気心知れた連中ですから、楽しいんですけれどもね。 もう、博多弁は飛び交うわ、むちゃくちゃな下品な言葉は飛び交うわで。 僕は「もうやめてくれ!」って、みんなに言ってたんですけども。 もう、下ネタな話ばっかり!(笑) 嫌ですね、もう、歳を取るとね。 昔、このメンバーの中で一番若い人の話なんですけども。イニシャルがHって いう人なんですけども(笑)。18歳の頃にね、僕は知り合いましてね。 それでチューリップのメンバーになって東京に来て、18か19の頃に東京に 行ったんですよ。その頃僕は22か23で、4つ、いや5つは当時離れている 訳ですから、相当この、歳の開きっていうのを感じていたんですけども。 最近はホントにね、立派なおっさんになりましてですね(爆笑)。お互いに、 歳の差を感じないようになりましたけれどもね。 そういう訳で、はい、恒例の生ギター・コーナー、行ってみたいと思います。 まずはこの歌、聴いて下さい。
12.セプテンバー
財津さんが朗々と歌い出したのがこの曲です。会場から大きな歓声が上がり ます。(そう言えば時節も9月で、ぴったりだったんですね) 間奏は安部さんのアコギで、全体的にシンプルなアレンジです。財津さんの 声の枯れが気になりますが、ハッピーな曲の雰囲気に助けられています。 演奏が終わり、姫野さんがMCを始めますが、財津さんが随所でチャチャを入 れたため、しっちゃかめっちゃかな内容になってしまいました。
MC:姫野
どうも、ありがとうございました。(財津:いーえ....) 懐かしいっすね、すごくね。(財津:そうですね) 僕はですね(財津:君も?)コーナー、生ギターコーナーっていうのが、わ りかし、あの、チューリップのステージでは恒例のね、コーナーになってい る訳ですけども。なんか、このコーナーが、すごく僕は好きなんですよ(財 津:僕も好きなんですよ)。というのもですね、あの、こういう風に座って リラックスできるっていう、皆さんと一緒にこう(財津:僕はギクシャクし てますけどもね)、一緒にやっているっていう感じがするんだなぁ。 それでですね、なんかこう一歩、ってかね、立ち位置も少し前に出てきて、 近くなったような(財津:一歩っていうか、だいぶ....)親しみが沸くって いうか(財津:上田君なんて20歩くらい....)そうですねぇ(笑)。 僕はですね、この、近くというか、なんとなくリラックスした雰囲気ってい うのがすごく好きでですね。あのー、ね。また、こうやって生ギターコーナ ーができてすごく嬉しいなぁと思っています。 みなさんにもですね、ずっと、3年ぶりかですね?お会いできて、すごく幸 せです(拍手)。(財津:なんか発表会みたいな感じですね) えー、ですね、ずっと、あの、懐かしい曲ばっかりなんですけども(財津: それしかないんだよ!それしか!)さらに懐かしい曲を...そうでもないか? (財津:比較的新しい曲だと思うんだけど....) 比較的新しい、さらに懐かしくない曲を(場内爆笑)ここで一曲聴きたいと 思います。では聴いて下さい。この曲です。
13.博多っ子純情
珠玉の名曲です。1978年頃のステージでのみ演奏された曲で、前回の再結成 ツアーでも最終の福岡公演のみで演奏されたレア曲です。 スタジオ盤に比べてキーを1音下げているのも、1978年当時と同じです。 安部さんはインドの弦楽器「Santoor」を披露。2本のスティック(マレッ ト)を駆使し、チェンバロのような深い味わいの音色を奏でています。
14.I Love You
安部さんは再びアコギに持ち替えます。生ギターコーナーでは定番の曲で、 あまり印象に残りませんでした。最後のコーラスが綺麗に決まってます。
MC:財津
はい、えー、そういう訳で、生ギターコーナーというのもね、ホントに、何 て言うんでしょう?....「生ギターで弾くコーナー」なんですけど(笑)。 それらしい曲っていうのをですね、選曲するのが結構難しくて。 次は東京フォーラムで16日17日演るんですけど、その時は全部曲を替え ようということになっていましてね。というのは嘘ですけど(場内爆笑)。 まぁ、視線がキッと。安部/宮城の視線が、キッとこっちを向いたんですけ ど。嘘で営業しようと思ったんですけど、ちょっと無理がありました。 (「ハハッ!」という安部さんの笑い声) ちょっと替わるかも知れませんけども、来てみて下さい。 で、生ギターコーナーの、「もう、これぞ生ギターコーナー」というですね、 曲をお送りしようと思うんですね、次はね。 生ギターコーナー最後の曲になってしまいますが。今の僕らに、とてもふさ わしい曲で.....まぁ....(沈黙) あ、なんか洒落言おうと思ったけど、忘れた(笑)。 「老人がいい」という曲です。ろうかうじい....全然受けません(笑)。
15.仔牛のローカウジー
この曲の安部さんは八面六臂の大活躍です。まずはカリンバでキンキンと可 愛らしい効果音を入れ、次にハーモニカ、最後はSantoorで締めています。 前回の再結成ツアーでの「僕のお嫁さん」同様、メンバーでヴォーカルをバ トンタッチしていく形式です。ちなみに歌の順番は以下の通りです。 ・財津1「ローカウジーは〜眠ってしまう」 ・宮城1「ローカウジーの〜いつも仲間はずれ」 ・上田1「きまぐれな〜あの素敵な馬になれる」 ・姫野1「ローカウジーは〜柱にぶつけました」 ・宮城2「ローカウジーの〜馬鹿にするだけです」 ・財津2「神様が〜いけないことですと」 ・上田2「ローカウジーの〜片方だけになったのです」 ・姫野2「ローカウジーは〜仔牛なのです」 最後のコーラス部分、安部さんが「泣くのはもうおやめ」とソロで歌うと観 客が大喝采です。ちなみに、上記の上田2の前に安部さんが「もう、やめや め!」と叫んでいますが、おそらくはこのパートを歌うことを最後の最後ま で抵抗していたからと推測されます。 アコースティック・セットが片付けられ、財津さん/姫野さんがキーボード 席に移動します。安部さんはES-335、宮城さんはサンバーストのPrecision Bassを再び手にします。 前曲の余韻で、メンバーへの声援が観客のあちこちから聞こえます。ひとき わ大きいのが安部さんへの声援で、以下の宮城さんのMCはそれを受けての台 詞です。
MC:宮城
安部です(笑)。僕が安部です。(財津:ありがとう....) えーとですね、ものすごく、この、ライブを楽しみにしてました。 今日はちょっとまた、古い歌を歌うんですけど。まぁ、チューリップ、みん な古いんですが、歌が(笑)。ええ。 きっかけは、夏前にちょっと「チューリップ・アンソロジー」というアルバ ムを、スタッフがものすごく盛り上がって、作ったんですけども。それをち ょっと手伝ってまして。それで70年代真ん中へんの、チューリップの古〜 いマルチテープを聴いていたら、その当時の空気感がそのまま、スタジオで こう、真空パックしたみたいな感じで伝わってきて、自分の、その当時のこ とを思い出しちゃいまして。「そう言えば、75年と言ったら僕がこの業界 に入った年だなぁ」なんて思いましてね。 75年、僕はあの、アコースティックなポップグループに参加して、その年 に3枚目のシングルをレコーディングしたんですけども。その曲を財津さん が作ってくれまして。その当時まだ、そんなに楽曲提供してなくって、多分 あべ静江の次が僕だったと思うんですけど(笑)。その後でね、松田聖子と か色々作ったんですが。多分、僕が2人目かな?なんて。 その曲は、レコーディングもこのステージ上のチューリップのメンバーで、 リズム隊を録音して演った曲....すごく思い出深い、チューリップに入るき っかけとなった曲があるんですけど、それを聴いて下さい。 「青い空はいらない」
16.青い空はいらない
ムーディーな歌謡曲っぽい雰囲気で始まったのは、宮城さんが参加していた 「がむがむ」の曲です。財津さんらしさを全く感じないベタな歌詞と譜割り に驚きますが、ある意味「当時の売れ線狙い」だったのかも知れません。
17.走れ!ムーン号
姫野さんは緑のSchector Telecaster Modelを手に、センターに移動します。 ドラムソロから始まるという、かつてのチューリップでは一度も見られなか った趣向に会場が沸きます。 1975〜1977年にステージで演奏されていた曲で、「LIVE ACT TULIP Vol.2」 にその名演が残されています。それに比べるとリズムの重たさは否めません が、なかなかどうして!迫力の演奏です。上田さんのパワフルな歌声もさる ことながら、安部さん/姫野さんが交互にぶつかり合う終盤のギター・バト ルが圧巻です。 ちなみに上田さんは「世界中の学者が辞典めくり」という歌詞を「辞書をめ くり」と歌っていました。これは何か意図があったのか、単なる間違いだっ たか?謎です。(東京3公演ともに「辞書」で、かなり違和感を感じました)
18.人生ゲーム
姫野さんはギターをローディーに渡し、キーボード席に戻ります。 懐かしさ満点の曲ではありますが、演奏の方はかなり苦しい出来です。安部 さんのギターはエコーの設定が悪くて「キュンキュンキュン」となるところ が「キュン」で終わってしまうし、スライド・プレイも音程が外れてヨレヨ レです。財津さんのハーモニカも、当時の巧さの面影もありません。 終盤は恒例の客席との掛け合いです。まずは小声で歌わせて、段々大きくな って大合唱、と言うのは昔とほぼ同じ構成です。 ここで気になったのが観客の拍手の仕方で、「頭打ち」と「裏打ち」の人が それぞれいて、非常に聴きづらい感じでした。音楽的には裏打ちが正しいん でしょうが、当時は頭打ちの方が主流だったハズで....う〜む。
19.銀の指環
財津さんがキーボード席に、姫野さんが緑のTelecasterを持ってセンター 位置に走ります。 軽快なリズムに、客席の前方は総立ち状態です。 前回の再結成ツアー時、姫野さんは間奏の最中はステージ上を練り歩いて歌 のところでサッとマイク位置に戻るシーンが印象的でしたが.....。 この日は動きも小さく、やや地味でした。
20.ぼくがつくった愛のうた(いとしのEmily)
姫野さんはサンバーストのアコギに持ち替えます。 間奏のギターソロはややヴォリューム低めで、空間系エフェクトが強めで 伸びやかさにやや欠けていました。
21.ブルースカイ
姫野さんはキーボード席に戻ります。宮城さんは赤いFender Jazz Bassに 持ち替えます。 財津さんのピアノ・イントロに続き、スタジオ盤と同じシンセによるオブリ ガードが入ってのスタートです。 1977〜1978年頃にステージで演奏していた曲ですが、当時は姫野さんが弾く ポルタメントの効いたモノ・シンセが印象的でした。今回はそのフレーズを 宮城さんの太いベース音がカバーし、姫野さんは控えめなストリングス音で サウンドの隙間を埋めています。 安部さんは演奏の合間に、タオルで弦を拭いていました。
22.虹とスニーカーの頃
ライブでは少々聞き飽きた曲....と思いきや、上田さんのドラムの素晴らし さに驚きます。メリハリのある絶妙なシンコペーション・プレイで、やや軟 弱なこの曲が、スリリングな「ロック・ナンバー」に仕上がっていました。 演奏後、財津さんはMartin 000-28を手にセンター位置へ、安部さんは赤い Schecter Stratocaster Modelに持ち替えます。
MC:安部
どうも!ありがとうございまーす(拍手)。どうも。 僕がチューリップのメンバーと知り合ったのはですね、1970年。今から30年 前、30年も前なんですね!考えられませんよね。 その頃から、アマチュアバンドの頃から僕達は、まぁ、財津和夫ちゃんを中 心にですね、オリジナルの楽曲を作ってきた訳なんですけど。ホントに長い 間におびただしい曲を、おびただしいっていうかな、たくさんの曲を作った 訳なんですけど。 どの曲がどうだってことはホントに、ホントにホントにないんですけど。 やっぱり自分の、おおげさですけど、命を削った、愛情を込めてね、ホント に一生懸命作った、録音した作品なら、どの曲もすごく可愛いんですけど。 でもやっぱり、シングルの曲、より多くの人にね、知ってもらっている曲っ ていうのは、やっぱり僕達がいつまでも僕達であれるようなね、その魔法の 力を我々にくれたりなんかしている訳なんですけどもね。 まぁ、そんな曲を、続けてわやわやと聴いて頂いている訳ですが。 次に聴いてもらう曲も、やっぱりそのような曲です。
23.サボテンの花
ステージ背景に金属の棒が何本もぶら下がり、不思議な雰囲気になります。 (同様の演出を、1977年秋のツアーで行っていました) ヴォーカルの譜割りが奇妙な、いわゆる「ひとつ屋根の下」Versionです。 再結成以降の演奏は全てこれですから、財津さんとしてはこの方が好みなの でしょう。間奏がキーボードのみで16小節というのも、スタジオ盤に忠実 なアレンジです。(個人的には8小節エレキ・ギターの方が....)
24.Shooting Star
長めのインストから入る、スタジオ盤に忠実なアレンジです。安部さんはイ ントロの頭で、素早くES-335に持ち替えています。 前回の再結成ツアー同様、エンディングで背景に「星」が幾筋も飛び交って いました。
25.青春の影
ピアノで軽く数フレーズ弾いてから、曲に移行します。 財津さんのヴォーカルはかなり苦しげですが、バックの好演がそれを補って 余りあります。安部さんのソロ・ギターはややリヴァーブ深めですが、往年 の泣きのフレーズは健在です。
MC:財津
えー、今日は本当にありがとうございました。 僕らの今回の結成のスタート、初日ということになってましてね。これから 全国を回る訳ですけども。 ホントにあの、客席を見ていましたら、皆さんもちょっとね、歳を取られま したけれども(笑)。でも、見知らぬ人っていうか、きっとお子さんだと思 いますけどもね。若い人もね、いらっしゃってます。なんか、それが僕には とても嬉しいことです。 今日はホントにありがとうございました。また、見に来て下さい(拍手)。
26.Someday Somewhere
ピアノのイントロに続いて財津さんが歌い始めると、客席から大きな歓声が 沸き上がります。1979年のツアーでも、エンディングで演奏された曲です。 財津さんは依然として枯れた声ですが、しっとりとしたバンドの演奏がそれ をカバーします。サビのおっかけコーラスも完璧で、特に姫野さんの張りの あるヴォーカルが「スタジオ盤そっくり」で涙をそそります。 ここでも安部さんのギターが大活躍で、小気味良いカッティング・プレイや 泣きのソロ・プレイが秀逸です。ソロの最後でギリギリまで音を伸ばし、フ ィードバック音が最大になったところでガーン!とコードストロークしたの は、まさしく名演でした。 演奏終了後、メンバーは曲席に手を振りながら、舞台袖に戻ります。- アンコール - アンコールを求める拍手の中、数分でメンバーが再登場。財津さんはキーボ ード席に、姫野さんは緑のTelecaster Modelを手にセンターに位置します。 安部さんはES-335、宮城さんは白いRickenbacker 4001Sに持ち替えています。
27.早くおいで
軽い音出しの後、ハードなイントロから始まります。 1Fの観客はほとんどがスタンディング状態。赤い照明が興奮を更にあおっ ています。 前回の再結成ではショートヴァージョンでしたが、今回はもちろんフルサイ ズの演奏です。上田さんは前回同様「ガチャ目」の部分は歌っていません。
28.あの娘は魔法使い
姫野さんがキーボード席に走り、財津さんがFender Telecaster Thineline を手にしてセンター位置に移動します。 財津さんはサビの部分でカンツォーネ風の変わった歌い方を混ぜています。 2回目のサビでは更に黒人ブルース風に歌い、ふざけ過ぎたせいか「君のも と行きたい」の歌詞を忘れて「歌詞を忘れた〜」とごまかしています。 ギター・ソロは空間系エフェクトが深めにかけられています。
29.夢中さ君に
わずかな間をおいてこの曲へ。 ステージを見てて気づきましたが、頭の「ヤーンヤンヤンヤー」というファ ルセット・コーラスを歌ってたのは上田さんだけでした。これは昔からそう だったのか?ちょい疑問が残りました。 前回の再結成ツアーでは、間奏の時に宮城さん/財津さん/安部さんが一列 に並んで、横移動しながら踊るのが通例でしたが、今回はナシです。(一応 宮城さん/財津さんは心積もりがあったようでしたが、安部さんが演奏に没 頭しててそれどころではなかったようです)
30.魔法の黄色い靴
姫野さんはサンバーストのアコギを手に、前の方へ。財津さんはギターをス タンドに置いて、マイクを手にします。 姫野さんのアルペジオから始まる、スタジオ盤に忠実なアレンジです。財津 さんが歌に入るきっかけをつかめず、姫野さんと苦笑いしています。 終盤は観客と合唱になりますが、前回の再結成ステージとは異なり、観客の みに歌わせる部分はありませんでした。「人生ゲーム」でやってしまったの で、この曲では省略してしまったのでしょう。 演奏後、メンバーはステージ前に一列になって大きくお辞儀をし、観客に手 を振りながらステージ左手から退場します。上田さんがタオルを客席に投げ 入れる姿が格好良かったです(これは東京3-DAYSで共通でした)。
- 考察 - この日はツアー初日という事もあり、演奏的には厳しいものがありました。 財津さんは歌詞の間違えが多く、安部さんのギターは演奏/音色共に不安定 でした。 ただし、この日の姫野さんは非常に良いコンディションでした。特にオープ ニングの「心の旅」の伸びやかな声には、驚きと同時に深い感動を覚えまし た。上田さん/宮城さんの演奏もカッチリしたもので、前回の再結成時の印 象を大きく上回っていました。会場に漂っていた和やかなムードも、後の2 公演ではあまり感じられないものでした。 この日の模様は、翌朝の各局ワイドショーで数十秒程度オンエアされました。 ただし、扱いは「オヤジ/オバサン達のノリノリ同窓会」的なものでした。
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