Tulip Reference Data


使用楽器
   機材に関しては、当日の記憶が生々しいうちにメモを取っており、大きくはハズレて  いないと信じている。  ただし後にNHKでオンエアされた武道館2日目の映像を見ると、初日とはギターの使い  方がかなり違う。例えば2日目の1曲目で安部さんはES-335、宮城はRickenbakerを  使用しているが、これは「絶対」初日とは違っていたと断言できる。なぜなら5曲目の  「夏色のおもいで」で安部さんES-335に持ち替えた時、会場が「ウワッ!」となった  記憶があるからだ。また宮城さんRickenbackerを使い出したのも「サボテンの花」以  降であり、「後半はRickenbackerが主体なんだな」と思った記憶があるからだ。  インターネットに掲載された他のコンサートレポートを読むと、安部さんES-335を殆  ど使用しない日もあったようであり、「どの曲でどのギターを使うか」はかなり気ま  ぐれだったと思われる。
レプリカ Rickenbacker
   ビートルズのジョージ・ハリスンが愛用していた12弦ギター「Rickenbacker 360/12」  と外見が酷似しているが、これは日本のメーカー製のレプリカとのこと。(本レポー  トをご覧になった方からの情報)  その方によれば、安部さんがこのギターをオーダーしたのはTULIP現役時代で、ヘッド  のRickenbackerロゴは安部さん自身の力作とのこと。レコーディングだけではなく、ス  テージでも何度か使用したらしい。  Rickenbacker社がビートルズモデルのレプリカを発売したのは1982年であり、安部さん  のオーダーはそれ以前と思われる。
黒のJazz Bass
   TULIP現役時代、宮城さんが黒のFender Jazz Bassを愛用していたのは事実。  ただし、このコンサートでホントに使用していたかは、今となっては自信がない。  何しろステージから距離があり過ぎたのと、席の角度が悪くてギターがよく見えな  かったのだ。ひょっとして、Fender Mustang Bassを見間違えていたかも知れない。
リズムが鈍重
   この「あいつが去った日」1曲のせいで、私の再結成TULIPへの印象がずいぶん悪くな  っていた気がする。  この曲は第一期の頃にアンコール等でよく演奏されたが、当時は8ビートのすっきりし  たアレンジで、軽快なロックナンバーという印象であった。それが、今回のツアーでは  Drumsのオカズが多く、私には非常にモタついて聴こえたのである。  今になって判るのは、上田さんの演奏は「スタジオ盤のアレンジ」に忠実だった事であ  る。17年ぶりにTULIPに復帰するにあたり、上田氏が演奏の参考にしたのは当時の演奏  テープなどではなく、アルバム「魔法の黄色い靴」だったのであろう。  そう言えばバシャバシャしたスネアの音色も、アルバム「魔法の黄色い靴」で聴ける音  に近いような気がする。上田さんの「原点復帰」へのこだわりだったのであろうか?
イントロを弾いていない
   「We Believe in Magicのイントロはテープ。安部さんはそれを隠すために、イントロ  では客席に背を向けている」  このような噂が、再結成当時のメーリングリストでまことしやかに流れていた。  私は武道館で目を皿のようにして見ていたが、安部さんは後ろを向きながらイントロを  弾いていたのは事実。が、指の動きと音は合っており、テープの音である可能性(&必  然性)は全く無かったと断言する。NHKでオンエアされた映像においても、  私が想像するに、安部さんが後ろを向いていた理由は、上田さんにDrumsの入りを指示し  ていたのではないかと思う。この曲のイントロは変拍子であり、上田さんはシンコペー  ション気味に曲に入る必要があった。このためのきっかけを、安部さんが指示していた  と想像する。