Les Paul JuniorはP90というシングル・コイルのピックアップをひとつ搭載したソリ
ッド・ギターである。Les Paulと同じくボディの右肩だけがカットされた「シングル
・カッタウェイ」型と、両肩がカットされた「ダブル・カッタウェイ」型の2タイプ
がある。カラーはチェリーレッド/サンバースト/ライムイエロー。ライムイエロー
でダブル・カッタウェイのタイプのみ「TVモデル」と呼ばれている。これは当時の
モノクロテレビにおいて、この色が非常に映えて見えるということからのネーミング。
一方、ピックアップが2つ搭載されたモデルはLes Paul Specialという別のモデル名
が付けられている。Specialも「シングル/ダブル」の両カッタウェイモデルがある。
Juniorとの細かな差異としては、ピックガードが白黒の2プライになっている点と、
P90ピックアップの両端にボディ取り付け用の三角部分が無い点等がある。(当然2
ピックアップなので、ピックアップセレクターとコントロールノブが追加されてる)
ちなみに「Les Paul」というのはアメリカの高名なギタリストの名前。Gibson社が初
のソリッド型エレキギターを開発するに際し、Les Paul氏のアイディアを取り入れて
1952年に発売したのがLes Paul Standardモデルである。Gibson社はStandard以外に
Custom/Junior/Special等のバリエーションモデルを発売したが、Les Paul氏が実際
に製造に関与したのはStandardのみである。
・1954年:Junior/Special、シングルカッタウェイ型製造開始
・1958年:Junior/Special、ダブルカッタウェイ型にモデルチェンジ
・1961年:SGシェイプ(尖った両肩+コンター加工)にモデルチェンジ
・1963年:モデル名がSG Junior/Specialに変更
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姫野が使用していたギターは耳無し2ピックアップで白黒ピックガードであることか
ら、上記のルールに従うと「Les Paul Special」と呼ぶのが適当と思われる。
また、ダブルカッタウェイでコンター加工が無いことから、製造年は1958年から1961
年までの間ということになる。
また、通常のJunior/Specialがフルスケールであるのに対し、姫野のギターは3/4の
ショートスケールであるのが特筆すべき点である。Gibson社のショートスケールモデ
ルと言えば「Melody Maker」があるが、Junior/Specialでショートスケールという
のは非常にレアである。
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