Live at "Live Garage Adm",
Ikebukuro, Tokyo, Japan, 20th Dec, 1997

MR.JIMMY Live at Live Garage Adm, Ikebukuro, Tokyo, Japan, 20th Dec 1997
Jimmy Sakurai/Professor Otsuka/Parcy Moto/Cookkie Kurikawa


The Ocean

開演に先立ち...


●日時

 1997年12月20日(土)

 今回は初の「公式ワンマンLIVE」。開場19:00とのことで、いつものように30分前にAdmにやって
 来たのですが....なんと!地下の入り口に繋がる階段の上まで、ずら〜っと人が並んでいるでは
 ありませんか!う〜む、MR.JIMMYの人気がここまで来ようとは....。

●会場

  LIVE Garage Adm

●メンバー

 ・Jimmy 桜井氏 (Guitar/Mandolin)
 ・Professor 大塚氏 (Bass/Keyboard/Guitar/Mandolin)
 ・Parcy Moto氏 (Vocal)
 ・Cookie 栗川氏 (Drums)


SETLIST&各曲寸評

 開場時間が遅れ、ようやく会場の中に入れたのが19:30頃。最前列は既に押さえられており、  残念ながら2列目に甘んじてしまいました。  今日は沼田先生、中村嬢との観戦でした。知り合いの方もいらっしゃったのかも知れませんが、  あまりの混雑で誰が誰やら分かりませんでした。  今日はDrumsの後ろにでかいゴングが設置されていました。  Marshall AmpはGuitar用のグレーのサランのセットの他、黒サランのTheremin用がもう一台。  EchoplexもそれぞれのAmp Headの上に1台ずつ設置してあり、ワンマンLIVEに賭ける意気込み  が感じられました。  さて、20:00近くになり、メンバーがステージに登場します。  桜井氏はおなじみ星柄パンツにスパンコールをあしらった黒い長袖シャツという衣装。  Moto氏はゆったりした白い長袖シャツにブルージーンズという、いつになくカジュアルないで  たちです。大塚氏は白地に肩が紺色のウェスタンシャツに黒ジーンズ、栗川氏はブルーのシャ  ツにブルージーンズ姿でした。 第1部 (1) KASHMIR  意外なOpening曲です。Introがサビ近くのリフから、という変則的な構成です。  Moto氏のVocalは堂々とした歌いっぷりで、PAバランスも良好です。  桜井氏は珍しくチェリーサンバーストのLes Paul No.1での演奏です。フレーズごとに足元の  フェイザーを踏み分けて微妙なニュアンスを忠実に再現しています。  大塚氏はシンセにフットベースで重厚なサウンドを出しています。  この日のDrumsは恒例のフェイザーをかけておらず、シンプルな音造りでした。(これも良し)  Moto氏は「グッ・イ〜ブニング」を2度叫んだ後、  「えー、皆さん、今日はMR.JIMMYのワンマンLIVEということで...。   長くなりそうですので、ブレークの時でも、皆んなでイス渡しゲームをやってですね(笑)   一人でも多く座れるようにして頂きたいと思います。   もうしばらくの辛抱ですので、お待ち下さい...」 (2) TRAMPLED UNDERFOOT  大塚氏がシンセで刻み始めたIntroは、なんと待望のこの曲です。桜井氏はティーバーストの  Les Paul No.2に持ち替えます。  「シンセでは音色のシュミレートが難しい」と敬遠されていたようですが、いやいやどうして!  立派にClavinetしていました。足でブンブンとフットベースを踏みながら左手で軽やかに低音  を刻む大技に、食い入るように見入ってしまいました。  終盤、Moto氏のVocalにピッチシフターをかけ、ZEPPのLIVEでお馴染みの効果を披露してくれ  ました。 (3) BRING IT ON HOME  前曲から間髪を入れずに、桜井氏がブルージーなリフを刻んでスタート。Moto氏がMouse Harp  でからんでいる合間に、大塚氏は赤のArttec Bassを手にします。  いつもは聴こえにくいMouse Harpも、今日はバッチリです。Sound Checkが充分にできた成果  でしょう。  「ありがとうございます。本日は2部構成になっていまして....いやいや(笑)。   1部の方はですね、...どっちもあんまり、年代は関係ないんですけど、1部の方がもっと、   もう、ざっくばらんと言う訳で....後でアコースティックなんかも致したいと。   まぁ、少しでも長丁場に耐えられるように(笑)少しは考えてもらうようね(笑)   最後までお付き合いの程、よろしくお願いします。」 (4) IMMIGRANT SONG  ちょっと唐突な印象のこの曲です。(BBC LIVE発売記念、ということでしょうか?)  演奏の方はいつも通りのタイトさですが、Moto氏が苦しそうなのが気になりました。  「私もちょっと、先週、風邪ひいてしまいまして...(またかよ、と客席から突っ込まれ)   すみません(笑)、私、免疫力があまり無いものですから。   咳込むんですけども....MIC外しますから、笑ってやって下さい。   (桜井氏がW-Neckを手にしたのを見て)ああ!次の曲、思い出しました、これで(笑)   いや、ちょっと、そわそわしてたんですけども。お気付きになりましたでしょうか?」 (5) THE SONG REMAINS THE SAME  Introのコード一発で客席が沸きます。  栗川氏のこの曲でのオカズは控え目で、Bonzoで言えば73年以前のイメージでしょうか?  Moto氏は咳き込みながらも懸命に歌い上げています。  終盤、大塚氏のフレット上を駆け巡るようなBassラインに聴き惚れてしまいました。 (6) THE RAIN SONG  前曲からメドレー形式で続きます。  キーボードが加わるまでの1コーラスで、Guitarの音の途切れ方が若干気になりました。  「本家Jimmyはこの部分でエコーマシンをかけていないから」というのは分かるのですが、  Admのように狭い会場では、PA側で軽くリバーブをかけて欲しいです。  シンセで出してたMellotronはビブラート深め、やや細い感じの音です。  中盤でゴングが一撃。エンディングにかけて、スケールのでかさを感じた演奏でした。  「あ、どうも有り難うございます....。   Guitarを見れば、分かるんですよね?次の曲。   分かる方も、百万人いらっしゃると思いますけど....次はストリングベンダーを付けた   Telecasterで...」 (7) TEN YEARS GONE  ステージ前にスツールが置かれ、大塚氏がOvation 12弦を手にして座ります。足元にはフット  ベースペダルが設置されます。  桜井氏はワインレッドのストリングベンダー付きTelecasterでの演奏です。  過去2回の演奏はGuitarのミストーンが多く、正直言って出来は今一つでしたが、今回はうっ  て変わって安定した演奏です。ベンダーでギュンギュン音を飛ばす様子を見て、「そーそー!  Jimmyの音はこれだった!」とステージに見入ってしまいました。  大塚氏のフットベースも太い音で、サウンドを厚くするのに貢献していらっしゃいました。 (8) THE BATTLE OF EVERMORE  更にスツールが増え、全員がステージに一列に並びます。ちょうど1年前、12/20/96以来の  演奏です。  桜井氏のMandolinはヘッドに"The Gibson"のロゴが無く、ブリッジカバーが外されていまし  たので、大塚氏所有のGibson A2だと思われます。前回はDelayを深くかけていましたが、今  回は軽めの処理です。  栗川氏の使ったのが「皮無し」のタンバリンだったのが少し残念です。やはりドコドコいう  皮付きタンバリンの方がサウンド的にも良かったのではないでしょうか?  Moto氏が苦しそうにVocalの途中で何度もむせてらっしゃいました。果たして最後まで持つ  のか、心配になります。  「私がちょっと席を外している間に、アコースティックになってしまいましたけど(笑)   (Evermoreの前、Moto氏は楽屋に中座していたため)   えー、もうちょっとアコースティックをやりたいと思います」 (9) GOING TO CALIFORNIA  桜井氏はMandolinを大塚氏に渡し、Martin D-28に持ち替えます。  叙情的で良い感じなのですが、残念ながらこの曲、チューニングが合ってません(^^;)  「えー、すっかりなごみモードが入ってますけど....、   お立ちの方はなごんでる余裕は無いかと思いますけど、どうも申し訳ありません」  桜井/大塚両氏は懸命にチューニングを続けますがなかなか合わないようです。  ついに桜井氏が大塚氏に「合ってないよ!」とチェックを入れてます。    「さっき私がぶつけてしまったんで、どうも、チューニングが狂ってしまったようで。   こういう時、大塚さんは変わりないようで、ものすごくあせっています(笑)   多分、間違えると思います、次の曲...」 (10) THAT'S THE WAY  プレッシャーをものともせず、大塚氏はMandolinで見事なピックさばきを見せます。  最後に栗川氏がタンバリンを床に落とす、というパフォーマンスを披露してくれます。  「いや〜、最大の見せ場でした(笑)みんな待ってましたね....」と茶化した後、  「持つべきものは友達ということですね。我々のLIVEを今日、手伝って頂いてます。   前はイス出しとか自分らでやってましたけど....有り難いことです。   持ちつ持たれつで、我々も今度、イス出しをやらせて頂きます(笑)」 (11) GALLOWS POLE  MR.JIMMYでは恐らく初披露の曲です。  本家Jimmyは5/3/71のCopenhagenでElectic Guitarで演奏してましたが、桜井氏はOvation  12弦でAlbumに忠実なアレンジでのアプローチです。  大塚氏は序盤はMandolin/後半はBassに持ち替えて、ドラマチックに盛り上げてくれます。  さて、ここで1部が終了し、メンバーは楽屋に引き上げます。  その間を利用して、スタッフの方々によるお楽しみ抽選会が開かれました。  ワンマンLIVEならではのアットホームな雰囲気、楽しゅうございました。 第2部 (12) OUT ON THE TILES/BLACK DOG  再びメンバーがステージに登場。Moto氏は花柄長袖の衣装に着替えてます。  「後半、行ってみよ!」というお馴染みいかりや長介ネタで第2部がスタート。  桜井氏はLes Paul No.2、大塚氏は赤のArttec Bassです。  こころなしか、1部に比べて桜井氏のGuitarの音が太くなったような気がします。73年頃  の雰囲気、と言えばお分かりでしょうか?  演奏後、Moto氏がマイクスタンドの高さを調整してると、スタンドの上の棒がスポッっと  引っこ抜け、一同びっくりします。  「(カカトが)高い靴履いてるんで、ギリギリなんすよ...」  長身でロンブーは苦労があるようです。 (13) MISTY MOUNTAIN HOP  大塚氏のKeyboardが若干小さめなのが惜しいところです。(この日は全体的にそうでした) (14) SINCE I'VE BEEN LOVING YOU  前曲からメドレーで繋がる、73年のパターンです。(Introフレーズは若干ひねってます) (15) NO QUARTER  中盤のDrums/Bass/Guitarの三つ巴のバトルが圧巻です。桜井氏のGuitarはここに来て実に  良い音で鳴っています。  終盤の一発Thereminはギリギリまでそぶりを見せず、寸前でサっと手をかざす姿が実にCool  でした。音の方はまぁまぁですが、残響ゼロでブツっと途切れる感じだったのが残念でした。  「次の曲はですね....皆さん、寝るところです。長いです(笑)   ビデオ見てても寝てしまうとこですよね。横になって見てると、寝ちゃうんですよ。   皆さん、とがめたりしませんので(笑)ごゆっくりとおくつろぎ下さい」  ここでスモークが大量に焚かれ、栗川氏の姿が全く見えなくなりました。  「濃霧注意報が発令されました(笑)リズム隊のアイコンタクトが....」苦笑するMoto氏  です。 (16) DAZED AND CONFUSED  MR.JIMMYでは比較的レアな選曲です。(これがなかなか見れないで泣いてるファンの方も  多いかと思います。特にマニア系の方々....)  桜井氏はLes Paul No.1に持ち替えます。  サンフランシスコあり、弓弾きあり、バトルありのフル・フル・ヴァージョンでの演奏です。  約30分に渡る一大スペクタクル、十二分に堪能させて頂きました。  演奏後は拍手喝采。今まで聴いた中で一番のリアクションだったかも知れません。  Moto氏も笑顔を隠せず、  「これを演って、こんなに拍手を頂けたのは初めてです(笑)   馬鹿な人達だなぁ!と思われるんじゃないかと、心配してたんですけど...。   今日も長くなりそうです。終電が危ない方は、とっととお帰り下さい(笑)   またやりますから、ね」 (17) STAIRWAY TO HEAVEN  お約束のこの曲、いつも安心して聴いていられます。演奏的にはある程度完成されてしまった  と言って過言ではないでしょう。(あとはPA側での処理の問題?)  Guitar Soloは73年頃のバリエーションであり、低音部でのフェイズアウトした音がたまらなく  Jimmy Pageです。  演奏後、Moto氏は栗川氏の方を見ながら意味深な笑顔を浮かべます。  「今日はいつになく、気合が違いますね?(笑)   OK, Featuring Cokkie栗川.....モビ・ディ〜〜ック!」 (18) MOBY DICK  桜井氏はLes Paul No.2、大塚氏はArttec Bassでの演奏です。  Drums Soloではタムに軽くフェイザーがかけられています。  いつもとはひと味もふた味も違う、スパークする栗川氏の演奏にビビリながら見入ってると....  中盤の素手プレイは大マジ!おふざけは一切無しの「鬼神」のような迫力です。  途中にパッドも入れたOriginalな展開も挟み、戦車のような重低音の連打でフィナーレを迎え  ました。  Moto氏の「Cookie栗川!」の連呼に応え、水をぐぃっと飲むポーズもサービスしてくれました。 (19) HEARTBREAKER  この曲も既に十八番ですね。無伴奏Soloも相変らずのかっこ良さです。 (20) WHOLE LOTTA LOVE - LET THAT BOY BOOGIE - THAT'S ALRIGHT - BLUEBERRY HILLS - HEARTBREAK HOTEL - LET'S HAVE A PARTY  メドレーで前曲から続く、73年の定番パターンです。  Theremin soloでは何やらペダル状のエフェクターを踏んでいるのを確認しました。  Echoplexの脇に置かれていたブルーの小型エフェクターは、おそらくTheremin用のノイズ  ゲートだと思われます。  R&Rメドレーは今年のLIVEの中から厳選したような曲目です。Blueberry Hillsは前回演奏  した時より格段にこなれた感じです。  怒濤の盛り上がりでエンディングとなり、メンバーはステージを去りかけます。  時間は既に23:30過ぎであり、アンコールの拍手でメンバーは素早くアンコールの準備に  とりかかります。 [Encore] (21) THANK YOU  大塚氏はおそらくこの曲のためだけに用意したKORGのオルガンを演奏します。  叙情的な良い演奏で、長丁場のアンコールにふさわしい曲です。 (22) THE OCEAN  栗川氏のカウントでスタート。この日もBonzoシャウトなしで残念です。  Moto氏のマイクで桜井氏がコーラスを入れる姿がCOOLです(上の画像を参照)。 (23) ROCK AND ROLL  最後の最後はお馴染みのこの曲です。  疲労困憊であろうメンバーは、まさに死力を振り絞ってロックンロールしています。  Solo後のジャンプも手抜き無し!身体を張った大サービスでした。  演奏後、メンバー一同ステージ前でご挨拶。時間は既に0時近くであり、大ロングランの  初ワンマンLIVEが幕を閉じました。
感想  約3時間半! 第1部はアラカルト、第2部は73年をベースにした構成でした。  リスキーな新曲は最小限に留め、「得意なレパートリー」と「マニア受けする曲」中心  という、初ワンマンLIVEにふさわしい選曲だったと思います。  大塚氏はTrampled Underfoot、栗川氏はMoby Dick、桜井氏はTen Years Goneで、そ  れぞれみっちり練習したと思われる成果を発揮してくれました。  また、Moto氏は体調の悪さにも関らず、最後までハイテンションなシャウトを聴かせて  くれました。メンバーの熱い思い入れに、この日集まった100名近い観客もそれぞれに  感銘を覚えて帰られたことと思います。  ワンマンLIVEのメリットは、持ち時間を気にせずに演奏できることもさることながら、  Sound Checkをきちんとできるということが大でしょう。  事実、この日のPAの音は非常に良好でした。後ろの席で「今日の音って、すごく良くな  い?」と話しているヒトもいましたから、これは私だけの思い込みではないでしょう。  今後のLIVEでも、うまくPAの音作りをしていただけることを期待してます。  幕間のお楽しみ抽選会で、私はMR.JIMMYの特製ポスター(非売品)が当たりました。  沼田先生は「LIVE無料御招待券(1回分)」をゲット、中村嬢は大ハズレ。  ちなみに一等賞は「1年間無料招待券」!羨望の声に包まれてました。  最後にひとつ!客の中に終始「MR.JIMMY!!」と叫んでるヒトがいて、非常に耳障りでした。  演奏中に急に拍手(手拍子ではない)はするし、突然、ズレた掛け声を入れるしで....。  楽しみ方は自由ですが、場の雰囲気を読めない一人よがりの行為は謹んで頂きたいもの  です。