Live at "Live Garage Adm",
Ikebukuro, Tokyo, Japan, 20th Dec, 1996

MR.JIMMY Live at Live Garage Adm, Ikebukuro, Tokyo, Japan, 20th Dec 1996
Jimmy Sakurai/Professor Otsuka/Parcy Moto/Cookkie Kurikawa


The Battle of Evermore

開演に先立ち...

●日時  1996年12月20日(金)  約2ヶ月ぶりの復活LIVEは、Admの開店5周年記念イベント出演でした。  共演はVON HALEN (Tribute to VAN HALEN)とELECTRIC LADY BAND (Tribute to JIMI HENDLIX)  で、MR.JIMMYはトップバッターとのこと。残念ながら単独LIVEではなく、おまけに3バンドもの  共演でステージも短いことが予想されました。まあ、復活LIVEですから贅沢を言ってはいけない  でしょう。 ●会場   LIVE Garage Adm ●メンバー  ・Jimmy 桜井氏 (Guitar)  ・Professor 大塚氏 (Bass/Keyboard/Guitar)  ・Parcy Moto氏 (Vocal)  ・Cookie 栗川氏 (Drums)  入場時に配布されたMR.JIMMY's Graffiti (LIVE情報リーフ)を拝見すると、Desperadoと  Goodmanで私が撮影したドラゴンスーツの写真が!いやいや恐縮です。

SETLIST&各曲寸評

 19:30 STARTということで18:30頃に会場に着いたのですが、入場が始まったのは19:30近く!  ダッシュで入ったのですが、アングルの良い左最前列は常連さんに既に確保されており、仕方  なく右最前列に座りました。この日はお友達のEric Sachs氏と松本の鈴木さんと一緒です。  ふと気がつくと、立ち見もギッシリ!10畳程度の狭い客席に100人以上という、東京都消防局  もびっくりの状態で、Drinkも買いに行けないありさまです。  ステージ上にはトップバッターのMR.JIMMYの機材がセットされていました。  Marshall AmpとEchoplexは各1台だけであり、今日はThereminは使わないことが分かりました。  一瞬、「初期ステージ?」とも思いましたが、AmpにいつものZosoマークが付いていないことか  ら「これは80年Tourであろう」と目星を付けました。  さて、20:00近くになり、Vocal以外のメンバーがステージに登場します。  桜井氏はダークなスーツに白いマフラーでサングラスといういでたちです。Guitarも後期ステー  ジでお馴染みのレイクプラシッド・ブルーのStratocasterです。ただしヘッドの形はTelecaster  にも似た特別な形状で、Fender製ではないオリジナルのようです。 (1)IN THE EVENING  軽い音出しの後、唸るような重低音のSEが流れます。やがて大塚氏のストリング音が入り、栗川  氏がシンセドラムを連打。これに桜井氏がアーミングでからみます。  スモークが一層濃くなったところでMoto氏が登場し、曲が始まります。  Moto氏はワインレッドのジャケットで、75年あたりのイメージです。声の調子は良いようですが  PAでのVocalの音量がやや小さめです。  桜井氏は弾きまくりの熱演です。体のふらつき加減も80年ぽいです。(73年セットでは軽やかに  踊ってくれるのですから、こうした動きも意識されているということなんでしょうね)  大塚氏のフットベースのVolumeが低く、低音が欠けたサウンドだったのが残念です。 (2)IN MY TIME OF DYING  桜井氏はDan Electro Typeに持ち替えます。  中指に金属バーをつけて、スライドを随所に決めてくれます。いや〜、Bootで聴くのは確かに  このフレーズなんですが、随分と高度な技の連続だったんですね!それをコピーする桜井氏も  凄いですが、やっぱり本家Jimmyには頭が下がります。  ちなみに「ちょっと高音がキツイ音色だな〜」と思っていましたが、後でTapeを聴くとBootで  お馴染みの音になっていました(^^;)  大塚氏はPressionタイプのArttec Bassを使い、指弾きでねちっこいフレーズを聴かせてくれ  ています。  You Shock Meが最後に一部挿入されています。  演奏後、Moto氏がスーツ姿の桜井氏に「支配人、この出だしは80年の構成ですか?」と聞き、  「80年には(Dyingは)演ってないよ!」と返されるという一幕もありました。 (3)BABE, I'M GONNA LEAVE YOU  Page/Plantで一躍脚光を浴びたこの曲の登場です。ZEPPでは68〜69年のレパートリーでした。  桜井氏はメインの"No.1" Gibson Les Paulで演奏します。  この曲はアルペジオとハードなストロークが交互に出てくるのですが、桜井氏はほとんどピック  を使わず指で弾いており、今一つソフトな感じに聴こえました。で、当時のBootを聴き直して  みると、なるほど!そんな感じなのです。ふむふむ。  Page/PlantのVideoをチェックすると、Jimmyはアルペジオの時は口にピックを咥えており、  ストロークの度にすばやく持ち替えていました。(苦労されています)  エンディングはもちろんStairway to Heavenはナシでした。 (4)THE BATTLE OF EVERMORE  私が見るMR.JIMMY初のアコースティック・セットはこの大曲でした。  大塚氏がOvationの12弦、栗川氏がタンバリン、そして桜井氏が「本物」Gibson A2 Mandolin  を演奏します。Mandolinはコンタクト・ピックアップを装着し、Delayを使ってあの幻想的な  サウンドを忠実に再現してます。コーラスは大塚氏が担当します。  Moto氏もVocalにハーモナイザー(ピッチシフター?)を駆使し、良い雰囲気です。  演奏的には申し分ないのですが、あえて贅沢を言わせていただきますと、   ・アコギの音がOvation臭い。     OvationのLINE出力は、どうしてもベシャベシャした音になってしまいます。     このため、リズムの切れが若干悪いように聴こえてしまいました。     セッティングの都合上、MIC使用は難しいかと思いますので、中音域を下げて固めに     イコライジングした方が良いのではないでしょうか。   ・タンバリンの音が硬すぎる。     BONZOの演奏ではもっと丸い音だったと思います。今回の音はデンデンと深みのない     音でちょっと残念でした。  両方共PA側での問題なので、Mixer殿にもう少し頑張って頂きたいところです。   ●音源ダウンロード:The Battle of Evermore [570KB] (5)HEY HEY WHAT CAN I DO  「多分、最初で最後でしょう」と宣言しての演奏です。  Page/Plantでは比較的有名なレパートリーですが、ZEPPでは一度も演奏されたことがありま  せん。シングル「移民の歌」のB面曲で、90年にBOX SETが出るまではアルバム未収録だった  幻の曲です。  桜井氏は大塚氏の使っていたOvation 12弦を引き継ぎ、大塚氏はBassを使用しています。 (6)TRAVELLING RIVERSIDE BLUES  桜井氏がGibson W-Neckを、大塚氏がBassを手にしたので、「ああ、TSRTSね」と思っていたら  なんと!なんと!の曲です。69年のBBC Sessionで演奏したカヴァー曲で、これまたBOX SETで  のみ公式には聴けるレア曲です。  桜井氏は12弦と6弦を巧みに使い分けて、不思議な雰囲気の逸品に仕上げていました。 (7)STAIRWAY TO HEAVEN  12弦のTuningにしばらく時間がかかり、この曲がスタート。(前曲は変則チューニング?)  桜井氏の演奏は、Solo前までは73年以降のオブリガードを入れ、Soloは桜井氏お気に入りの  71年BBC Versionに近い、Studio盤をイメージさせる構成です。 (8)CELEBRATION DAY  おお、W-Neckの3連チャン!12弦による複雑な響きが快感です。  なぜかこの曲からMoto氏のVocalは殆ど聞こえなくなってしまいました。  やや唐突ですがエンディングとなり、メンバーは一旦ステージを去ります。 (9)ROCK AND ROLL  拍手の中、メンバーが再登場。桜井氏はLes Paul (No.1) 、大塚氏はArttec Bassを手にして  ます。桜井氏はAchillesのIntroを爪弾きますが、結局演奏したのはこの曲でした。  IntroのGuitarには珍しくPhaserをかけていました。  Soloは73年あたりにありがちな、小節無視のLooseなPlayでなかなか良しです。  「良いお年を!」というMoto氏のセリフで、1996年最後のステージが終了しました。
感想  約70分という短めのステージでしたが、新しいレパートリーが多く、充分楽しめる演奏でした。  Moto氏が「今日の選曲、全部分かっているヒトは...いるんでしょうね?」と心配していた程の  マニアックな選曲でしたが、まあ、10人くらいは分かったでしょう(笑)    ただし、PAの音はアレでしたね。「Vocalが聴こえない」というのはあまりに悲しい...。  PA-SPEAKERの位置や向きを変えるなど、5周年を期に音響の方をもう少し改善して頂きたいと  思います。