Live at "Live Garage Adm",
Ikebukuro, Tokyo, Japan, 25th Sep, 1997
MR.JIMMY Live at Live Garage Adm, Ikebukuro, Tokyo, Japan, 25th Sep 1997
Jimmy Sakurai/Professor Otsuka/Parcy Moto/Cookkie Kurikawa
Wearing and Tearing
開演に先立ち...
●日時
1997年9月25日(木)
この日は共演バンドが決まらなかったそうで、「結果的に」単独LIVEとなりました。
私が知ったのもわずか2日前で、事前にHPで充分にアピールできなかったのが残念です。
この日の最前列観戦メンバーは、沼田さん、久々御対面の柴田さん、私の3人でした。あと、
ビート佐々木さん、「まじかるZEPわーるど」の谷口さん、アダルティー榊原さんの御一行が
後方席にいらっしゃいました。
更に、私が懇意にしていただいているTULIPのHP「inCOMPLETE TULIP CHRONICLE」の主催者
である湯浅さんがいらっしゃっていたとのこと。いやいや、お会いできずに残念です。
今日(9/25)はボンゾの17回目の命日ということで、"TRIBUTE to BONZO"というサブタイトル
がDMでもアナウンスされていました。
●会場
池袋 Live Garage Adm
●メンバー
・Jimmy 桜井氏 (Guitar)
・Professor 大塚氏 (Bass/Mandolin/Keyboard)
・Parcy Moto氏 (Vocal)
・Cookie 栗川氏 (Drums)
SETLIST&各曲寸評
今日は単独LIVEということもあってか、桜井氏のMarshallは堂々2セットを設置。Zosoロゴ
入りがGuitar用、黒いサランのはTheremin用と思われます。
さらにメタルのDrums setの後ろには巨大なドラが!いつになく力が入っています。
平日という事もあり、会場は前回のGoodman程の超満員ではありませんでした。それでもイス
席は満杯、通路は立ち見が一杯であり、70人以上は行ってたのではないでしょうか?
沼田さん/柴田さんとよもやま話に花を咲かせ、気付いたら既に20:00過ぎ。
メンバーがステージに登場したのもその頃でした。
桜井氏はチャイナ風の飾りひもが付いた黒い長袖上着に☆マーク入りの黒のパンツ。
Moto氏は銀色ラメの長袖シャツにブルージーンズ。なぜか薄茶色のサングラスをしています。
大塚氏は白ワイシャツに天使の刺繍入りの黒ベストに黒ジーンズ。
栗川氏は"THE SONG REMAINS THE SAME"のロゴ&イラスト入りの黒Tシャツにブルージーンズ、
といういでたちでした。
(1)WALTER'S WALK
Drumsの8ビートから始まり、The Train Kept A Rollin'を思わせるGuitar/Bassの絡みが
入ります。果たして何が始まるのやら?と思っていたら...。
いきなりスタートしたのはLast Album "CODA"のこの曲。初登場の曲です。
桜井氏はLes Paul No.2、大塚氏は赤いArttec Bassを手にしています。桜井氏の足元はワウ
のみで、センターポジションによるフェイズアウト・サウンドでのアプローチです。
この日はしょっぱなからハイテンション!桜井氏のリフも軽快です。
(2)I CAN'T QUIT YOU BABY
メドレーのように、間髪入れずに突入。
おお!初期曲!と思いきや、この曲も"CODA"の収録曲ではないですか!
3/9/97の69年set時はTelecasterでの演奏でしたが、今日はLes Paulです。ウォームな音色も
また良しです。1973年あたりのWLLメドレーでも登場してましたから、これはアリでしょう。
演奏後、Moto氏のMC。
「こんばんわ、MR.JIMMYです。
え〜、今日はボンゾの命日ということで、Cokkie栗川を大フィーチャーしましてお送り
します。最後まで....長いと思いますけど、最後まで、お付き合いをお願いします」
Moto氏は丁寧なご挨拶の後、数回マイクチェック。モニターの入りが悪かったのでしょうか?
(3)COMMUNICATION BREAKDOWN/GOOD TIMES BAD TIMES
桜井氏がピックで弦を細かく叩き、ガガガガというノイズを入れてスタート。ZEPPの初期に
よく聴かれたパターンです。
メドレーで"Good Times, Bad Times"に。以前聴いた演奏より格段にタイトです。
Guitar Soloではワウ・ペダルを細かく上下させてビブラート効果を出していました。この
曲の最後にはドラの音が一発!なんと、素手で叩いてらっしゃいます。
「え〜、ちょっとお時間を頂きまして、アコースティックを2曲ばかし演ってみます。
いつものように御歓談下さい」
というMCに続き、ステージにはスツールが置かれ、大塚氏/Moto氏/桜井氏が並びます。
ここで「業務連絡!私のブルース・ハープを知りませんか?」というMoto氏の叫び。
私の横の柴田さんが「キーボードの下に落ちてます!」と指摘して事無きを得ます。
「どなたか知りませんけど、有り難うございます」とお礼を言う大塚氏です。
(4)POOR TOM
またもや"CODA"からの初披露曲。桜井氏はOvation12弦、大塚氏は赤のArttec Bassです。
Moto氏はエフェクターを踏み分けて、コーラスやエコーなどの多彩な効果を付けています。
ハープも良い雰囲気を出しています。
「(次の曲では)他のメンバーのコーラスが聴けます。聴きたいような聴きたくないような。
みっちりと練習...してません(笑)」とMoto氏。(今日は饒舌です)
(5)HEY HEY WHAT CAN I DO
桜井氏はMartin D-28に持ち替えます。(12/20/96の演奏はOvation 12弦でした)
前回は「多分最初で最後でしょう」とおっしゃってましたが、意外に早い再登場でした。
さすが2回目ということで、演奏の方もまとまりがありました。
エンディング近くで、予告通り桜井氏と栗川氏がサビを歌います。
大塚氏のところにもMICが立っていたのですが、歌っていなかったような....。
「ところでですね、MR.JIMMYは今年の12月20日に、こちらの池袋Admさんでワンマンを....
実は今日もワンマンなんですけど(笑) なぜか、ワンマン(笑)
だから、改めて『ワンマンやります!』って感じじゃないんですけども。
今日は、たまたまなってしまったという日なんですが....。
今度はですね、はなから我々だけという。曲の選びかたなんかもそういうのを考えまして
演りたいと思います。えー、是非とも皆様お越し下さい(拍手)」
(6)THE SONG REMAINS THE SAME
Moto氏はサングラスを外し、桜井氏はW-Neckを手にします。
最初のコードを弾きますが、ハウリングが起きたためか桜井氏はちょっと間を入れ、Moto氏
が「あれ?」と声をかけます。もう一度コードを弾き直してのスタートです。
この曲は既にMR.JIMMYの十八番と言ってよい曲ですね。途中、栗川氏のタメが長すぎて、
リズムが一瞬外れましたが、それ以外は安定した良い演奏でした。
(7)THE RAIN SONG
久々のメドレーパターン。
シンセによるMellotronの音がリアルです。デチューンがキツイためなのでしょうか、大塚氏
がとっても弾きづらそうだったのがジョンジーのようで面白かったです。
中盤でドラがグワ〜〜ン!と響き、さらにパッドによるティンパニの音も迫力ありました。
「次は、9月25日、本日のハイライト!
さっきから、これのことで頭一杯で、間違いまくってましたね(笑)
よろしい、よろしい!
さぁ、みんな静かにしましょうね、とりあえず。緊張をあおりましょう」
さんざん栗川氏をいじり倒すMoto氏です。
(8)MOBY DICK/BONZO'S MONTREUX
「Cookie 栗川、モビーディーーーーック!!!!」Moto氏の雄叫びからスタート。
ハイハットにタンバリン状の鳴り物を載せ、シャンシャンやりながらの演奏です。
途中、"Bonzo's Montreux"が登場!今日4曲めの"CODA"曲です。最初はシンセで、次は
おそらくはハーモナイザーをかけたGuitarで、Albumで聴けるスティールドラム風の音を
再現しています。(実際のアレは、ハーモナイザーで生ドラム音を加工して出してる?)
そして素手ドラム!しばらく叩いてから「痛て〜〜!!」という表情をし、ゴソゴソと取り
出したのは、ミッキーマウスのような白い大きな手のオモチャ!それでバコバコと叩いて
観客の笑いをとっていました。
「痛いから許して下さい!」という栗川氏の泣きが入り、後はスティックでのプレイに。
演奏後は、カップで水をぐ〜〜と飲むという、お約束満点のパフォーマンスでした。
「Moby Dickと来たら、W-Neckですね? 栗さん、しばしお休みです」とMoto氏。
(9)STAIRWAY TO HEAVEN
W-Neckの音、Keyboardの音、Drumsの音、そしてMoto氏のVocal。全てにおいて文句の
付けようがありません。照明に浮かぶメンバーの姿が神々しく感じます。
Guitar SoloはTango-Sectionもある73年のアレンジです。会場で聴いていた時にはSolo
後半でチューニングが大きくズレているように感じたのですが、テープで聴きなおすと
よくわかりませんでした。不思議です。
「えー先程12/20のAdmさんでのワンマンをご紹介しましたが、その前に、11/3の文化の
日に、秋葉原のGoodmanでいつものメンバー、Electric Lady BandとVon Halenと共演
を致しますので....(まばらな拍手)....身内の拍手は暖かいですな(笑)。
どうぞよろしくお願いします」とMoto氏。
(10)WHOLE LOTTA LOVE
- THE CRUNGE
- EVERYBODY NEEDS SOMEBODY TO LOVE
- D'YER MAK'ER
- LET THAT BOY BOOGIE
- THAT'S ALRIGHT
- FOR WHAT IT'S WORTH
- MESS O' BLUES
- HONEY BEE
73年風にDrumsのFill-inがあってスタート。
桜井氏はLes Paul No.2、大塚氏は赤いArttec Bassを手にしての演奏です。
Theremin Soloの前にVocal入りの"The Crunge"が登場! タイトな演奏が良しです。
この日のThereminは快調で、ヒュンヒュン飛びまくってます。Moto氏とのバトルも長めです。
"D'yer Mak'er"は、出だしのVocalのみです。
"You Need Love"の直前、"Woman"の叫びのところでMoto氏がわざとタメを長く取り、栗川氏
のタイミングを外させて遊んでいます。
最後はドラの連打!映画を見てるようなエンディングでした。
メンバーは手を振りながら楽屋に戻ります。
[1st ENCORE]
(11)WEARING AND TEARING
拍手の中、メンバーが再登場。Moto氏は堂々とカンペを持参し、モニターに張り付けています。
「あ、どうもありがとうございます。
え〜どうでもいい事なんですけど、私、コンタクトレンズを壊しまして...。
なぜか、新曲になると、メガネかけてるんですよ。度付きなんです、これ。
という訳で、我々本邦初公開の....またまた"CODA"から。Featuring Cokkie栗川?
別名、オヤジ・パンクを(笑)...」
"CODA"から、まさかの5曲目の披露です。
桜井氏はLes Paul No.2、大塚氏はRickenbacker 8弦 Bassを手にしての演奏です。
桜井氏はワウの前に何やらエフェクターを足元に追加しています。
90年のネブワースでJimmyとRobertが演奏してましたが、「若い頃のJimmyが弾いてる」とい
う感じで、よりエネルギッシュな演奏でした。
演奏後、意外にも楽屋に戻りかけるメンバーに、当然ながら再アンコールを要求する拍手が
響きます。
「ほらほら、次も来てもらわなくちゃ!」とメンバーをけしかけるMoto氏です。
[2nd ENCORE]
(12)OUT ON THE TILES/BLACK DOG
おもむろにステージ上で相談するメンバー4人。桜井氏は先程追加したエフェクターを自ら
外します。(ノイズ対策でしょう)
「後半行ってみよ!」といういかりや長介ネタで2nd Encoreがスタート。
楽器はそのまま。ということは大塚氏はRickenbacker 8弦 Bassでのアプローチです。
あの複雑なリフを8弦で!大迫力です。観客との掛け合いもバッチリ決まっています。
演奏後、更にある種の意図を持った拍手が続きます。
「あ〜、いいスね....平日だと言うのに(笑)」 確かに、平日だというのにこの騒ぎは....。
(13)SINCE I'VE BEEN LOVING YOU
Keyboardに向かう大塚氏に「休んでるだけじゃないの?」という揶揄が飛びます(^^;)
そんなことは勿論なく、厳かにスタートしたのがこの曲。意外な選曲です。
Guitar Soloはいつも以上にハイテンション!Jimmy Pageとの比較云々では語れない出来栄え
です。Moto氏も長丁場に全く衰えることなくシャウトしています。
(14)ROCK AND ROLL
間髪を入れず始まったのがこの曲です。
冒頭、若干軽めなノリに感じられましたが、Guitar Soloあたりからテンションはうなぎ昇り。
ちなみに、Guitar Soloの終わりは75年風でした。
Moto氏が「John Bohnam!!!」と叫び、メンバーは楽屋に引っ込みます。
[3rd ENCORE]
鳴り終わらない拍手に、メンバーが再度登場。ただし、栗川氏のみ戻りません。
これは、やはり、大阪'71のパロディでしょうか?
「ちょっと、あの、さすがに(栗川氏は)一服してます。
という訳で、私の立て板に水のトークで、しばらく.....つなげませんな、これは(笑)」
ようやく栗川氏が登場、桜井氏とゴソゴソと相談してます。
「何演るか決まらないと、大塚さんがどこに行ったら分からないんですよ(笑)
BassもあるしKeyboardもあるしで」とMoto氏。
(15)CUSTARD PIE
結局、大塚氏は愛用の赤のArttec Bassを手にします。
桜井氏がLes Paulで繰り出したリフは、玄人好みのこの曲でした。Soloではワウを駆使して
いますが、リフ自体はシンプルな音色です。
エンディングで一発、"The Ocean"のリフを入れています。本家Jimmyもお気に入りの技です。
「Squeeze my lemonされているみたいですね(笑)どんどん持ち曲を絞り取られてるようで」
Moto氏がお洒落な比喩をかまし、苦笑いします。
(16)AS LONG AS I HAVE YOU/FRESH GARBAGE/SHAKE
なんと!3/9/97の69年setで好評を博したこの曲の再登場です。
1969年4月27日のFilmoreで聴けるアレンジです。"I was born in darkness"としっかり"I was"
を入れた歌い出しも、この日の特徴でもあります。(ちなみに原曲では"I was"は付きません)
前回はTelecasterでのアプローチでしたが、今日はLes Paulでのトライです。これも悪くありま
せん。ZEPPが後年演奏したらこんな感じだったかも。
(17)HEARTBREAKER
間髪入れず、メドレーに近い形でのスタートです。
無伴奏Soloではステージ前でティーバーストのLes Paul No.2を駆使し、お約束技を十二分
に繰り広げてくれました。このGuitarも弾きこなしのせいでしょうか、良い音になりました。
完全にNo.1を凌いだと思います。
最後はステージに全員並んでご挨拶し、文字通り「狂熱のLIVE」が終了しました。
●感想
約2時間40分に及ぶ大マラソン大会でした。
対バンが無く、たっぷりとSound Checkができたお陰か、PAの音も1曲めから非常に安定
して聴きやすい感じでした。おかげ様で、心置きなく演奏を堪能できました。
やはり、こーでないとね。
Bonzoの命日だったということで、どのような趣向を凝らしてくれるのか楽しみでした。
遊び心のあるMoby Dickは非常に楽しくて、あれはあれで良かったです。30分叩きまくる事
だけがBonzoじゃないよ、と。ドラもVisual的に派手で嬉しかったです。観客へのサービス
だったんですね。調達/搬入/設置の苦労を考えると、ホント、頭が下がります。
しかし、この日のホントの意味でのBonzo Tributeは、"CODA"からの5曲もの披露でしょう。
ZEPPがAtlantic Recordと1974年に交わした契約は「5作のAlbumを発表すること」だったと
言われています。Bonzoの突然の死により、契約上の必要性から作らざるを得なかったのが
Last Album "CODA"だった訳です。
そんな「浮かばれない」Albumの曲を弾き倒すことこそ、"Tribute Band"としての最高の
Bonzoへの供養だったのではないでしょうか。
...なんてことは、家に帰ってテープを聴きながら思ったことで、LIVE中は迫力に圧倒され
っ放しでした。会社帰りでネクタイ姿だったせいもありましょーが、汗だくの観戦でした。
この日は1曲めからフル・スパートで、その勢いは最後の曲になっても全く衰え知らず!
「これでもか」というアンコール曲の応酬で、Heartbreakerが終わった時は、正直言って
「参りました、もう結構です!」という状態でした。
ステージ終了後、大塚氏と栗川氏にお会いしたのですが、ボ〜っとしてて言葉も出ません。
ようやく口から出たのが「やっぱり、Wearing and Tearingですよね!」というセリフで、
沼田先生から「おいおい、何言ってんだか!」と突っ込まれる始末でした。
同行メンバーによる「村さ来」での反省会では、私は終始「幻惑されて」状態!目の前の
Beerを飲む事すら忘れる程でした。
いやいや、とにかく、凄いステージでした。
個人的には、ずっと聴きたかったThe Crungeも聴けたしで大満足です。
単独LIVE時には私の方も体調を整え、バッチリ気合を入れて臨みたいと思います。
− 音源御提供:佐々木「ビート」毅さん −