Live at "Live Garage Adm",
Ikebukuro, Tokyo, Japan, 23th Sep, 1999

MR.JIMMY Live at Live Garage Adm, Ikebukuro, Tokyo, Japan, 23th Sep 1999
Jimmy Sakurai/Professor Otsuka/Parcy Moto/Cookie Kurikawa


Sick Again

開演に先立ち...

●日時  1999年9月23日(木) ●会場   LIVE Garage Adm  待望のワンマンLIVEでした。  このところスタート時間が遅れる傾向がありましたが(^^;)この日は19時ぴったりの開場です。  最前列は真正面の席しか空いてなかったので、渋々そこをキープしました。(正面だとMotoさ  んの顔がマイクで隠れて写し辛い)

SETLIST&各曲寸評

 MR.JIMMYのメンバーが登場したのは19時30分頃。今日はホントに時間厳守のようです。  本日は田口&小見山コンビが隣に、後ろに沼田先生&Y姉というラインナップでの観戦です。  Moto氏はエンジ色のベルベット・ジャケットにブルージーンズ、首にはRobertネックレスとい  ういでたちです。大塚氏は青ストライプに細かい模様のついた長袖シャツに黒ジーンズ。栗川  氏は黒タンクトップにブルージーンズ姿でした。  そして桜井氏は....ナチス帽に乗馬ズボンと長靴、サングラスに黒Tシャツ、マフラーにサス  ペンダー。4/6/77のChicago公演で着ていた軍服Versionです。3/28/98のGoodman、11/1/98の  川崎ストリートLIVEに続く3度目の登場です。  この日の桜井氏のセッティングはオールドタイプのMarshallセット(ヘッド1+キャビネット  1)を1式。ヘッドの上にはEchoplexが1台というシンプルな構成です。  大塚氏のキーボードはMIDIコントローラROLAND A-33の上にHOHNER Clavinet D6を設置していま  す。足元にはフットベースペダルと音源モジュールラックが確認できました。ベースアンプに  はHIPというロゴの入ったヘッドにPEAVEYのスピーカーキャビネットという組み合わせです。  さらに注目は、栗川氏のDrumsが黒地にラメが入ったLudwigだったことです。配布された小冊子  「MR.JIMMY's Graffiti」によると、ついにマイ・セットでご購入されたそうです。バスドラが  ボンゾと同じ26インチだそうで、これからの活動に賭ける強固な意気込みを感じさせられるお  買い物でした。背後にはゴングもしっかり設置されています。 (1) THE SONG REMAINS THE SAME  桜井氏のコード一発でスタートしました。片膝ついてW-Neckを振り回す姿は圧巻の一言です。  大塚氏はナチュラルのArt Tech Bass(No.2と勝手に命名)です。この日のトーンセッティン  グはやや甘めでしたが、バスドラの音に程よくマッチして、相乗効果による大迫力のサウンド  になっていました。  そのDrumsですが....いや〜いい音です! かなり低めにチューニングされていたようですが、  それがHEAVYな重低音となって、リズムをガッチリと引き締めていました。  Moto氏はやや苦しそうな様子でしたが、Vocalには力強さがありました。 (2) SICK AGAIN  間髪を入れずにこの曲です。ここでもひたすらHEAVYなサウンドに圧倒されます。 「グッド・イブニング!....ありがとうございます。MR.JIMMYでございます。  えー本日はですね、Bonzo Tributeと題しまして、Cookie栗川の選曲...のハズだったんですけ  ど...ま、色々ありまして(笑)。Cookie栗川の出番も多いということで、繰り広げて行きたい  と思いますんで、よろしくお願いします(拍手)  (後ろを振り返って)あ、なんかドラムセット違いますね? なんか大きいんじゃないですか?  あ、ラディックって書いてありますね?(笑)」 (3) NOBODY'S FAULT BUT MINE  桜井氏はティーバーストのLes Paul No.2に、大塚氏はRickenbacker 8弦Bassに持ち替えます。  前回8/29/99のLIVEでは暗転照明のせいもあり、ブレイクが決まらないシーンもやや見うけられ  ましたが....今回はバッチリ決まっています。特に栗川氏はメリハリのある緻密な演奏であり、  背筋ゾクものの瞬間が多々ありました。 (4) OVER THE HILLS AND FAR AWAY  大塚氏は再びArt Tech No.2に持ち替えます。  中盤のGuitar Soloはスリリング、かつ非常に面白い展開でした。  最後のアルペジオ部でややヨレたものの、全体的にはなかなかの好演でした。 「えー、MR.JIMMYは10月9日に名古屋のJELLY BEANSというところでLIVEをやらせていただく  ことになりました。その後になりますとですね....まだ決まってないですね。12月にやるか  も知れませんけども。  私生活強化月間といたしましてですね(笑)、各々...。栗川先生は夕食のしたく、大塚先生  は嫁捜しですか?(笑)。色々強化していただきたいと思います。  そういう訳でしばらくお休みさせていただきますけど、またの機会によろしくお願いします」 (5) IN MY TIME OF DYING  おおっと!意外な展開です。というのは、77年setlistではOVER THE HILLSを演奏した日には  IN MY TIME OF DYINGは演奏していないからです。(と言いながらも、過去REVIEWをチェック  したら12/20/98もこの曲順でしたね)  桜井氏はDan Electro 3021。大塚氏はこの日が初登場のブラックサンバーストのBassを使っ  ています。ピックアップのレイアウト等から、これまた大塚氏御用達のArt Techブランドと  思われます。 「....すいません、今日、ちょっと煙(スモークのこと)勘弁してもらいますか?  ちょっとセキが出るもんで。ありがたいですけど」 (6) SINCE I'VE BEEN LOVING YOU  桜井氏はLes Paul No.2を持ち、大塚氏はキーボード席に移動します。  Introの途中、突然桜井氏が左手を激しくひらひらさせ、「???」と思っているうちに演奏  が中断されてしまいました。どうやら左手の中指がつってしまったようです。  「このままLIVE中止か?!」と危惧しましたが、桜井氏は左手を何度かストレッチさせた後に  STAIRWAY TO HEAVENのIntroを弾いて見せ、再び演奏をスタートしました。  再開後も桜井氏は中指をかばうように弾いており、何度かフレーズに詰まるシーンもありまし  た。しかし!その度に他のメンバーがナイスなフォローを入れており、全体としては迫力のあ  る面白い演奏となっていました。   「曲間が長いので、MCが一杯あるんですけど.....ないんですよ、話すことが、別に。  ....あ、そう言えばですね、こないだ静岡県の浜松というところで事件があったんですけど。  体育教師が女子更衣室にビデオを仕掛けたと。その高校、私の出身校なんです(爆笑)。  ちょっと笑ってしまいました。正門が写ってましてね。いや〜なつかしかったなぁ。  ちなみにその高校、同窓生に大澄賢也とかがいるんです。あとはフジテレビの青島アナウンサ  ーとか。そんなことどうでもいいすね?  まぁ、ちょっと(この話題に)関係ありますけど、Ten Years Gone.....」 (7) TEN YEARS GONE  桜井氏はString Bender付きのTelecaster Modelを手にします。冒頭、Bender技が不発とな  るシーンがあって一瞬ヒヤリとしますが、左手はかなり回復しているようです。過去の演奏  ではピッチシフターで効果をかけていた日がありましたが、今日はEchoplexとPhaserのみで  面白いサウンドを出していました。特に最後のGuitar Soloの時、直前にすばやくPhase 90  のツマミを回してトレモロ風の音を出していたのは神業的でした。  大塚氏はステージ前に座ってOvation 12弦とフットベースを演奏しています。いつもはあま  り目立たないフットベースですが、今日は非常に良い音&バランスで響いていました。  最後のMoto氏のVocalは、エフェクトがやや控えめでした。 「急遽決まったワンマン・ショーですが、久々にアコースティック・セットを演ります。  大塚さん、マイクチェックしないんですか?(笑)」 (8) THE BATTLE OF EVERMORE  ステージ前に、左から大塚氏/Moto氏/桜井氏/栗川氏がスツールに腰掛けます。  12/20/97の第1回ワンマン以来という、久々の演奏です。と言うか、過去REVIEWをチェック  して気づいたのですが、昨年はアコースティック曲を1回も演奏していませんでした。(も  ちろん、11/14/98の新宿Loft Plus OneでのアコースティックLIVEを除いて)  桜井氏は自前のGibson A-2 Mandolinで臨んでいます(前回は大塚氏のものでした)。過去の  演奏はいかにも「PAで造ってます」的なサウンドでしたが、今日は楽器本来の音を忠実に再  現している感じです。大塚氏のOvation 12弦も自然なサウンドでしたし、栗川氏のタンバリ  ンもなかなかに良い音で鳴っていました。(ちゃんと皮付きでしたし)  サウンド的には申し分がなかったのですが....中盤からの構成が怪しく、時々メンバー間で  顔を見合わせるシーンがありました。特にエンディングに至るきっかけが分からなくなった  ようで、かなり長く引き伸ばして「なんとか」終わった感じでした。 「もう1曲(アコースティックを)演ります。  Bonzo Tributeで、Cookie栗川デー....とは言いがたい(笑)、Cookie栗川が活躍しない曲  を次に演ります。すいませんね」 (9) GOING TO CALIFORNIA  栗川氏がドラム席に戻り、ステージ前は3人になります。桜井氏のA-2 Mandolinを大塚氏が  弾き、桜井氏はMartin D-28に持ち替えます。  Moto氏の朗々とした歌声がアコースティックの響きとマッチし、幻想的とも言える雰囲気を  かもし出していました。終盤、桜井氏がD-28に立てたマイクに向かってコーラスを入れてお  り、これがまたキレイにハモってて最高でした。今まで聞いた中で一番の出来だったと思い  ます。 (10) WHITE SUMMER/BLACK MOUNTAIN SIDE  桜井氏のみステージに残ります。Dan Electro 3021を手にし、スツールに座りながらの演奏  です。途中でThe FirmのMIDNIGHT MOONLIGHTのフレーズを入れる、得意のパターンも健在  です。 (11) KASHMIR  前曲から続く77年お約束パターンですが....いきなりトラブル!立ちあがった瞬間、桜井氏  のギター・ストラップが外れてしまいます。ギター・テクニシャンのNABE氏があわてて駆け  寄り、なんとか数秒の「演奏もつれ」で事無きを得ましたが....今日はアクシデントの連続  です(^^;)  大塚氏はA-33でMellotron Stringsを巧妙にシュミレートしています。今日は77年というこ  とで、Clavinetの出番はありませんでした。太いフットベースの音が栗川氏の力強いバスド  ラとあいまって、迫力の重低音攻撃となっていました。 「前半が終わりました(笑)」 (12) TRAMPLED UNDERFOOT  桜井氏はLes Paul No.2に持ち替えます。大塚氏は高めにセッティングされたスツールに座  り、Clavinetとフットベースでリズムを刻みます。この日はややClavinetの音が小さめで、  桜井氏とのバトルも今ひとつ力負けしてしまった感じでした。 (13) OVER THE TOP  大塚氏はRickenbacker 8弦Bassに持ち替えます。  OUT ON THE TILESのリフでスタートし、栗川氏のDrums Soloコーナーに。桜井氏とMoto氏  は楽屋に戻り、大塚氏はステージ左手でにこやかに観戦、というお馴染みのパターンです。  序盤はやや精彩がありませんでしたが、ア・ラ・ボンゾな素手プレイあたりから調子を取り  戻します。シンセ・パッドによるティンパニ風のプレイで盛り上げ、ようやく大塚氏のOK  が出てエンディングとなりました。 「Cookie栗川!!....いやいや.....。  栗川先生、大丈夫ですか?(笑)。間髪入れずに.....」 (14) ACHILLES LAST STAND  大塚氏のBassはややトーン絞り気味です。栗川氏のDrumsは一音一音がひたすら重く、かつて  ない程の迫力の重低音でグイグイと全体をリードしていました。  桜井氏はかなりラフで崩し気味の演奏でしたが、それがまた「Jimmy Pageらしい」リアルな  感じがバッチリ出ていて、思わず引き込まれてしまいました。桜井氏の面目躍如です。 「お楽しみ頂いたMR.JIMMYショウ、最後の曲になりました.....仮の(笑)」 (15) STAIRWAY TO HEAVEN  桜井氏はEDS-1275でイントロを爪弾きますが、ややアンプのVolumeが大きめで、歪みが気に  なりました。Moto氏が歌い出しでむせ返ってしまったのも、見ていてちょっと興醒めでした。  大塚氏のMellotron Fluteは、既に名人の域に達しています。これに関しては、本物を買う  必要はなさそうです。  レゲエあり/ブレイクありの77年パターンをモチーフに、アドリブでグイグイ展開していく  様子が非常に面白い演奏となっていました。  メンバーはにこやかに手を振って、ステージから去って行きました。 [Encore-1]  観客の熱狂的な拍手と歓声に応え、メンバーが再登場します。 「どうも、今(楽屋で)一本打ってまいりました。槙原です(場内爆笑)」 (16) THE WANTON SONG  桜井氏はLes Paul No.2、大塚氏はArt Tech No.2を手にします。Moto氏が何やら桜井氏に  耳打ちして始まったのがこの曲でした。  過去のステージではコーラス・アンサンブルを用いてスタジオ盤のサウンドを再現していた  桜井氏でしたが、今日はEchoplexを軽くかけただけのシンプルなアプローチです。  一方、大塚氏はビキビキのトーン・セッティングで、Clavinetを思わせる歯切れの良い演奏  でした。 (17) CUSTARD PIE  間髪入れずに続きます。大塚氏は途中まで前曲のままのビキビキの音で演奏していますが、  途中からトーンを絞って普通の音に変えてしまいました。 「MR.JIMMYショウ、第二部が始まりました(笑)。さぁ、あとどのくらい演りますか?  (疲れ気味の桜井氏に向かって)バンマス、大丈夫ですか?」 (18) HEARTBREAKER  Drums Soloが数小節あってイントロに入る1973年Versionですが、桜井氏がDrums Soloの  裏でウオーミングアップ風のアドリブを入れているのが珍しい展開です。  無伴奏Soloは強引に尺をはしょっており、やや短めになっていました。その代わり、最後の  バトル・パートは「これでもか!」という程のミラクル・フレーズの嵐です。 (19) WHOLE LOTTA LOVE  前曲が完全に終了後、ジャムセッション風のパートを経てWLLに突入します。 (20) ROCK AND ROLL  前曲からメドレーで続きます。  出だしは73年風の重さがありましたが、中盤以降はバスドラがパタパタする、後期風の軽い  アレンジとなっていました。Guitar Solo後の「ペイジ〜ジャンプ」は一部観客も参加して  盛り上がっていました。(それが知り合いだと気づいて、赤面してしまいました)  最後に「ロンリ、ロンリ」が繰り返される77年のお約束パターンを経て、お祭り騒ぎのまま  で終了しました。メンバーは手を振って楽屋に引き上げます。 [Encore-2]  鳴り止まない拍手に、メンバーは再び登場します。  桜井氏はLes Paul No.2、大塚氏もArt Tech No.2を手にします。 「もうちょい演らせて頂きます....頑張れ、栗川!」 (21) THE OCEAN  栗川氏のカウントだけで突入です。ここはやはりお約束のお叫びが欲しかったところです。  ここに来て栗川氏に疲れが出てきた模様で、スネアを叩く手に力がありません(^^;)。  中盤のコーラスで、恐れ多くも桜井氏の玉声が聞けたのが収穫でしょうか? (22) IMMIGRANT SONG  メドレーで畳み掛けるようにこの曲です。全員、残る力を振り絞っての熱演です。  ワウペダルを細かく踏み込んでの、桜井氏のアグレッシブなGuitar Soloが印象的でした。  ステージ前に一列に並び、観客にご挨拶をしてステージを去ります。 [Encore-3]  またまた鳴り止まぬ拍手の嵐!まさかと思いきや、メンバーは三度目のアンコールのため  に登場してくれました。桜井氏に至っては、ステージ右手までたどり着くや、スツールに  ぐったりと座り込んでいました。う〜ん、つらそう....。 「皆さん、バテてますので、2本目を打ってきました(笑)」 (23) GOODTIMES BAD TIMES  桜井氏はLes Paul No.2、大塚氏はArt Tech No.2です。  リフがかっこ良い曲ではありますが、特に展開もなく唐突に終わってしまいます。  Moto氏も「変な終わり方!」と苦笑いしていました。  メンバーは客席に手を振りながら、よろよろと楽屋に戻ります。 [Encore-4]  それでも鳴り止まぬ拍手に、常連客が「これは演らないでしょ?」と顔を見合わせたの  もつかの間....まさかまさかの第4アンコールのため、メンバーが再登場しました。 「....水、ください....」Moto氏もヨレヨレのようです。 (24) CELEBRATION DAY  桜井氏はLes Paul No.2、大塚氏もArt Tech No.2を手にします。  見てる方も聴いている方も疲労の限界に来ており、私もはっきり言ってこの曲に関する記  憶があいまいです(^^;)。「あ〜W-Neckじゃないんだ〜」くらいの意識でした。  演奏後、栗川氏は「もう勘弁して」と言わんばかりに、風のようにステージを走り去って  しまいました。ようやく客電が点き、BGMが流れて、長いマラソンLIVEが終了しました。
感想  終了したのが23時近く。スタートが19時半頃でしたから、3時間半近い演奏だったことに  なります。メンバーのみなさん、ホントにご苦労様でした。  長丁場のステージを、ヨレヨレになりながらもなんとかこなしてしまうMR.JIMMYの底力に  すっかり感服させられた一夜でした。  この日気になったのは、桜井氏のアンプのノイズでした。2分おきくらいに「バリッ!」  という変な音が出て、演奏に集中できなくて参りました。LIVE後に桜井氏にお話を伺った  ところ、「ここ数回のステージでずっと出てるんです。機材を色々変えてるんですが、全  然駄目で。リハの時は現象が出ないし、もう何がなんだか....」と頭を抱えてらっしゃい  ました。原因が見つかることを祈るばかりです。  ちなみに、桜井氏は左手ばかりではなく、左足もつってしまったそうです。あわや4/9/77  のChicago公演のように「Jimmy急病につきLIVE中止」という事態になるところでした。  皆さん、お互いに健康には注意しましょう。
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