Live at "Live Garage Adm",
Ikebukuro, Tokyo, Japan, 23th Sep, 2001

MR.JIMMY Live at Live Garage Adm, Ikebukuro, Tokyo, Japan, 23th Sep 2001
Jimmy Sakurai/Professor Otsuka/Parcy Moto/Cookie Kurikawa

Dazed and Confused

開演に先立ち...


●日時

 2001年9月23日(土)

●会場

  LIVE Garage Adm

 9/23と言えばBONZOの命日ということで、恒例のBONZO TRIBUTE DAYです。
 MR.JIMMYとしては1年ぶりの本拠地Adm公演で、個人的にはなんと2年ぶりの池袋です。

 開演18:00をやや過ぎた頃、ジミセンさんが登場。
 9/18から6晩連続のAdm公演だそうですが、それを感じさせないパワフルな演奏でした。
 

SETLIST&各曲寸評



 MR.JIMMYのメンバーが登場したのは20時近くでした。
 Moto氏はエンジ色のシャツにブルージーンズ、大塚氏は柄地のシャツにブラックジーンズ。
 栗川氏はラスタ柄シャツにブルージーンズでした。
 桜井氏は星座&ドラゴン刺繍が入った黒パンツに、これまた細かい刺繍が随所に入ったシ
 ャツ姿で、75年のUSツアーにおける本家Jimmyをバッチリ意識したものです。

 この日の桜井氏のセッティングはMarshallセット(ヘッド1+キャビネット1)を2式。
 どちらのキャビネットもグレーのオールドタイプのサランで、左側はZosoロゴ入りです。
 各ヘッドの上にはEchoplexが1台ずつ設置されています。ステージ右脇にはThereminの姿
 も確認できました。

 ステージ左にはMIDIコントローラROLAND A-33、その上にHohner Clavinet D6が設置され
 ていました。背後にはFender Twin Reverbが置かれており、おそらくはClavinetを鳴ら
 すためと思われます。(ジョンジーもFender系アンプをキーボード用に愛用してました)

 栗川氏は愛用のLudwigブラック・スパークルです。背後にはドラが設置されていました。
 
(1) ROCK AND ROLL
 桜井氏はLes Paul No.2、大塚氏はJazz Bassを手にします。  スネアのロールで始まるこの曲ですが、栗川氏がいきなり演奏をストップ。「ごめん!」と  大声で謝ってから、再度スタートします。再開後も演奏はやや固めで、この傾向は曲中盤ま  で続きました。  Moto氏は高いキーを避けつつ歌う、後期Robert風の歌い方です。桜井氏もギターソロの最後  がちょっと違う、75年以降の演奏パターンを踏襲しています。
(2) SICK AGAIN
 前曲のCODAから連続する、75年恒例のパターンです。  77年版のド派手な演奏が印象に強い曲ですが、Les Paul/Jazz Bassというスタンダードな  楽器を使った75年版も味わい深いものがあります。重厚で迫力ある演奏でした。 「Good Evening!! ありがとうございます。MR.JIMMYでございます。  1年ぶりの池袋Admさんはですね、Cookie栗川の、ボンゾ・トリビュートということで...。  ボンゾ・トリビュートのわりには、いきなり倒れてしまいましたけれども(拍手)  飲んでませんね?まだ今日は?」(栗川氏:「録音したヒトは、最初カットね!」)
(3) OVER THE HILLS AND FAR AWAY
 エンディングの静のパートがやや不安気でしたが、全体的には安定した演奏でした。  なぜかこの曲、桜井氏は毎回演奏しづらそうです。シンプルな曲なのですが、実は奥深い  Jimmy Pageマジックが含まれているのかも知れません。皆さんも研究してみて下さい。 「ありがとうございます。とりあえず、次回LIVEは12月の....1日土曜日?  原宿Crocodileで、フリーのコピーバンドと対バンでやらせて頂きます。  それでですね、こないだ友達のXX(聞き取り不明)を見に行ったんですけど、  我々、座って見てたんですけど、立ってると疲れますよね?(立見の観客に向かって)  申し訳ありません、とても立って見てられません。ありがとうございます、いつも。  輪をかけて長いですけど、最後までよろしくお願いします」
(4) IN MY TIME OF DYING
 桜井氏はDan Electro 3021に持ち替えます。  大塚氏が手にしたのは初登場のフレットレスBass。ソフトな音色に設定されていたことも  あり、不思議な雰囲気の演奏となっていました。  
(5) THE SONG REMAINS THE SAME
 桜井氏はカスタムW-Neck、大塚氏は再びJazz Bassを手にします。  75年ツアーでは今イチ印象が弱い曲ですが、この日のMR.JIMMY版はパワフルの一言です。  Alembicを思わせるビキビキのBassと突っ込み気味のドラムが、小気味良いドライブ感を  かもし出していました。
(6) THE RAIN SONG
 前曲からメドレーで続く、お約束の展開です。  大塚氏がシュミレートするMelotron Stringsは若干音程が不安定で、調子の悪い時のジョ  ンジーを彷彿し、リアルな雰囲気でした。
(7) KASHMIR
 ここでおさらいをしますと、75年KASHMIRの特徴は(1)JimmyはDan Electroではなく  Les Paulを使用(2)Melotronの他、サビでClavinetを演奏(3)ハイハットにフェイ  ザー処理、という3点が挙げられます。  この日の演奏はこれらを全て満たしており、桜井氏はチェりーのLes Paul No.1を、大塚  氏はRoland A-33でストリングスを、サビでClavinet D6で弾いていました。ハイハット  にも軽くフェイザーがかけられており、正しく75年版でありました。  演奏の方も、複雑な構成をものともせず、堂々としたものです。 「(大塚氏の方をを見て)....お兄ちゃんが活躍する場がやってきました」
(8) NO QUARTER
 桜井氏はLes Paul No.2に持ち替えます。  大塚氏はこの日は本物ローズではなくA-33によるエレピです。中盤のキーボードソロでは  アコピの音で、栗川氏/桜井氏をタジタジとさせる程の迫力でした。 「さっき言い忘れましたけども、12月のLIVEはですね、予定は『ジョンジーちゃん大活躍  の巻』というサブタイトルがついてます。あの、ここで既成事実を作っておけば、練習せ  ざるをえませんので(笑)『今年こそ、今年こそ』と言いながら、もうね、4年くらい経  ってますからね」  Moto氏の突っ込みに、大塚氏はIn The Evening風のシンセで返します。これらの会話から  察するに、12月はアルバム「In Through The Out Door」の特集なのでしょうか?
(9) TRAMPLED UNDERFOOT
 大塚氏は気を取り直して、Clavinetでリフを弾き始めます。  過去の演奏はイマイチ息切れの気配を感じられましたが、この日はひたすらパワフルです。 「さて、(栗川氏に向かって)ボンゾの命日は何日ですか?知らない?これだから....  馬鹿野郎って言われてますよ!とっとと帰れって言われてますよ!あ、言われてないか?  という訳で、本日の主役(笑)Cookie栗川、モビーディーック!!」
(10) MOBY DICK
 大塚氏はJazz Bassを手にします。  栗川氏のソロは、素手叩きやシンセドラムによるティンパニも交え、15分以上の長丁場  をダレることなく盛り上げてくれました。ボンゾも草葉の陰でお喜びのことでしょう。
(11) DAZED AND CONFUSED
 栗川氏は水を飲んだだけで、更なる長尺曲に突入します。  桜井氏はLes Paul No.1に持ち替えます。この日の弓芸はキーキーという高域ノイズが多  く、桜井氏も弾きづらそうな様子でした。叩き技もエコーの効きが今ひとつでした。 「えー、次は最後の曲です。  こないだ、アメリカであんなことがありまして、我々のイギリス行きもどうなるかと...。  連日、戦争だなんだつって報道してる中ですね、チャンネルを変えると『ミニモニテレフ  ォン』とか(笑)あれ見て倒れてしまいまして。いかんなー、これでいいのか日本人!」  
(12) STAIRWAY TO HEAVEN
 ブルーの照明に照らされてスタートします。  余裕たっぷりの演奏に、私を含めて観客はすっかり引き込まれていました。  ギターソロは長尺ながらもオーソドックスな展開で、まさしく75年あたりの雰囲気を見事  に再現していました。  拍手喝采の中、メンバーはステージを後にします。

[Encore-1]

(13) BONZO'S MONTREUX
 Moto氏が最初に再登場しますが、「ちょっとトイレに行かせて下さい!」と会場横のトイ  レに直行。観客の笑いを誘います。  やがて他のメンバーが再登場。テレながら栗川氏が叩き出したのが、この曲です。  原曲はエフェクターを駆使した摩訶不思議なサウンドですが、この日はノーエフェクト。  わずか1分程度のショートバージョンでした。
(14) THE WANTON SONG
 Moto氏がステージに戻り、「よーし!本気だすぞ!」と気合を入れます。  桜井氏はLes Paul No.2、大塚氏は初期型Precision Bassを手に、この曲がスタート。  以前の演奏時にはエフェクターを駆使し、アルバムに近いサウンドを再現していた桜井氏  でしたが、今回はほぼすっぴんでのアプローチです。 「さぁ、終電の危ない方はとっととお帰り下さい。我々はかまわず演ります。  まだ2曲残ってます。すみません、2曲でも長いです」
(15) CUSTARD PIE
 大塚氏がキーボード席に座り、桜井氏がイントロのリフを刻むと会場がどよめきます。  ペイジ/プラント版でも省略されていた「原曲のClavinetサウンド」の完全再現です。  大塚氏はClavinetでリズムを刻み、足元でペダルベースを踏むという、まさに神業的な  プレイを披露。ファンキーでタイトな一曲に仕上がってました。
(15) WHOLE LOTTA LOVE
 大塚氏は再びテレベ型Precision Bassを手にします。  途中にThe Crungeを挟む75年お約束のパターンに、フルVocalというMR.JIMMY流のひねり  がさりげなくプラスされています。Thereminも気持ち良く飛びまくってました。
(16) BLACK DOG
 前曲の途中からOut On The Tilesのイントロを経て、この曲に突入します。  Moto氏は声を枯らしながらも、力強いシャウトを聞かせてくれます。  重厚かつ安定した演奏で、余裕たっぷりのエンディングでした。  演奏後、メンバーはステージ前に一列になって客席に挨拶し、ステージを降ります。

感想



 約2時間半のステージでした。
 選曲的にはオーソドックスでしたが、全体的にクオリティ・アップしており、メンバーの
 絶え間ない努力の成果を窺い知れます。

 個人的には大塚氏のClavinet演奏に感動してしまいました。これだけ頑張って頂けると、
 どうしても次回は「クラウズランブラ」を完全演奏!というのを期待せざるを得ません。
 いやいや、楽しみです。


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