Live at "Live Garage Adm",
Ikebukuro, Tokyo, Japan, 23th September, 1998

MR.JIMMY Live at Live Garage Adm, Ikebukuro, Tokyo, Japan, 23th September 1998
Jimmy Sakurai/Professor Otsuka/Parcy Moto/Cookkie Kurikawa


Hots on for Nowhere

開演に先立ち...


●日時

 1998年9月23日(水)

 今日はボンゾの17回目の命日(の2日前)ということで、「BONZO TRIBUTE」というタイトル
 が付けられていました。Drumsの栗川氏の選曲だそうで、いつもとひと味違うステージであろう
 ことを期待してしまいます。
 今回は「殺人ラッシュ」「☆の助's NEW HEAVEN」という2バンドとの共演で、MR.JIMMYはトリ
 での登場でした。

●会場

  LIVE Garage Adm

●メンバー

 ・Jimmy 桜井氏 (Guitar)
 ・Professor 大塚氏 (Bass/Keyboard)
 ・Parcy Moto氏 (Vocal)
 ・Cookie 栗川氏 (Drums)


SETLIST&各曲寸評

 この日はゴンザレス・N夫妻の他、小笠原さんや佐々木さん等「まじかるZEPわ〜るど」の  面々が大挙して観戦されてました。  トップバッターの「殺人ラッシュ」はフランク・ザッパのコピーという触れ込みにもかかわ  らず、何故か歌詞が日本語(笑)。サウンドは厚くてなかなかでしたが、歌になると急激に  テンションが下がるのが難でした。  2番手の「☆の助's NEW HEAVEN」はポール・スタンレーのSolo Tourコピーとのこと。  その実はノーメイクのKISSそのもので、VocalさんはKISSのコピーバンド「MAKIN' LOVE」の  ヒトでした。熱演ではあるんですが、ポールさんのギターのチューニングがどんどん狂って  くるのはちょっと...。本家がステージ中に何度もギターを替えているのは伊達じゃないハズ  ですので、せめて2曲に1回くらいはチューニングをして頂きたいなと思いました。  さて、ようやくMR.JIMMYのメンバーが登場したのは、21時30分をまわった頃でした。  桜井氏は肩から胸にかけてスパンコールがちりばめられた黒の長袖シャツにフレアのブルー  ジーンズ。首には77年でおなじみ、ブルーターコイズ(?)のネックレスをあしらっています。  Moto氏は花柄お衣装にブルージーンズ、首にはおしゃれにRobert印のネックレスです。  大塚氏は白ワイシャツに黒ジーンズ、栗川氏は黒タンクトップにブルージーンズといういで  たちでした。  この日の栗川氏の容貌が、宗教疑惑で話題の元X−JAPANのTOSHIに似ていたこと  から「TOSHIコール」が開演前からさかんにかかっていました。  ステージ右手にはZosoマーク入りのMarshall Ampが1式セットされています。レイクプラシ  ッド・ブルーのストラトキャスターが置かれているところから、後期の曲を演奏するであろ  うことが予想されます。  ただし、なぜかシンセの上にはKORGのオルガンがセットされています。ZEPPがステージでオ  ルガンを使っていたのは72年までですから、これは一体....? (1) ROCK AND ROLL  意外にオーソドックスなOpeningです。  桜井氏はティーバーストのLes Paul No.2、大塚氏はFender Jazz Bassです。  Guitar Soloの終わり方は75年以降のパターンでした。  ....何はともあれ、とにかくギターの音がでかい!耳をつんざくような大音量で、他の楽器  の音がよく聴こえないのです。特にMoto氏のVocalに関しては、全く聴こえない状態した。  最前列でアンプの正面であることを差し引いても、これはつらい状況です。結局最後までそ  の傾向は続きましたので、以降、桜井氏の演奏を中心にコメントさせて頂きます。 (2) CELEBRATION DAY  73年パターンでは前の曲からコードカッティングで繋がるお約束ですが、桜井氏は若干手数  を控えており、変わった感じの繋がりになっています。 「Vocal、もうちょいモニター上がりますか?....  今日はボンゾの命日が近いということで、BONZO TRIBUTEということで。  Cokkie栗川改め、TOSHI栗川が(笑)....、そして(大塚氏に向かって)MASAYAです(笑)。  Cokkie栗川の選曲によるBONZO TRIBUTE、MR.JIMMY LIVE、最後までよろしくお願いします」 (3) WHEN THE LEVEE BREAKS  本家Jimmyは75年TourでLes Paulを使って演奏していた曲ですが、この日の桜井氏はW-Neck  (Gibson EDS-1275)で果敢に挑戦しています。12弦側と6弦側を交互に弾き分けながらスライ  ド技を随所に盛り込んでいます。音色もフェイザー/コーラス/Echoplexを駆使しており、バ  ラエティに富んだ構成で聞き手を飽きさせません。  大塚氏のねちっこいBass Lineもいい感じです。Jazz Bassの真骨頂ですね。 (4) THE LEMON SONG  桜井氏は再びLes Paul No.2に持ち替えます。  緩急の効いた面白い構成の曲で、メンバー一同楽しんで演奏している感じが伝わります。  後半、Echoplexを使ったスラップエコーを効かせた桜井氏のプレイがよい感じです。 「えー、次は、本家Led Zeppelinも演っておりません。  MR.JIMMYも過去には演ったことがない曲を、次はチャレンジします。行ってみましょう...」 (5) HOTS ON FOR NOWHERE  桜井氏はレイクプラシッド・ブルーのストラトキャスターに、大塚氏は久々にナチュラル・  フィニッシュのArttec Bassを手にします。  果たして何を演奏するのかと注目してると....、「PRESENCE」からの意外な選曲でした。  元曲ではSoloの一部で聴けるのみですが、桜井氏は随所でアーミング技を駆使しています。  これがなかなかハマっており、「本家Jimmyもこんな風に弾いたかも知れないな〜」と思わ  せる秀逸な出来でした。 「PRESENCEの、HOTS ON FOR NOWHEREという曲で...。  いやー、呼吸が止まるかと思いました(笑)。もう、覚えるのが大変で....。  来月の23日に、いよいよCLUB CITTAのイベントがありますので。  金曜日と平日ですが、お時間の許される方は是非ともお越し下さい....。」 (6) NIGHT FLIGHT  桜井氏はLes Paul No.2に、大塚氏はKeyboard席に座ります。特徴的なハイハットの刻みで  スタートしたのは「PHISICAL GRAFFITI」のこの曲でした。大塚氏は勿論オルガンでのアプ  ローチですが、バランスが小さめのようでした。後ろで聴いてても小さかったようで、マダ  ム桜井が何やらセッティングを直しに駆けつけてらっしゃいました。 「久々に、LIVEで演奏しましたね。  次もまた、宿題の....宿題じゃないか、課題曲で。ちょっとした見世物です。  ....なんか、オフマイクで一生懸命しゃべってますね(笑)」と言って栗川氏にマイクを  向けます。 「私の選曲のわがままで、Jimmyが非常に....」苦労されたということらしいです。 (7) FOR STICKS  桜井氏はW-NECKを手にします。The Song Remains The SameのIntro風のコード弾きを入れ  てから、激しいコードストロークを掻き鳴らします。栗川氏はスティックを片手に2本ずつ  持ち、重いリズムで合せて行きます。やがて特徴的なリフに変わり、名曲For Sticksに突入  しています。大塚氏はオルガンで白玉を弾いているようですが、私の位置からは残念ながら  ほとんど聴こえませんでした。  桜井氏は2本のネックとフェイザー/コーラス/Echoplexをフルに使い、幻想的とも言える  複雑なサウンドを繰り出していました。 「今日はBONZOのTRIBUTEということで、COKKIE栗川の選曲ですので、普段あんまり演ってない  曲が多いかも知れません。その分レアとも言えますが、その分我々は危なっかしいという(笑)  非常に冷や汗でタラタラで演ってます。  さて、次はいよいよBONZOのTRIBUTEにふさわしく....(拍手)  みなさん、ここが『エックス・ジャンプ』のやり所ですよ(笑)」  会場から栗川氏に激しい「TOSHI」コールがかけられます。 「ここんところ、彼はワイドショー疲れで(笑)。じゃ、いっちゃってもらいましょうか?」 (8) MOBY DICK  桜井氏はLes Paul No.2、大塚氏はJazz Bassに持ち替えます。  栗川氏は恒例となった素手叩きを存分に盛り込み、「モントルーのボンゾ」のフレーズもしっ  かり入れてくれるサービスぶり。間に2回もスティックを飛ばしながら(^^;)10分以上に渡る  長尺のソロをこなしてくれました。  終わった後は拍手喝采!満足げにドリンクを一気飲みする栗川氏です。 「さ、次行きましょうか?(笑)(もう一回!のコールに対し)売れない漫才師みたいですね。  一日2回公演....」 (9) TRAVELING RIVERSIDE BLUES  今日3曲目のW-Neckの登場です。MR.JIMMYにとっても、96年12月20日のAdmで1度演奏しただ  けのレア曲です。桜井氏は12弦側でスライド・リフ、Solo部で6弦側を弾き分けていました。 「Traveling Riverside Bluesを、久々に....久々でもないスか、聴いて頂きました。  10月23日のClub Cittaの後にですね、11月22日に秋葉原のClub Goodmanでワンマン・ライブ  ということで(拍手)....ちょいと長いショーをやらせて頂きます。  ただ、あの....非常に....もう1バンド出るんスよ(笑)それはあの、SPEED KINGSという、  DEEP PURPLEのコピーバンドも。これまたグーですので、皆さんもお楽しみにして下さい」 (10) ACHILESS LAST STAND  桜井氏はLes Paul No.2に、大塚氏はRickenbacker 8弦Bassに持ち替えます。出だしの数小節  でBassの音が出てませんが、大塚氏はいつものように冷静に対処しています。  桜井氏はコーラスでビブラート風のアクセントを一部で入れているのが珍しいところです。  Guitar Soloの終わりでMoto氏が入りを間違えますが、その後で「何故か」全員の演奏が引き  締まるのがMR.JIMMYの面白いところです。特に栗川氏はMOBY DICKの疲れが嘘のように、終盤  で力強いドラミングを披露してくれます。 [Encore-1]  メンバーは楽屋に戻りますが、アンコールを求める拍手が鳴り響きます。  やがて大塚氏ひとりが登場し、Keyboardでおもむろに重厚なストリングス音を奏でます。  音の揺れやかすれ具合からMellotronを意識したであろうサウンドで、72年後半から73年に  かけてのアンコールパターンを再現しようとしていることが分かりました。 (11) THANK YOU  桜井氏はLes Paul No.2です。この曲をオルガンではなくMellotronのサウンドで演奏する  のは、MR.JIMMYとしては初めてではないでしょうか?桜井氏の演奏もいつになくメローで、  プログレ色の濃い演奏内容になっています。栗川氏のドラムもメリハリが効いてて良しです。 (12) THE OCEAN  大塚氏がJazz Bassに持ち替えます。  Moto氏が栗川氏にVocal Micを向けると、「じゃ、ご一緒に」という栗川氏のお言葉。 「We've done four already, but now we're steady and then they went, 1, 2, 3, 4....」  という待望のセリフ入りでスタートします。ただし!ここでトラブル!大塚氏のBassのシー  ルドがRickenbackerに刺さったままでした(^^;)流石の大塚氏も間に合わず、Introの途中  で曲が中断してしまいました。 「みなさん、ラッキーです(笑)。もう一度聴けます!  なんだ〜ツイてるな〜今日のお客さん。じゃ、次は日本語で....」Moto氏のフォローです。  再開後はリラックスした演奏で、中盤では桜井氏のVocalも聴けて和やかな雰囲気のままエン  ディングとなりました。  演奏後、メンバーに無理矢理押し出される形で、栗川氏がステージ前に立ちます。 「今日はどうも、私のマイ・リサイタルに....(笑)  最近巷で、よくテレビに出ていますので。非常に最近、よく言われるんです。  そんなにTOSHIに似てますか?....自分でもちょっと似てるかなと(笑)  Bonzoの命日のBONZO DAYということで、まぁできれば、みんな楽しんで頂ければ....。  来年も再来年も、やめてなければ(笑)やめてても見に来て下さい」 [Encore-2]  メンバーは再び楽屋に戻りますが、観客の拍手は続きます。一部ではWhole Lotta Loveを  高らかに歌ってる一団もいました。BGMもかかり、「これは演らないだろうな」と思ってい  ると、桜井氏を先頭にメンバーが再登場するではありませんか!  桜井氏は「何演る?」とメンバーに問いかけますが、 「何演る?って言って、何でW-Neckもってるんですか?(笑)」と突っ込むMoto氏。  そう、桜井氏は今日4曲目のW-Neckに挑戦しようとしているようです。  客席からは「The Song Remains The Same!!!」という声がかかります。 「そうなの?」と桜井氏に問いかけるMoto氏と栗川氏。大塚氏は相変らずCoolにJazz Bass  を構え、「何でも来い」の姿勢です。でもThe Rain Songだったら困ることでしょう(^^;) (13) THE SONG REMAINS THE SAME  結局、桜井氏が奏でたのはお馴染みのIntroストロークでした。  アンコール版ということでしょうか?これまた12弦と6弦を交互に弾き分ける、ダイナミッ  クな「桜井スペシャルVersion」を披露してくれました。 [Encore-3]  メンバーは楽屋に引き上げますが、アンコールの拍手は鳴り止みません。一部の客は再び  Whole Lotta Loveを高らかに歌っており、どうあっても「聴かずには帰らない」という雰  囲気です。そんな気配を感じてか、程なくして桜井氏を先頭にメンバーがステージに戻っ  て来てくれました。 「あの、電車の危ない方は、ホント、さっさと出て行って下さい(笑)  もう....明日休みだからって.....」 (14) WHOLE LOTTA LOVE  桜井氏はLes Paul No.2を手にし、数回ストロークをしながらツマミを操作し、音色を調整  しています。やがて弾き始めたのはWLLのIntroでした。  今日はThereminをセットしていなかったのでどうするのかと思いきや、Echoplexの発振を巧  みに用いて、かなりイイ感じでThereminサウンドをシュミレートしていました。  キメのGuitar Soloを入れて、これでYou Need Love部分を歌って終わりかと思いきや....、  Moto氏の「やるの?やるの?」という小声でのお伺いに、桜井氏は無言で続行を指示。その  ままLet That Boy Boogieに突入しました。ここに来て桜井氏は大スパーク!取り憑かれた  ように早弾きをキメまくります。    ブレークして再びMoto氏のお伺いコーナー。桜井氏は再び続行を指示したため、Moto氏は得  意のLet's Have a Partyを歌い出します。  たっぷりのインプロビゼーションを経て、ようやくYou Need Loveの雄叫びに到達。13分  もの長きに渡る、大サービスの3rd Encoreが終わりました。
感想  1時間53分!3バンド出演にしては異例の長さで、終わったのが23時半過ぎでした。  電車の関係で最後まで見れなかった方、ホントにお気の毒でした。    今回はVocalがほとんど聞こえなかった関係で、Moto氏の活躍について触れることができま  せんでした。会場の後ろで見ればそれなりにバランス良く聴こえるのは分かってるのですが、  写真がまともに撮れないですし、エフェクターの使い方などが観察できないもので。  う〜ん、同じ場所でもちゃんと聴ける日があるんですがね〜。  次回のCittaのステージには、是非期待したいと思います。
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