Live at "Music Land Key",
Shibuya, Tokyo, Japan, 30th Aug, 1998

MR.JIMMY Live at Music Land Key, Shibuya, Tokyo, Japan, 30th Aug. 1998
Jimmy Sakurai/Professor Otsuka/Parcy Moto/Cookkie Kurikawa


Stairway To Heaven

開演に先立ち...


●日時

 1998年8月30日(日)

   8月2回目のLIVEです。台風が接近しているというなにやら危な気な状況でした。
   MR.JIMMYのダイレクトメールには「Back to '72!」という意味有りげなコピーが書かれ
   ており、期待が高まります。

●会場

  Music Land Key イベントスペースKISS

   出演はStoke/Von Halen/Electric Lady Band/MR.JIMMY/の順でした。
   オムニバスCD『Art Rock Night Vol.1』がTower Recordで扱ってもらえることに
   なったそうで、今日は急遽その記念LIVE、という位置づけのようです。

●メンバー

 ・Jimmy 桜井氏 (Guitar)
 ・Professor 大塚氏 (Bass/Keyboard)
 ・Parcy Moto氏 (Vocal)
 ・Cookie 栗川氏 (Drums)


SETLIST&各曲寸評

 開場15:00ということで14:30頃にKEYに到着。エレベーターで最上階まで昇ると、既に会場の  入り口には7〜8人の列ができていました。リハーサルの真っ最中のようで、階段を各バンド  のメンバーが入れ代わり立ち代わり通っていきます。ヅラ無しのデブッチョ・リー・ロスさん  は普通っぽくて、人に言われるまで気付きませんでした(^^;)  リハーサルが終わり、なんとか入場できたのが15:30頃で、ダッシュで最前列左端をキープ。  適度にステージから離れているので撮影には都合の良い場所です。  今日はゴンザレスN氏夫妻とご一緒の観戦です。後方にはinCOMPLETE TULIP CHRONICLEの湯浅  氏やY姉がいらっしゃいました。  今回はMR.JIMMYがトリのため、他の3バンドさんをおとなしく拝見する形となりました。  トップのStokeさんはVocalマイクのホルダーは折れるは、ボトルネック用のバーを床に落とす  わ、災難続きで大変そうでした(^^;)テープ演奏に合せて口パクならぬ指パクでピアノを弾く  フリをしてたのは微笑ましかったです。(ひときわ大声で笑ってたのはゴンザレス氏でした)  Vonさんジミセンさんの相変らずの熱演が終わり、MR.JIMMYのメンバーがステージに登場した  のが19:00近い頃でした。  桜井氏は黒無地のフレアパンツに黒い細身の長袖シャツ姿です。72年〜73年初頭のスタイル  を意識されているようです。  Moto氏は袖なしのヴァイキング風衣装にブルージーンズ。首にはZEP SHOPのヒット商品!  Robert Plantモデルのネックレスが輝いていました。  大塚氏はブルー地のウェスタンシャツにブルージーンズ、栗川氏は黒っぽいタンクトップに  黒ジーンズというお姿でした。  今日は緑色のPearl製Drumsセットを全バンドで共用する形でした。(ドラはなし)  Guitar Ampは各バンドそれぞれで御自分のをセットしており、桜井氏のMarshallはステージの  一番右端にありました。キャビネットには久々にZosoマークが貼られています。  Bass Ampはこれまた各バンド共通でAmpegの大型のものを使っていました。  Keyboardはシンセの上にKorgのオルガンをセット、フットベースの音源はラックタイプの  ものを足元に置いていました。 (1) IMMIGRANT SONG  桜井氏はティーバーストのLes Paul No.2、大塚氏はFender Jazz Bassです。  Guitar Soloは71年のBBC LIVE等で聴かれるものに比べてよりスケールのでかい(言い換えれば  発散気味でとりとめのない?)フレーズになっています。72年を意識した演奏なのでしょうか?  リズムの随所で荒さが目立ちましたが、全体的に迫力のある演奏でした。  最前列という悪条件にも関らず、PAのバランスは良好でした。他のバンドが歪み気味であまり  聴きやすくなかったのに、意外です。 (2) HEARTBREAKER  間髪を入れず、この曲に繋げています。朗々と歌うMoto氏のVocalが映えます。  無伴奏Soloもほのかなリバーブがかけられており、雰囲気満点です。Les Paulが気持ち良い程  鳴っています。 (3) OVER THE HILLS AND FAR AWAY  Moto氏は「Hey, Darlin...」と歌い始めていて違和感を感じますが、6/27/72のLong Beach  音源ではRobertが確かにそう歌っていることが確認できました。う〜む。  73年以降で聴かれるような完成された形ではなく、決めのフレーズが前後する不思議な構成に  なっています。こだわりを感じる、マニア向けの演奏でした。   (4) SINCE I'VE BEEN LOVING YOU  Moto氏が「グッドイブニング!」と叫んだ後、ほぼ間髪を入れずに続きます。  大塚氏はシンセでメローなエレピをシュミレート。サビではOrganで白玉を決めています。  Soloは手数の多さに圧倒です。職人技とも言える泣きのフレーズもかなりイケてます。  終盤、シンセ(フットベース?)の調子がおかしくなったようで、ピ〜〜という甲高い音が  入っていまいました。 「(大塚氏に向かって)大丈夫ですか?  えー、今日はどうもありがとうございます。ネタはないんですが、次回のLIVEのお知らせを。  9月23日に池袋のAdmさんで、Bonzo Tributeということで...。  (栗川氏に向かって)早く曲決めて下さい。選曲はお任せですので。  是非ともまた長いショウをやりますので、よろしくお願いします。  (「長いドラムソロ?」という客席からの声に対し)もちろん!長いドラムソロ、もちろん」 (5) STAIRWAY TO HEAVEN  桜井氏はW-Neckに持ち替えます。演奏前に数回弦を爪弾き、Echoのかかりを確認しているよ  うです。大塚氏はメロトロン音ではなくOrganで白玉フレーズを演奏しています。  Soloではスタジオ盤で聴ける終盤のハモリのフレーズが面白い感じでした。 「えー、今日は72年ですか?72年を元にしまして選曲しておりますが。  あとでまたちょいと面白いものがありますんで...  面白くねぇか?(笑)俺らだけか?面白いのは(笑)  あとでちょいとやりますんで」 (6) DANCING DAYS  大塚氏はJazz Bass、桜井氏はチェリーサンバーストのLes Paul No.1を手にします。  MR.JIMMYとしてはあまり演奏しないレア曲です。厚みのある演奏で、以前聴いたものより  断然良い感じに仕上がっています。 「えー、最後の曲になってしまいました。(えー!という声に)でも長いよ(笑)  こっからが本番と言っても過言ではありません....  じゃ、いかりやさん、後半行ってみましょう!」顔をしかめる桜井氏です。 (7) WHOLE LOTTA LOVE  桜井氏はLes Paul No.2に持ち替えます。ツマミを調整して2、3回音出しした後、おもむろ  にIntroを繰り出します。  Thereminパートでは最初なかなか音が出ず、桜井氏はツマミと格闘しながらPAさんに指示を  出しています。ようやく出た音は「ヒュ〜〜ン」と浮揚感漂う音色で、力強さには欠けます  がなかなか面白い感じです。  Everybody Needs Somebody to Loveのリフの後、キメのSoloを経てLet That Boy Boogieへ。  桜井氏のギターと掛け合うMoto氏のVocalが冴え渡っています。  Let's Have a Partyではいつもと少し異なるブレークを披露しています。更にファンク調の  2曲(曲名は不明!)を演奏し、Heartbreak Hotelを経てエンディングへと繋げています。 (8) ROCK AND ROLL  WLLと間髪入れずにメドレー形式で演奏されています。Introで栗川氏がスティックを飛ばし  て一瞬ヒヤリとするシーンがありましたが、重厚かつスピード感のある演奏です。  最後の「ロンリロンリ」の歌詞を、Moto氏はいつも以上にパワフルに叫んでいました。  残念ながら、この日は珍しくアンコールなし。ファンとしては少々物足りなさが残りました。
感想  約1時間強の短いステージでした。  なぜか「MR.JIMMYはKEYではアンコールがかからない」というジンクスがあるようで、これは  是非とも挽回していただきたいものです。  演奏としてはなかなかの熱演だったと思います。Moto氏は朗々と歌い上げて、アドリブをガン  ガン入れてましたし、桜井氏は流れるような速弾きを随所に盛り込んでいました。  72年というマニアックな年代の演奏の再現を、メンバーが楽しみながらやっているのを感じら  れました。  強いて文句を言えば、栗川氏に精彩がなかった気がします。借り物のDrums Setだったからか  も知れませんが、フレーズの細部で荒さが目立ち、手数もあと一歩という感じでした。  次回は是非とも頑張っていただきたいと思います。
考察  さて、今日のステージは「Back to '72!」というタイトルがついてましたが、  本家ZEPPが演奏していたどの時期にあたるのか「むりやり」考察してみましょう。  (1)Over The Hills Far Away/Dancing Daysが演奏された    アルバム「Houses of The Holy」収録のこの2曲が初演奏されたのは、6/19/72のSeattle    公演と言われています。よって、6/12/72以降の演奏と言えましょう。  (2)OpeningがまだImmigrant Songである    Rock and RollがOpeningとなるのは御存知72年10月、2回目の日本公演からです。    上記2曲が演奏され、かつImmigrant SongがOpeningというのは、日本公演以前の72年    8th US Tourしかありません。  (3)Stairway to Heavenの白玉キーボードがオルガンである    72年10月の日本公演からはお馴染みMellotron 400Sで演奏されてます。  以上の3点より、この日の演奏は「72年6月の8th US Tourの頃」だと特定可能だと思います。  更に!演奏日まで特定しようとすると....。  (4)Immigrant/Heartbreaker/Over The Hillsの曲順で演奏された    この曲順で演奏された日は、72年6月25日のLA公演しかありません。      MR.JIMMYのメンバーがどこまで意識して演奏されたかは不明ですが、こうして調べていくと  実にZEPP道の勉強になります。みなさんも、MR.JIMMYで己の知識を再確認しましょう。