Live at Live Garage Adm,
Ikebukuro, Tokyo, Japan, 27th Aug. 1996

MR.JIMMY Live at Live Garage Adm, Ikebukuro, Tokyo, Japan, 27th Aug. 1996
Jimmy Sakurai/Professor Otsuka/Parcy Moto/Bonzo Otobe





開演に先立ち...

 8月の、3回目のLIVE!いや〜、タイトなスケジュールです。  約2カ月ぶりの本拠地でのLIVEであり、どのような展開になるか期待して臨みました。  当日は「ある事情があって〜(by 小林麻美、って知らないかー)」会社を御休みでき  たため、またまたリハから拝見させて頂きました。 ●日時  1996年8月27日(火) ●会場   LIVE Garage Adm    当日は、ジミ・ヘンドリックスのコピーバンドである"Electric Lady Band"とのジョ    イントであり、MR.JIMMYが後に登場する形式でした。 ●メンバー  ・Jimmy 桜井氏 (Guitar)  ・Professor 大塚氏 (Bass/Keyboard/Guitar)  ・Parcy Moto氏 (Vocal)  ・Bonzo 乙部氏 (Drums)  「初期のナンバーを中心に演ります」という前情報を聞いていましたが、リハを見学した  限りでは展開が想像つかない状態でした。

SETLIST&各曲寸評

 最前列は私を含めて「いい歳をした男性陣」が固めていました。  19時半過ぎにElectric lady Bandさんのステージがスタート。黒塗りのJimiさんが  ストラトをバリバリに弾きまくっています。Bass/Drumsもタイトなリズムです。  最後はギターを燃やすパフォーマンス!消防法は大丈夫なのでしょうか?  セットをチェンジし、MR.JIMMYのメンバーがステージに登場したのは21時半を大きく  回ってました。  さて、注目の桜井氏の衣装は白シャツの上に薄茶のベストというシンプルなもの。  初期LIVEでのJimmyの衣装(というより普段着?)をお洒落にアレンジした、という感じ  でしょうか?ストラップもいつもと違うサイケなタイプです。  大塚氏も柄物のシャツなぞを着て、いつも以上にお洒落。Percy氏は袖なしのワイルドな  衣装。乙部氏は頭にバンダナを巻き、上半身ハダカで気合が入っています。 (1)IMMIGRANT SONG  導入tapeはなし。いつもより長い音出しの後、いきなりのオープニングです。  Percy氏のVocalが若干OFF気味なのが気になりますが、その他の楽器のバランスは良好です。 (2)HEARTBREAKER  ZEPPの定石通り(?)、2曲めはこの曲です。  Vocalは聴こえるようになりましたが、今度は桜井氏のリフが随所で外れてちょっとアレレな  感じです。ただし!ブレークからのギターソロで一気に盛り返してくれます。 (3)OUT ON THE TILES〜BLACK DOG  乙部氏のカウントの後、Out On The TilesのリフからBlack Dogへ突入。  Percy氏のVocalはキーを下げず、ひたすら高いキーをKeepしてます。  リズムは全体的にタメが少なく、突っ込み気味な感じです。 (4)SINCE I'VE BEEN LOVING YOU  大塚氏が冒頭ではシンセによるローズ・ピアノを、サビではオルガンを演奏しています。  '72年中盤以降のツアーではローズピアノだけになりますので、初期公演のみの貴重なVersion  です。後年Versionに比べ、よりメローな雰囲気です。  桜井氏のギターはリバーブをPA側で全くかけず、生っぽい音です。 (5)DAZED AND CONFUSED  ついにこの大曲の登場です。大塚氏のベースランで始まるIntroが重厚です。  桜井氏のワウも流暢に決まっており、中盤ではお約束の弓弾きを披露してくれます。  曲中、ギターの音色が目まぐるしく変化するところが聴き所でしょう。  Percy氏との掛け合い部分も見事に決まっており、まさしく観客は『幻惑されて』しまった  状態でした。いわゆる"San Francisico"のパートがない初期Versionで、最後はドラの音で  締めくくりでした。「今日はこれくらいで許してやろう!」というMCがウケてました。 (6)STAIRWAY TO HEAVEN  大塚氏はオルガンでの演奏です。  スタジオ盤に比較的忠実な短めのギターソロで、ソロ前のコードカッティングの途中で12弦  から6弦に切り替えていました。初期のブート等では確かにそんな感じに聴こえてましたね。 (7)WHAT IS AND WHAT SHOULD NEVER BE  桜井氏のスライドプレイが堪能できます。金属のバーを中指にはめてのアプローチです。  冒頭、リズムが合わないところがありますが、エンディング近くではなかなか盛り上がって  いました。 (8)COMMUNICATION BREAKDOWN〜GOOD TIMES, BAD TIMES〜WE'RE GONNA GROOVE  Communication BreakdownのIntroで桜井氏はピックの端で弦を連打し、トリッキーなサウンド  を出しています。  メドレーでGood Times, Bad Timesに続きます。前回の演奏時に比べて多少緊張感に欠け、  サビの部分は相変らず力が抜けた感じに聴こえました。  前曲のリズムのままWe're Gonna Grooveのギターカッティングが再三繰り返されますが、  なかなかIntroに移行しないのがちょっともどかしい感じです。  この曲もリズムに切れがなく、散漫な印象なのが残念です。 (9)MOBY DICK  さあ、乙部氏のオンステージです。  今回はフェイザー等のエフェクトはなく、すっぴんでのパフォーマンスです。  (私個人はアレも悪くない、と思ってますけど)  ただし、お楽しみの素手プレイでは「イテテ〜!」という効果音も!(これは違う?) (10)WHOLE LOTTA LOVE  いきなりIntroに入る初期Versionです。  この日のテルミンは『ヒュ〜ン』という感じではなく、『ギュルルルル〜』という太い感じ  の音です。  Everybody Needs Somebody To Loveの後、決めのソロ。ちょっと変わった、フェイザーが  かかったような詰まった音です。さて、これはどのような方法で?  Let's That Boy Boogieでは相変らずヘビーなリズムを決めてくれます。  Baby I Don't Care, Let's Have A Party, I Cant Quit You, Babyと盛り沢山!  最後はドラの連打で締めくくってます。ふ〜、充分堪能させて頂きました。 [Encore] (11)THANK YOU  Intro前に大塚氏がオルガンソロを披露。冒頭ノイズがバリバリ出てます。音色はかなり  固めで生っぽい感じです。(ジョンジーのオルガンもチープな音でしたが...)  そしてとうとうあのIntro!ギターは本家よりハードな音色でのアプローチです。  Percy氏のVocalも元曲から離れて自由な唄いまわしになってます。  残念だったのは、リズムの決めが随所で合ってなかったのと、後半の構成が怪しげだった  ことです。 (12)ROCK AND ROLL  これまた初期Versionということで、'73年以降の聴き慣れたオブリガードのないシンプル  な演奏でした。これは、今日のコンセプトからすると正しい選択なのでしょう。  今日のジャンプはバッチリ!飛距離も充分でした。
●感想  今回は71〜72年あたりの公演をイメージしたsetlistであり、日本初来日公演あたりを  好きな人にとってはたまらない構成だったと思います。  アンコールを含めて2時間近いステージであり、長尺の曲も充分に堪能できました。  客観的に見れば、意欲的なメドレーや初期Versionにこだわったアレンジ等、テクニカル  で面白いステージであったと思います。  ただ、マニアとしてまだ枯れていない私個人から言えば、この時期のアレンジは多少野暮  ったく感じるところもある訳でして。まあ、好みの問題ですから...。  乙部氏のプレイは前回に比べまとまっていましたが、その分あのワイルドさが抑え気味  に感じられました。次回以降はどんな展開になるのでしょうか?  Thank Youで一瞬垣間見た、元曲に縛られないワイルドなアプローチ。ここにMR.JIMMYの  可能性を感じ取れた一夜でした。