Live at "Live Garage Adm",
Ikebukuro, Tokyo, Japan, 2nd August, 1998

MR.JIMMY Live at Live Garage Adm, Ikebukuro, Tokyo, Japan, 2nd August 1998
Jimmy Sakurai/Professor Otsuka/Parcy Moto/Cookkie Kurikawa


Sick Again

開演に先立ち...


●日時

 1998年8月2日(日)

 まだ梅雨明けならぬ、む〜とした熱気の日曜日の公演でした。
 今回はAdmがリリースしたオムニバスCD「Art Rock Night Vol.1」の発売記念LIVEという
 ことで、共演はQueenコピーバンドのStokeとElectric Lady BandさんVon Halenさん。
 MR.JIMMYは嬉しやのトップバッターでの出場です。

●会場

  LIVE Garage Adm

●メンバー

 ・Jimmy 桜井氏 (Guitar)
 ・Professor 大塚氏 (Bass)
 ・Parcy Moto氏 (Vocal)
 ・Cookie 栗川氏 (Drums)


SETLIST&各曲寸評

 17時開場ということで16:30頃会場へ。整理券は5番でした。  「リハが押してまして、MR.JIMMYのリハはこれからなんですよ。開場は17:15過ぎになると思  います」とのお答えで、ぶらぶらと時間をつぶして17:15ジャストにAdmへ。これからがまた長  くて、風通しの悪い地下の階段前で汗だくになりまして、ようやく開場になったのが17:50頃。  いや〜、今年一番の猛暑体験でした(^^;)  最前列は残念ながら埋まっており(5番なのに....)、仕方なく2列目右側に甘んじてしまい  ました。ここだと写真を撮るには前のヒトの頭が邪魔なんですよね〜。  さて、今日の観戦メンバーは沼田大先生と「Jimmy大好き」Y姉さまでした。  ビールを飲みながら涼んでいると、間もなくMR.JIMMYのメンバーがステージに登場します。  桜井氏は黒の長袖シャツに赤いフレアパンツ。(「今日は赤パンね」by沼田先生)首には黒地  にラメの入ったベルトのようなものを巻いています。マニアの方には「75年LA風のあれ」と言  えばお分かりかと思います。  Moto氏はエンジ色のベルベット長袖にブルージーンズ、大塚氏は花柄の長袖シャツに黒いベス  ト(下は多分ブルージーンズ)、栗川氏はなんと黒地に白い花が咲いたアロハシャツにジーン  ズといういでたちでした。  ステージ左手のKeyboardの上には往年のアナログシンセ、Sequencial Circuit社のPro-One  がセットされていました。同社のProphet-5が有名ですが、本機もモノフォニックの名機です。  右手のMarhsallはAmpとキャビットがひとつづつ。キャビネットにはZosoマークなしです。  マイクが立って無いので不審に思ってましたが、これには理由があったです。(後で御説明し  ます) (1) ROCK AND ROLL  オープニングはオーソドックスにこの曲です。  桜井氏はティーバーストのLes Paul No.2、大塚氏はFender Jazz Bassです。  ややスローテンポでリズムの重い73年風の演奏ですが、Guitar Soloの終わりだけは律義に  75年の弾き方になっていました。  Moto氏は絶好調のようで、艶やかな声で伸び伸びと歌い上げています。  今日のPAは良好で、Drumsが音圧を肌で感じる程なのにVocalがよく聞こえています。 (2) SICK AGAIN  The RoverをIntroに挟まない、75年のパターンです。頭でシンバルのタイミングが外れ、  栗川氏は苦笑いしてました。  ここ数回の77年風ステージでは8弦Bassを使ったゴリゴリの音でしたが、Jazz Bassによる  甘くねちっこい音色もまた良しです。  グッドイブニングのひと声の後、Moto氏のご挨拶です。    「どうもこんばんわ、MR.JIMMYでごさいます。先週もやりましたけど、また今週も....。   (風邪治った?の声に対し)あ、いや、大丈夫です。ここんところ健康ですから(笑)。   早めの葛根湯が.....あと喉スプレーですね」 (3) IN MY TIME OF DYING  桜井氏はDan Electroに持ち替えます。Introの後ろで大塚氏が音出ししてるのがちょっと  興ざめです。「ギラギラした安っぽい音」というのが私の抱くこのギターのイメージなの  ですが、前回のお披露目の時とほぼ同様の丸い感じの音でした。  最後にYou Shook Meの1フレーズが挿入されるという、MR.JIMMYお得意の構成でした。  「なんか今日こころなしか、私の位置が広いような気がしますけど(笑)   なんかいつもはここらへんまで、半径、半歩っていうくらいしかないんですけど。   今日は何故か....何故でしょう?」   ステージの前に木製の台が足されて、実際に広くなっていたようです。 (4) THE SONG REMAINS THE SAME  今日はシンセ・パッドによるティンパニは無し、Drumsのオカズも少なめです。  大塚氏はピック弾きで細かいフレーズを繰り出しています。 (5) THE RAIN SONG  メドレーで続きます。ここでも大塚氏がストリングスやフットベースの音を試し出ししてた  のがちょい気になりました。  今日はGuitarにも程よいリバーブがかかっていて聴きやすいです。  残念なのは大塚氏のシンセとフットベースのコンビネーションが今イチだったことで、特に  フットベースはサスティーンが効いてなく、薄い音に聞こえてしまいました。  「ありがとうございます。   え〜、実は昨日、都内某所でAC/DCのコピーバンドで、ここAdmさんでちょくちょく出てま   すBIG GUNっていうのを観ました。あの、私が高校生時代、洋楽に目覚めるのが遅かった   んですけど、2番目に好きだったのがAC/DCでして。   昨日、それを観てたら思わず燃えてしまいまして(笑)。ART ROCK NIGHTっていうのはこ   ういうものだったんだなと実感しまして。ずっと一緒に歌ってたんですけどね(笑)   いや〜、あの、曲目が若干新しめだったんで、ちょっとアレだったんですけど。   みなさんもこのART ROCK NIGHTをですね、そのように楽しんで頂ければよろしいかなと..。   素晴らしいMCでしたな(笑)。珍しく長いMCでしたけど(笑)」 (6) THE WANTON SONG  MR.JIMMYとしてはレアな曲ですが、75年セットであればうなずける選曲です。  バスドラのオカズがPage/Plantをほうふつさせて思わずニヤリです。桜井氏もリフの一部と  Soloでショワショワの音にしており、Page/Plant風です。  「唐突にWanton Songを挟んでしまいましたけど....この後、どうしたらいいんだ(笑)?   MR.JIMMY、次回は....8月30日に渋谷の楽器屋さん『KEY』の6階でまたやらせて頂きます。   よろしかったら、また....」 (7) TANGERINE  桜井氏はW-Neckに持ち替えての演奏です。75年Earls Court Versionをほうふつさせますが、  コーラスは残念ながら無しです。12弦側でコードストロークをこなし、Solo部では6弦に切  り替え、スライドプレイを聴かせてくれてます。Moto氏は毎回この曲のサビで独自の歌いま  わしをしてますが、個人的にはオリジナルの方が....。    「9月23日のBonzoの命日に、こちらAdmさんでTributeをやらせて頂きますけど。   その時のさわりということで、Cokkie栗川です....。   モビ・ディーーック!」 (8) I'M STILL THERE/MOBY DICK  桜井氏はLes Paul No.2に持ち替えます。始まったのはお馴染みのMoby DickでもOut on  The Tilesでもなく、オムニバスCD『ART ROCK NIGHT Vol.1』に収録されていたMR.JIMMY  オリジナル曲"I'm Still There"です。Heavyなリフの曲ですが、今回はVocalなしのインス  トのみでDrums Soloに繋げています。栗川氏は相変らずの熱演で、今日も素手叩きを披露し  てくれます。最後はMoby Dickのリフでエンドでした。  「今のイントロはART ROCK NIGHTのCDで我々がやっておりますI'm Still Thereという曲   のリフでございまして.....まぁ、どうでもいいんですけど(笑)   歌関係なかったから、どうでもいいんですけど(笑)。   よかったら、ね?そのCDも聴いてみて下さい」 (9) STAIRWAY TO HEAVEN  いや〜、Keyboardの音がいい!Mellotronの物悲しい音を見事に再現しています。  Guitar Soloは枯れた感じの音で、若干艶に欠けた感じです。  Rock SectionでのMoto氏のシャウトが圧巻で、曲の終わりはバッチリ締めてくれました。  「えー、最後の曲となりました。我々の後にも3バンド....。最後までお楽しみ下さい」 (10) WHOLE LOTTA LOVE/THE CRUNGE/BLACK DOG  桜井氏はLes Paul No.2を再び手にします。大塚氏がピック弾きするJazz Bassもここに来  てマイルドかつ伸びやかな良い音で鳴ってくれてます。  Vocal入りのThe Crungeを挿入後、Theremin Soloへ。今日は感度が良いようで、桜井氏の  操るがままにヒュンヒュンと鳴っています。  その後はリフ大会で、ナイスなリフをこれでもか!という風に立て続けに演奏しています。  Everybody Needs Somebody to LoveのリフからOut on The TilesのIntroを経て、なんと  フルVersionのBlack Dog。75年のEncoreパターンを踏襲しているようです。 [Encore]  メンバーは楽屋に戻りますが、アンコールを求める拍手が鳴り響きます。  栗川氏はQueenの「We Will Rock You」のDrumsを叩き、桜井氏がフィードバックで絡んで  場内大笑い。  「栗さんもいいボケしますね」とはMoto氏のコメント。 (11) COMMUNICATION BREAKDOWN  桜井氏はAchillesのIntroを奏でて拍手喝采を浴びますが、実際に弾き始めたのはEncore  ではお馴染みのCommunication Breakdownでした。  桜井氏は小技の効いたフレーズを随所に挿入しており、大塚氏がナイスフォローでそれに  追従しています。Guitar Soloではトレモロのような細かいビブラートがかけられてました。  おそらくはピッチシフターによるものだと思います。    怒濤の盛り上がりのまま、エンディングとなりました。
感想  約90分という、4バンド出演にしては長めの演奏でした。  75年をベースにした比較的オーソドックスな構成で、演奏の方も手堅い印象でした。    今回のLIVEは「オムニバスCD発売記念」と明確にうたっており、なんらかの形で収録曲を  演奏せざるを得ないだろうと予想していました。  CD収録曲(I'm Still There/Bake My Cake)はあくまで桜井氏を中心とする4人のメン  バーによるオリジナル曲であり、Led Zeppelinと切り離して聴くことでその良さを正しく認  識できる作品だと私は思っています。ZEPPの作品と一緒に演奏することにより、「似ている  /似ていない」という、楽曲とは別の次元で評価されることを危惧していました。  そういう難しい状況の中、彼等は実にうまいやり方でオリジナル曲(さわりだけですが)を  演奏してくれました。MR.JIMMYファンとしてはひと安心です。  ステージ終了後、桜井氏と大塚氏からお話を伺うことができました。
楽屋話 本多:「今日のPAは聴きやすかったですよ」 桜井:「あ、今日ステージに置いていたMarshallのキャビネットはダミーだったんですよ。     実際はステージ脇に、Drumsの方に向けて置いてたんです。それでPAのバランスが     良かったんじゃないでしょうか?」 本多:「う〜む、それは狭い会場ならではのアイディアですね」 桜井:「あと、全体的にPA側でリバーブを薄くかけてもらいました。本多さんによく指摘さ     れてましたよね?(笑)」 本多:「恐縮です(^^;)確かにThe Rain Songはいい感じでしたよ」 桜井:「テルミンはどうでした?感度がかなり高くなるように改造しまして、離れてても音が     出るようになったんです」 本多:「確かにいい感じで鳴ってましたね。見てて気持ちいいくらい(笑)」 本多:「Pro-Oneがセットされてたのに使ってませんでしたね?」 大塚:「いえ、あれはフットベースの音源に使ってたんです。やっぱり本物のMoog Taurusに     はかないませんね」 本多:「CDは2曲のみの収録でしたが、実際にはもっと録音したんじゃないですか?」 大塚:「いえいえ、あの2曲だけで精一杯でした。あれだけで2ヶ月くらいかかったんですよ」 桜井:「私の家にずっと泊まり込みでね(笑)もう大塚さんはヨレヨレになっちゃいまして。     私がドクターストップかけたんですよ。これ以上頑張ると危険だって」 本多:「アナログ・マルチトラック・レコーダーをわざわざ購入されて今回の録音に臨んだそ     うですが、最終的には何のメディアにトラックダウンしたんですか?」 桜井:「DATです。でもやっぱり元がアナログなんで、ドラムとか良い感じでしたよ。     でも他のバンドがオール・デジタルだったんで、あんまり音が違うとまずいって(笑)     それで、結構トラックダウンには苦労しましたよ」 本多:「アンコールの曲目は、どの時点で決めてるんですか?」 大塚:「アンコールがかかってからですね。たいていはJimmy(桜井)が決めます。     でも今日はImmigrant Songって言ってたんですよ!(笑)これはあせりましたね」 桜井:「そうだっけ?Immigrantって言った?(笑)」 大塚:「AchillesのIntroをちょこっとやったんで、Communication BreakdownのIntroも     遊びだと思ってたんですよ。それが、そのまま弾き続けるんで....」 桜井:「一瞬『Achillesをこのまま演ろうかな?』とも思いましたね」 本多:「それをやめた時点で、何を演奏するか分からなくなってしまったんですね(笑)」
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