MR.JIMMYのメンバーが登場したのは19時半頃。
Moto氏は青地の袖なしヴァイキング風ジャケット。腰には太い皮ベルトを締めています。
大塚氏は青のウェスタンシャツにブルージーンズ。栗川氏は映画「永遠の詩」のイラスト入り
の黒Tシャツにブルージーンズ姿でした。
そして桜井氏は....両腕に金糸の刺繍と左胸に赤いケシの花の刺繍が入った黒いジャケットに
左腿に金糸のドラゴンの刺繍が入った黒いパンツという、73年MSG公演で本家が着ていたのと
ドンズバ衣装での登場です。首には金の細いネックレスが確認できます。
この日の桜井氏のセッティングはMarshallセット(ヘッド1+キャビネット1)を2式。左側
のキャビネットのサランはグレーのオールドタイプで、前面にはZosoマーク入り。右側のキャ
ビネットは紫色で、サランは茶色でした。各ヘッドの上にはEchoplexが1台ずつ設置されてい
ます。ステージ脇にはThereminもありありです。
ステージ左の大塚氏のキーボード席は、正面に向かってFender Rhodes Stage Piano。その右
側にはMIDIコントローラROLAND A-33がL字型に設置されています。Rhodesの上にはマエスト
ロ社製のPhase Shifterがしっかり置かれています。Bass AmpのヘッドはおそらくAMPEG製で、
キャビネットはアコースティック製と思われます。
栗川氏は佐々木氏所有のLudwigアンバー・ビスタライトです。背後にはドラが設置されていま
した。
(1) ROCK AND ROLL
桜井氏はLes Paul No.1、大塚氏はJazz Bassを手にします。
リズムが重厚な73年版のアレンジです。Moto氏も珍しくVocalのキーを下げて歌っており、「永
遠の詩」のRobertの雰囲気をサービスしてくれてます。
1月の同会場ではギターのハウリングが気になりましたが、今日はバランスもバッチリで聴き
易い感じです。
(2) CELEBRATION DAY
前曲のCODAから繋がる、73年USツアーならではの曲順です。
迫力ある演奏なのですが、桜井氏のフレーズがやや荒削りで、いつもの流れるような感じに欠
けています。
(3) BLACK DOG
BRING IT ON HOMEのIntroから入るVersionです。
73年の本家RobertはROCK AND ROLL同様キーを下げて歌っていましたが、Moto氏はあえてレコ
ード通りのオリジナルキーで臨んでいます。
「こんばんわ、MR.JIMMYです。....次!」
(4) OVER THE HILLS AND FAR AWAY
桜井氏のIntro/Outroのピッキングの荒さが毎回気になっていた曲ですが、この日は非常に丁寧
な演奏です。栗川氏も果敢に小技を繰り出しており、非常にスリリングな展開です。
「えー、今日は大勢お運び頂いて、ありがとうございます。
私もですね、野球もバスケットもやっているというのに、歌っている場合じゃないんですけ
ど(笑)。
(大塚氏の方を見て)また始まりました!(笑)」
(5) MISTY MOUNTAIN HOP
Moto氏が揶揄したのは、大塚氏が小さなステージには不釣り合い合いなデカさのStage Piano
に座ったからです。実際、PAスピーカーに隠れて、客席からPianoの半分しか見えません(^^;)
LIVE盤/映画両方とも未収録の曲ですが、73年USツアーはこの位置で演奏されています。
(6) SINCE I'VE BEEN LOVING YOU
前曲のCODAからいきなりハードなギターインプロビゼーションを経て始まる、これまた73年
USツアーならではのドラマチックな展開です。映画「永遠の詩」では前曲がCUTされていまし
たから、オリジナルの曲順で聴けるのは嬉しい限りです。
特筆すべきはMoto氏のVocalで、情感あふれるシャウトに観客は引き込まれてしまいました。
「Jimmy Page, Guitar!!(拍手)」
(7) NO QUARTER
わずかな静寂の後、大塚氏が弾き出したのがこの曲のIntroです。Stage Pianoにフェイザー
を通し、不思議な浮遊感をリアルに再現しています。Moto氏のVocalにもたっぷりとエフェク
ターがかけられており、まさに「永遠の詩」の世界です。(馬で走るジョンジーの姿が....)
桜井氏のギターソロも白熱もので、一発テルミンも伸びやかに決まりました。(感度が良す
ぎて、数小節前から反応してましたが)
「という訳で、MR.JIMMY、次回はですね、9月23日、池袋Admさんのところで。
また、ワンマンですね?(桜井氏を見て)ワンマン。ご用とお急ぎでない方は、いらっしゃ
いませ...」
(8) THE SONG REMAINS THE SAME
桜井氏はカスタムW-Neck、大塚氏はJazz Bassに持ち替えます。
77年版に比べるとやや地味なアレンジが好みの分かれるところですが、カッチリとした手堅
い演奏です。ただし、桜井氏のギターがハウリングを起こしていて、立ち位置をさかんに気
にしながらの演奏だったのが残念です。
(9) THE RAIN SONG
前曲のCODAから繋がるお馴染みの構成です。
桜井氏のギターには軽くリバーブがかけられており、大ホールの雰囲気が良い感じです。流
れるようなピッキングも特筆ものです。
中盤以降の栗川氏のバッキングも分厚く、全体的に素晴らしい出来の演奏となっていました。
「大塚さん、今日は上原ですか?歌ってる場合じゃないですよね?
今日はレイカースとブレイザースもあるんですよ、まずいなぁ。
という訳で、しょうがないなぁ!長いやつを演るか!73年恒例の。
(水を飲んでいる桜井氏に向かって)先生、十分水分を補給して!お願いします」
(10) DAZED AND CONFUSED
大塚氏はJazz Bassに、桜井氏はLes Paul No.2に持ち替えます。
お約束の弓弾きも滑らかで、高価なオールドギターをバシバシと調教する桜井氏の姿は神々
しくすらあります。弓が切れてヒラヒラと垂れ下がる様は、プレスリーのようでもあります。
この日は演奏もノリにノって、結局約30分という長尺となりました。
「本日はですね、我々のLIVEのサポートしてくれてます(VON HALENの)エーデー・ボン・ヘイ
レンさんがそちらに...(PA席を指さして)。色々情報をお聞きしたい人は、後で直接どうぞ」
(11) STAIRWAY TO HEAVEN
桜井氏はW-Neckに持ち替え、大塚氏はキーボード席に座ります。ギターソロは「永遠の詩」収録
の7/27/73 MSGでのTAKEにほぼ忠実です。強烈にフェイズアウトしたその音色は、前に使用して
いたGibson製レプリカとはひと味違うリアルさです。ボディをフルスクラッチしてまで追求した、
桜井氏のマニア魂が光ります。
「それでは、栗川先生。今日も一日、お仕事ご疲れ様でした。
仕事の後のLIVEは嫌ですね。今日、私、休みです(笑)ピンピンしてます。
もうね、角兵衛獅子のように働いていますけども、栗川先生、大丈夫ですか?
(「大丈夫!」という栗川氏の声に)じゃ、20分くらい、じっくり演って頂きますか(笑)
Cokkie栗川、モビ・ディーーク!!!」
(12) MOBY DICK
冒頭のMoto氏の雄叫びにはエコーが深くかけられるのが常ですが、なぜか全くのドライのまま。
メンバー/観客ともコケた状態で曲に突入しています。最初のリフのパートもバラバラで、結構
痛い状況です。
その代わり、栗川氏の素手叩き/シンセドラムありのソロプレイはひたすら力強く、仕事疲れを
全く感じさせない迫力でした。程良くかかったフェイザーも良い感じです。
(水を飲む栗川氏に向かって)「栗ちゃん、ぐーーっとね!」
(13) HEARTBREAKER
ドラムのフィルインから始まる、73年特有の展開です。
さらにフェイザーが軽くかかっているのは、73年USツアー後半のお約束です。
(14) WHOLE LOTTA LOVE
前曲からドラムのフィルをはさんで繋がる、これまた73年USツアーならではの展開です。
快調なテルミン技の後、EVERYBODY NEEDS SOMEBODY TO LOVEのリフへ経てギターソロへ。
LET THAT BOY BOOGIEのパートで盛り上がってLET'S HAVE A PARTY/HONEY BEEと来てエン
ディングとなりました。
拍手喝采の中、メンバーはステージを後にします。
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