Live at "Los Angels",
Harajuku, Tokyo, Japan, 31th May, 1998

MR.JIMMY Live at Los Angels, Harajuku, Tokyo, Japan, 31th, May, 1998
Jimmy Sakurai/Professor Otsuka/Parcy Moto/Cookkie Kurikawa


Whole Lotta Love

開演に先立ち...

●日時  1998年5月31日(日)  Led Zeppelin専門店"ZEP"が主催する「開店3周年&Bonzoの生誕50周年記念」という  イベントへのゲスト出演という位置付けです。女性3人組バンド"THE NEWS"との共演  です。  開場は18:00の予定が伸びに伸び、18:20を過ぎた頃にようやく入場できました。  入ってみてびっくり!いわゆるオールスタンディング制で、座席が無いのです(^^;)  私を含む前列を固めた熟年層の常連はしばらくは躊躇していましたが、意を決して  「ひとりまたひとり」とフロアに体育座りの体制に移行し始めました。  司会のZEP河野店長がトップバッターのTHE NEWSさんを紹介する頃には、店内の半分  近い客が床に座り込んでいるという、ある種異様な状況となっていました。  今日の観戦メンバーは沼田先生/ビート佐々木氏/アダルティー榊原氏で、後方には  "In The Mood"中村嬢/さんだるばっき〜井上氏もいらっしゃいました。  ステージ後方には「CELEBRATION DAY」と書かれたのぼりやZEPPの各種ポスターが  貼られており、お祭り気分を盛り上げています。 ●会場  原宿 LOS ANGELS ●メンバー  ・Jimmy 桜井氏 (Guitar)  ・Professor 大塚氏 (Bass/Keyboard)  ・Parcy Moto氏 (Vocal)  ・Cookie 栗川氏 (Drums)

SETLIST&各曲寸評

 THE NEWSはインディーズながら多くのCDを出しているプロのバンドであり、3人編成であ  ることを全く感じさせない程の音の厚みがありました。  今回はイベントの趣旨に合せ、I Can't Quit You/WLL等のZEP曲を織り混ぜていました。  エコーとグリッサンドを駆使して、Thereminのサウンドを再現していたのもなかなか興味  深かったです。  THE NEWSのメンバーがステージを降りたのは19:30頃。機材チェンジ等を挟み、MR.JIMMY  のメンバーがステージに登場したのは19:40頃でした。  桜井氏の衣装は左胸に花の刺繍をあしらった黒い長袖シャツに星柄パンツです。  Moto氏は花柄長袖のRobert風上着にブルージーンズ、大塚氏は青地のウェスタンシャツ  にブルージーンズ、栗川氏はラスタな縞柄のシャツにブルージーンズ(多分)という衣  装でした。    桜井氏の後方にはMarshallとRolandのAmpがセットされていました。RolandはTheremin  用だと思われます。EchoplexもそれぞれのAmpの上に1台ずつ置かれていました。 (1)ROCK AND ROLL  司会の河野氏の紹介に続いて始まったのはお馴染みのナンバーです。  狭い会場ですが各楽器のバランスも良好で、Vocalもきちんと聞こえています。ただしPA  でリバーブ等を殆どかけておらず、残響のないドライな音です。  桜井氏はティーバーストのLes Paul No.2、大塚氏はおニューのJazz Bassです。  栗川氏は73年風に手数少なめで重厚なリズムを繰り出しています。序盤で一発リムを叩い  てしまい、大塚氏の方を向いて苦笑いしてたのは御愛敬です。  Motoさんはかなり調子を取り戻していますが、前回同様に若干声に艶がありません。  天井が低かったためでしょうか、お約束のジャンプは「気分だけ」の小さなものでした。   (2)CELEBRATION DAY  前曲からメドレーで続く、73年US TOURでの黄金パターンです。  ギターのフロント&リアのMIXによるフェイズアウトしたサウンドが聴き所であり、桜井  氏の18番と言えます。さりげなく織り混ぜられたオリジナルフレーズも要チェックです。  大塚氏の縦横無尽に弾きまくるBass Lineも圧巻です。Arttecでの抜けの良い現代的な音  とは対局的な「Bassらしい」マイルドな音であり、これはこれで良い感じです。 (3)BRING IT ON HOME/BLACK DOG  ちょっとMoto氏が苦しそうな感じです。絶好調時には楽々に歌い上げていますから、やは  り調子が今ひとつなのでしょうか? 「こんばんわ、MR.JIMMYでございます。  今日はですね、ZEP SHOPさんの3周年記念と、ZEPPELIN結成30周年を祝いまして、この  ような催し物を...(英語で何やら分からないことを叫ぶ観客に困惑し)...え?(笑)  我々も参加できてとても大変光栄に思います。最後までお付き合いの方、よろしくお願い  します」 (4)MISTY MOUNTAIN HOP  大塚氏のKeyboardのバランスが若干小さめです。  栗川氏が細かい技を随所に入れており、軽妙なノリをかもし出しています。 (5)SINCE I'VE BEEN LOVING YOU  これまた前曲からメドレーで続くパターンです。弾きまくりのフレーズからIntroに突入  すると、観客から歓声が上がります。  Guitar Solo後のシャウトはいつもに比べて押さえ気味です。  エンディング近くでI'm Gonna Crawl風のフレーズを挿入しています。  演奏後「Jimmy Page, Guitar!」というZEPPお約束セリフをMoto氏が発しています。   「えー、我々は定期的...でもないですけど、ちょくちょくLIVEをやらせて頂いてまして、  次回は6月14日に、池袋のAdmさんで(お〜お〜という歓声)やらせて頂きます。  対バンはQueenのコピーバンドでStokeと...Electric Lady Bandというジミヘンのコピ  ーバンドと、3バンドでやります。御用とお暇でない方は...あれ?(笑)  御用とお暇が....まぁいいや(笑)」   (6)THE SONG REMAINS THE SAME  桜井氏がEDS-1275、大塚氏がJazz Bassを手にします。  ここ数回のLIVEでは77年風「手数多目の突っ走り」プレイの栗川氏でしたが、今日の演  奏は73年風で抑え気味です。パッドによるティンパニが良いアクセントになっています。  大塚氏はフレット上を駆け巡る派手なフレーズですが、マイルドな音質によりこれまた  渋い仕上がりとなっています。8弦ゴリゴリとは違った趣きです。 (7)THE RAIN SONG  PAでリバーブ処理されていないため、1コーラス目でVocal/ギター共に空々しい感じに  聴こえてしまいました。  大塚氏のシンセはMellotronの音に肉迫していましたが、旋律の動きが少なく地味に感  じてしまいました。ジョンジー同様に毎回アドリブで演奏しているそうですから、今回  はそういうトライなのでしょう。  中盤で鳴り響くドラの音の迫力に、思わず観客から歓声が上がります。   「えー、先程も申しましたけれど、今日はZEP SHOPの3周年、そしてLed Zeppelinの生誕  30周年、そしてJohn Henry Bonhamの生誕50周年、という輝かしい日であります。  これを演らない訳にはまいりません!  (足元のペットボトルに手を伸ばしている栗川氏に向かって)水は後です!(笑)  じゃ、行ってみましょうか....モビ・ディーーーック!!!!」 (8)MOBY DICK  桜井氏はLes Paul No.2、大塚氏はJazz Bassを手にしてます。  最初のリフが終わると、他のメンバーは下手の方で栗川氏のプレイを見守ります。  昨年末のワンマンの時以上にスパークするDrummingに、観客も大いに沸いています。  渾身の素手プレイにより、「スネアがズレる!」と叫ぶハプニングもありました。  演奏後、「彼も最近調子良いようで...」とMoto氏がツっ込み、「何言いたいの?」  と栗川氏が言い返す一幕がありました。(芸能ネタの部類につき、詳しくは触れず) (9)STAIRWAY TO HEAVEN  桜井氏はEDS-1275を手にします。Introのアルペジオ一発で観客が沸きます。  Moto氏のVocalはかなりハスキーな感じですが、73年コピーという観点では逆に問題な  しです。Solo前にティンパニとドラが鳴り響き、雰囲気を一層盛り上げています。  Soloは73年のフォーマットを守りながらも後半はオリジナルです。音質も73年当時の  強烈にフェイズアウトした感じではありません。これが最近の桜井氏の好みなのでしょ  うか? 「えー....(笑)いや....最後の曲だなと思って。  先程、THE NEWSさんも演っておられましたけれど....重複していますけど....。  そのへんは御容赦願います。お約束の曲ですので。  ....あ、その前に1曲挟みましたね?(笑)。細かいのはいい、っていう話もありま  すけど。『後半行ってみよう!』...違うか(笑)?」 (10)HEARTBREAKER/WHOLE LOTTA LOVE  桜井氏はLes Paul No.2、大塚氏はJazz Bassを手にします。  Heartbreakerは聴き流しそうになる程、コピーとして完成度が高い事に気付きました。  ちょっとルーズなGuitar/Drumsと、正確無比なBass。Moto氏の声はRobertと全く似て  ないのにも関らず、曲にすっぽりとハマって違和感がありません。  ちょいともたつき気味のDrumsのタム回しに続いてWLL。頭のGuitarリフがすっぽ抜け  た感じだな?と思いきや、歌い出しでVocalにハーモナイザーがかかってしまうという  アクシデントが!(Moto氏は自分の足元でVocalのエフェクトをかけている)。  今日のThereminは比較的良く鳴っています。ウワ〜〜ンという軽めな音なのはAmpの  せいでしょうか?  Guitar Soloの前にEverybody Needs Somebody to Loveのリフを入れています。  THE NEWSさんの演奏もプロらしいかっちりしたものでしたが、Let That Boy Boogie  でのシャッフルの感じはMR.JIMMYの方がより「ZEPPしていた」と思いました。 [ENCORE] (11)THE OCEAN  メンバー/観客共に栗川氏にある種の期待を込めて見守りますが、栗川氏はスティック  を連打するばかりで「例のシャウト」をしてくれる気配がありません。  結局カウントのみで曲がスタートします。  サビでは桜井氏がコーラスを入れています。 (12)COMMUNICATION BREAKDOWN  Introで桜井氏はワウを駆使しながら一瞬The Train Kept A Rollin'を思わせるような  リフを掻き鳴らします。Moto氏のVocalもここに来てフルパワーです。  最後は河野店長のご挨拶で、大盛況のうちにイベントは終了しました。
感想  この日の観客は100名を越えていたそうであり、イベントとしては大成功だったと思い  ます。入場時にはもれなくZEPPのロゴ入りきんちゃく袋が配られるというサービスも  あり、店長の意気込みを感じました。  演奏はNo Quarter/Dazedの長尺2曲を除き、ほぼ73年US Tour通りのsetlistでした。  目新しい曲目も無く、常連さんには物足りない部分もあったかとも思いますが、まぁ  イベントという性格上致し方ないかと思います。  しかし、このTourってほとんどがメドレー形式なんですね。LIVEの規模が巨大化し、  よりテンポの良いステージ展開をと彼等も考えていたのではないかと思われます。  Guitarに関して、かなり試行錯誤されているように感じられました。特にW-Neckの  音質は一時期に比べ、正直言ってあまり似てないように思います。これがより高みに  至るためのステップであると信じ、次回のステージに期待したいと思います。  ちなみにこの日はZEP河野店長より「私は某バンドではなくMR.JIMMYを応援する!」  という、業界的に重大な発言がありました。あそこにいた全員が聞いてましたので、  これはもう、よろしくお願いする次第であります(^^;)