Live at "Club Goodman",
Akihabara, Tokyo, Japan, 25th May, 1997

MR.JIMMY Live at Club Goodman, Akihabara, Tokyo, Japan, 25th May 1997
Jimmy Sakurai/Professor Otsuka/Parcy Moto/Cookkie Kurikawa



That's The Way

開演に先立ち...

●日時  1997年5月25日(日)  Tribute Bandの共演LIVEである"Art Rock Night"としての開催でした。  Electric Lady Band(Tribute to Jimi Hendlix)、Von Halen(Tribute to Van Halen)さん  との共演で、我がMR.JIMMYは前回に引き続きトリでの登場でした。  この日の観戦メンバーはYasさん/鈴木さん/Eric Sachsさんの他、初見参のゴンザレス・K氏、  USから遊びに来てたMarkさん、カメラマンの鈴木さん、私、という7人の大所帯でした。  入場時に配布された"MR.JIMMY's Graffiti"には「今回は71年BBC LIVEを目指す」と明言されて  いました。ふむふむ、ここまでタネ明かしするのは彼等にしては珍しいことです。 ●会場   秋葉原 Club Goodman ●メンバー  ・Jimmy 桜井氏 (Guitar)  ・Professor 大塚氏 (Bass/Mandolin/Keyboard)  ・Parcy Moto氏 (Vocal)  ・Cookie 栗川氏 (Drums)

SETLIST&各曲寸評

 GoodmanはAdmより一回り大きい会場ですが、トップの開演前には満席となる盛況ぶりでした。  今回のジミセンさんは座椅子ジョップリンさんをゲストにフューチャーし、メロー&ウェットな  ステージでした。ピックを落としたのに「爪で」平然とSoloを弾きこなし、ひざまずくアクショ  ンでさりげなくピックを拾ったのには流石のキャリアを感じました。  Von Halenさんは、圧巻のステージでした。弾きまくり〜のEddieさんは勿論のこと、Vocalの  デブッチョ・リー・ロスさんのトークには爆笑の嵐!!最前列に座ってた私のBeerを飲むし(笑)  とにかく、ZEPP Festaの面々にも大ウケでした。  MR.JIMMYが登場したのは、20:30頃でした。(今日は早めで嬉しい!)  桜井氏は意外にも黒いトレーナーにブルージーンズというラフなお姿。Moto氏はノースリーブの  バイキング風シャツにブルージーンズ。大塚氏は白地のウェスタンシャツに黒ジーンズ。栗川氏  はラスタなストライプシャツにブルージーンズという衣装でした。  桜井氏の機材の調子が悪いようで、開始までしばらく時間がかかりました。 (1)IMMIGRANT SONG  ようやくのスタート!テンポが若干早めですが、迫力は満点です。  栗川氏のDrumsが凄い音圧で、ジーンズがビリビリと震える程です。それでいて楽器のバランス  は良好!Bass/Vocalもはっきり聞き取れます。恐ろしや、Goodman!  Moto氏の声は今日もパワフルです。雄叫びも無理なく伸びやかです。  桜井氏のPlayは手堅い感じです。Les Paul No.2の特色なのでしょうか、トーンは若干甘めに  聞こえました。 (2)HEARTBREAKER  無伴奏Soloのトリルの辺り、出だしがちょっと弾きづらそうでしたが、徐々に盛り返します。  "Bouree"のフレーズもしっかり入れています。 (3)SINCE I'VE BEEN LOVING YOU  「次の曲は久しぶり(の演奏)ですね?」と桜井氏に同意を求めるMoto氏。  「久しぶりだとちょっと痛いので、最初は優しくJimmyが弾きます」という、Robertばりの  UndergroundなJokeを入れてのこの曲です。  IntroのGuitarは繊細な音質で"BBC LIVE"をほうふつさせますが、フレーズは丸コピーでは  なくアレンジを加えています。大塚氏はKORGのオルガン+シンセによるエレピ+フットベー  スで、この時期のメロ〜な雰囲気を巧みに再現しています。Vocalは情感的で言う事なしです。  栗川氏のスネアにかけられたリバーブも、迫力を倍増させるのに貢献しています。  中盤のSoloも"BBC LIVE"とは微妙に異なる展開ですが、Soloの終わりの特徴的なフレーズを  「ほぼ完璧」に再現してるのが実にニクイところです。 (4)OUT ON THE TILES/BLACK DOG  Moto氏は通常、Studio Takeそのままにキーを下げずに歌われるのですが、この日は一部で  「Robert同様」キーを下げる部分が見られました。  また、恒例の観客との掛け合いはナシ。これは"BBC LIVE"でもなかったからでしょう。  エンディングのDrums/Bass/Guitarの合奏は、まさに怒濤の迫力でした。  演奏後「この曲を演ると、昔一度だけ対バンした『王様』を思い出すんですけど....。  どうなさっているんでしょうね、王様?」というMC。  さらに「私、風邪をひいてしまいまして....。鼻声で失礼します」とのこと。あらら。 (5)STAIRWAY TO HEAVEN  Dazed and Confusedがcutされて、ちょっと早めの登場です。  大塚氏は当然ながらMellotron音ではなくオルガンでのアプローチです。  2コーラス目の頭、歌詞が違うのは御愛敬です。  満を持して叩きこむ栗川氏のDrumsに、またまた感動の嵐です。  Guitar Soloは「開始2小節前から6弦側に切り替える」この時期ならではのVersionです。  フレーズはほぼ"BBC LIVE"に忠実でした。Rock SectionでのMoto氏のVocalも、おそらく風邪  のせいでしょうか、適度に枯れてて「まんまBBC」状態でした。 (6)FRIENDS  ステージに椅子が用意されて、桜井氏がMartin D-28を手にします。大塚氏はキーボードの位置  に、栗川氏はステージ左にセットされたコンガの前に。おやおや...ということは....。  Moto氏が「Going to Californiaじゃありません」と釘を注して、この曲です。1971年9月29日、  大阪2日目でたった1回のみ演奏された超レア曲です。  大塚氏はシンセでストリングスをシュミレート。古えの名機"Solina"を彷彿させる音色です。  中盤、Vocalが半拍ズレるところでヒヤっとしますが、Moto氏らしい奔放な歌い方で充分楽しま  せて頂きました。 (7)GOING TO CALIFORNIA  さて、今日のメインイベント(?)!大塚氏がMandolinを披露するこの曲です。  ハンマリング、スライドを駆使した複雑なフレーズの連続であり、正直言って序盤のMandolinは  「苦しいかな?」と思う部分も感じられました。しかし、さすがは大塚教授!後半は持ち直して  イイ感じに聴かせてくれました。  この曲では栗川氏はお休みで、ステージ下に降りて演奏を聴いておられました(^^;) (8)THAT'S THE WAY  桜井氏のアコギがキラリと光る曲です。大塚氏のMandolinも良い調子です。  Moto氏のVocalは、Robertの特徴ある歌い方(もわ〜〜ん)を巧く摸して聴かせてくれてます。  終盤で栗川氏のタンバリンが入りますが、照れる栗川氏に観客からの声援が飛びます。    「私が風邪をひいてた関係で、ろくに(練習を)やってませんで...またいつかちゃんとチャレ  ンジしたいと思います」とのMoto氏のお話しでした。 (9)WHAT IS AND WHAT SHOULD NEVER BE  今日のDrumsの音が強力なため、リズムが変わるところでのメリハリが大迫力です。  終盤のリズムカッティングで音がL/Rにパンされることを期待してしまうのは、Page/Plantを  聴き過ぎてドランカー状態になっているためです。(ZEPPはそんなことしてませんて) (10)WHOLE LOTTA LOVE - LET THAT BOY BOOGIE - TRUCKIN' LITTLE MAMA - FIX'IN TO DIE - THAT'S ALRIGHT - FOR WHAT IT'S WORTH - MESS O' BLUES - HONEY BEE  Introのリフが軽〜い音に聴こえたのですが、家に帰って"BBC LIVE"を聞き返すと確かにこの  音でした。これも73年の印象が強いためでしょう。いかんいかん。  久々のTheremin登場ですが、リバーブが効いておらず、音の伸びも今ひとつの印象でした。  メドレーは"BBC LIVE"とほぼ同じ選曲/演奏! 20分以上の、聴きこたえのある大作でした。  終盤の"You Need Love"の振り絞るような雄叫びに圧倒されながら、大スペクタクルの幕が  いったん下ろされました。 [1st ENCORE] (11)THANK YOU  高まる歓声に、「ケーシー高峰」のハイブロウなモノマネで陽気に応えるMoto氏です。  Guitarのアルペジオからバンドがドっと重なる部分は、鳥肌ものの感動です。今まで何回か  MR.JIMMYでも演奏された曲ですが、この日は格段の出来です。  この一曲だけでもこの日のお客さんは来た甲斐があった、とあえて言わせて頂きます。 (12)COMMUNICATION BREAKDOWN  小細工はなく、ストレートな出だしです。  Moto氏はここに来て若干苦しそうですが、最後の力を振り絞って熱唱してくれます。  桜井氏のSoloはいつにもましてスパークしています。終盤もワウを用いたトリッキーな  フレーズを連発して、大盛り上がりのまま演奏は終了しました。 [2nd ENCORE] (13)ROCK AND ROLL  ここに来ても、まだ観客の拍手は鳴り止みません。  「Sunshine Woman!!」という無謀な掛け声もありましたが、一番声の多かったRock and Roll  を演ることに。(彼等がその場のリクエストで曲を決めたのは、この1年で初めて)  Moto氏が桜井氏を揶揄して「今日はRock and Rollの音じゃないんだよ〜Guitarの機材が違う  んだよ〜」とふざけていたのが笑えました。  ドッカンドッカン来る栗川氏のDrumsは大迫力で、アレンジは強いて言えば75年に近かった、  と言えばマニアの方には想像がつくでしょうか?  「Lonely Lonely」の掛け合いもバッチリ!怒濤のエンディングとなりました。  更に巻きあがる拍手にメンバーが苦笑しながら、「狂熱の」ステージは終了しました。
感想  約1時間半の演奏でしたが、充分に満足できたヴォリュームでした。  1971年の"BBC in Concert"は初期ZEPPにおける最もポピュラーなLIVE音源であり、これに思い  入れのあるZEPPファンの方は多いのではないでしょうか?  今回はDazed以外は全て演奏、という快挙であり、更に「超レア曲」Friendsをも演ってしまう  という贅沢な構成でした。おまけに完全に予定なかった2nd Encoreのサービス付きだし。  Moto氏が風邪で体調が万全ではなかった上、桜井氏のEchoplexのフットスィッチが壊れるとい  うアクシデントがあったそうで、コンディションはかなり厳しい状況だったと言えます。  そんな中、正直言って「予想を上回る」素晴らしい演奏の出来でした。  Vocalは却って凄味を増しており、桜井氏も序盤からペースを確保してらっしゃいました。  新Les Paulも、手に馴染んで来つつあるようです。  更に、この日の演奏を特別なものにしたのがDrums/Bassの大迫力でした。  特にDrumsは、「ZEPP来日時の生き証人」ゴンザレス・N氏に「あれがBONZOの音だった!!」と  言わしめる程でした。  それでいて、全ての楽器がバランス良く聴こえていたのも嬉しい限りです。頑張ってくれた  Mixer氏にも感謝をしたいと思います。トレビアン、Goodman!  桜井氏がステージで着ていたのは、実のところ、リハーサルとかで着ている普段着でした。  71年頃のJimmyの衣装は、まぁ、私服のようなものでしたから、気分的にはこれでOKという  ことなのでしょう。(色々考えていたが、突然のひらめきで決めたらしい)  また、ファンから衣装への注目を浴びている事に対して、「スタイルだけじゃないんだよ!」  という心意気の現われとも感じられました。(考え過ぎ?)