Live at "Live Garage Adm",
Ikebukuro, Tokyo, Japan, 6th Mar, 1998
MR.JIMMY Live at Live Garage Adm, Ikebukuro, Tokyo, Japan, 6th Mar 1998
Jimmy Sakurai/Professor Otsuka/Parcy Moto/Cookkie Kurikawa
Communication Breakdown
開演に先立ち...
●日時
1998年3月6日(金)
昨年末の初ワンマンLIVE以来、今年初のAdmです。
共演はElectric Lady Band/Von Halen。お馴染み「御三家」によるART ROCK NIGHTの形態です。
●会場
LIVE Garage Adm
●メンバー
・Jimmy 桜井氏 (Guitar)
・Professor 大塚氏 (Bass)
・Parcy Moto氏 (Vocal)
・Cookie 栗川氏 (Drums)
SETLIST&各曲寸評
久々の平日LIVEであり、仕事を終えて会場に着いたのが19:40頃。既にトップバッターのジミ
センさんがスタートしていました。ステージ横で観戦中の大塚氏/栗川氏にご挨拶していると、
客席からYasさんの手招きする姿が!お陰で2列目で観戦することができました。
今日の観戦メンバーはYasさん/沼田さん/中村さんで、後方には佐々木さんがいらっしゃいま
した。
ジミセンさんの演奏は相変らずタイトで、特にDrums/Bassの音がド迫力でしたが、意外なほど
あっさりとステージを降りてしまいました。
Von HalenさんはVocalのデブッチョ・リー・ロス氏お家芸「半ケツ出し」が封印されており、
そのせいなのか(?)今ひとつ盛り上がりに欠ける印象でした。
21:00過ぎからMR.JIMMYのセットチェンジが始まりました。
前の2バンドがDrumsを使い回していたのに対し、栗川氏愛用のBONZOマーク入りキットに交換!
特大のゴングも背後に設置されています。
Bass Ampは懐かしのFender Bassman 100です。Guitar AmpはVonさんの使っていたPeavyが片
付けられ、ジミセンさんも使っていたMarshallセットのみに。Zosoマークはナシです。
21:20頃、メンバーがステージに登場しました。
桜井氏は肩にパッチワーク風の模様の入った白いウェスタンシャツに赤いフレアパンツ。
Moto氏は白いルーズな長袖シャツにブルージーンズ。大塚氏は肩から胸に切り替えが入った
淡いブルーのウェスタンシャツにブルージーンズ。栗川氏は赤っぽい色のチェックシャツにブ
ルージーンズというお姿でした。
(1) THE TRAIN KEPT A ROLLIN'
桜井氏は久々にLes Paul No.1(チェリーの鮮やかな方)を手にしています。昨年の初期セット
時はTelecasterを使用していましたが、それと比べるとウォームで太い音色です。今回もファズ
を通しているようで、Ampによる歪みとはひと味違う「ワイルド」さです。
大塚氏はArttecの赤いジャズベ型Bassであり、ブリブリと太い音は初期のサウンドボード音源を
彷彿させます。
ここ数回のLIVEでは咳に悩まされていたMoto氏ですが、今日はかなり調子を取り戻していたよう
です。間奏でMouse Harpを披露しています。
全体的にPAのバランスも良く、演奏の良さがダイレクトに伝わってきます。
(2) I CAN'T QUIT YOU
初期ならではの早弾きSoloが圧巻です。時折トグルスィッチをガシガシ切り替え、トリッキー
な効果を出しています。
Moto氏は途中に"Squeeze my Lemon...."という歌詞を入れています。
演奏後のMCはただ一言、「どうもこんばんわ、MR.JIMMYです」のみ。
今日のMoto氏はいつにも増して寡黙です。
(3) AS LONG AS I HAVE YOU
IntroでVocalのシャウトが入り、歌い出しが"I was born in darkness"となっていますので、
4/27/69のFilmore WestのTakeをベースにしたと思われるアレンジです。
メドレーはFresh Garbage/Shake/Cat's Squirrel/Cadillac No Money Down/I'm a Manです。
I'm a Manの直前で長〜いフィードバックを鳴らすのも4/27/69のアレンジを彷彿させます。
過去2回に比べ、格段に厚いサウンドに仕上がってました。
(4) DAZED AND CONFUSED
Introでゴングが効果的に鳴らされ、雰囲気が盛り上がります。抑え目の演奏が初期特有の緊張
感を醸し出しています。San Franciscoのパートが無く、後期に比べて短めです。
ハイライトの弓叩きではエコーが左右にパンされていました。赤と緑の照明に照らされての演奏
は、限りなく「アートロック」の世界です。
エンディング近くになって、Moto氏は声が枯れてしまっています。
「次回のMR.LIVEの......MR.JIMMYのLIVEは(笑)3月28日の土曜日にClub Goodmanで、
今日の共演の3バンドプラス、WhitesnackというWhitesnakeのコピーバンドと4バンドです。
よろしくお願いします」
(5) YOU SHOOK ME
桜井氏はAmp Headの上からスライドバーを持ち出し、Echoのかかりを確かめてからIntroを
奏でます。ピックの擦れる感じも何とも言えず良い感じです。
中盤でMoto氏のMouse Harpが大々的にフィーチャーされています。ちょいVolumeが小さめだ
ったのが惜しいところです。
「ちょっと、よもやま話をしてみますけど....。
こないだ長野オリンピックが無事閉幕しましたけど....(笑)いや、関係あるんですよ。
MR.JIMMYをいつも見に来てくださる長野の○○さんという方がいらっしゃるんですけど。
その方は花火職人でして、閉会式の花火の打ち上げを取り仕切ってらっしゃったそうで。
ドンパンやられて.....そういうお客さんもいらっしゃるという(笑)素晴らしいなと。
という訳で、○○さんに温かな拍手を」
(6) GOOD TIMES, BAD TIMES
栗川氏がGood Times, Bad TimesのIntroっぽいフレーズを叩きますが、桜井氏が弾き始め
たのはKilling Floorのリフでした。大塚氏がすかさず合せて行きます。やがて桜井氏が
Good Times...のIntroのカッティングを入れ、栗川氏の「完璧な」スネアのフレーズが入
り、感動の歌い出しです。この一瞬だけで、今日来た甲斐があったというものです。
縦横無尽に駆け巡る大塚氏のBassラインも聴き所でした。
(7) HOW MANY MORE TIMES
Introに載せてMoto氏が順番にメンバー紹介し、曲に突入します。
栗川氏の畳み掛けるようなバスドラのキックワークに思わず引き込まれます。
中盤に挿入されるBoleroのかっこ良いこと!再び繰り広げられる弓弾きもダメ押しです。
華やかな盛り上がりのまま、メンバーはステージ後方の楽屋口に引っ込みます。
[1st Encore]
熱烈な(今日初めての)アンコールの拍手にメンバーが再登場します。
「ここで嬉しいお知らせです。大塚教授が、今度ジャズベを買うことになりました(笑)
さぁ、どうなりますことやら。....お言葉に甘えてやらせて頂きます(拍手)」
(8) WE'RE GONNA GROOVE
桜井氏はLes Paul No.2(ティーバーストの方)を手にします。
大塚氏/Moto氏が栗川氏のところに集まり、何やら相談してからHeavyなJamがスタート。
スネアの連打の後、この曲に入ります。若干リズムが後ノリで、リラックスしたムードです。
ここで再びステージを降りかけますが、アンコールを求める拍手が続きます。
会場にはBGMも流れますが、それでも続く拍手に応えてメンバーがステージに戻ってきます。
登場に遅れた大塚氏に対し、観客に「ジャズベ・コール」を煽るMoto氏です。
[2nd Encore]
(9) COMMUNICATION BREAKDOWN
「ネタはありませんけど...」と言いながら、彼等が演奏したのは十八番のこの曲です。
Les Paulとファズという桜井氏にしては珍しい組み合わせで、Soloでは強烈にスィープした
サウンドを聴かせてくれました。
●感想
約1時間半のステージでした。
前回の初期セット時、桜井氏はTelecasterを駆使して「超初期」のシャープなサウンドを再現
していましたが、今回はLes Paulを使った「進化中」のアプローチを見せてくれました。
実際にZEPPがこの曲順で演奏したことはありませんから、「1969年中頃の、JimmyがTelecaster
からLes Paulに持ち替えたばかりの頃の演奏」をMR.JIMMY流に演奏してくれたと解釈してます。
アレンジそのものは前回とほぼ同じでしたが、演奏の安定度や音の厚さは格段に向上していま
した。ステージに賭けるメンバーの努力に脱帽します。
大塚/栗川両氏のリズム隊は桜井氏のアドリブに柔軟に対応しており、「突っ走ってるように見
えて、なぜか最後につじつまが合う」ZEPP MAGICに肉迫する瞬間を多々目撃しました。
Moto氏は昨年末からの難題であった「咳」は無くなり一安心でしたが、若干声の艶が欠けてい
た感じです。完全復活は次回のステージに期待しましょう。