Live at "Cars",
Roppongi, Tokyo, Japan, 10th Jan, 1998

MR.JIMMY Live at Cars, Roppongi, Tokyo, Japan, 10th Jan 1998
Jimmy Sakurai/Professor Otsuka/Parcy Moto/Cookkie Kurikawa


Immigrant Song

開演に先立ち...


●日時

 1998年1月10日(土)

   1998年最初のステージです。
   今日はVon HalenさんとのジョイントLIVEであり、MR.JIMMYが先に演奏する形になりました。

●会場

 六本木 Cars

   六本木交差点に程近い、お洒落なビルの地下2階にあります。
   天井が高くて奥行きの深い、倉庫を思わせる作りのLIVE HOUSEです。
   入り口にはバーカウンター、店の奥には1メートルくらいの高さのステージがあります。
   テーブル席は店の壁に添うように配置され、ステージ前には客席がないという不思議なセ
   ッティングです。目一杯詰めれば200人くらいは入りそうです。

   車のエンジンやアルミホイールなどがオブジェとしてあちこちに配置されてます。
   "Cars"という店名の由来はこれだったのですね。

 19:00開場ということで18:40頃に覗いたら、店内はVon Halenさんのリハの真っ最中でした。
 入り口近くでボ〜っとしてると、大塚氏が登場! 新年のご挨拶を交わした後、開場時間をお訊
 ねすると、「うちらはこの後からリハなんで、ちょっと遅れますね」とのお言葉でした。
 六本木の街をぶらついて時間をつぶし、19:40頃に再び会場へ。エレベーターを降りると飛び込
 んできた音は "Since I've Been Loving You" でした。入り口のところで聴き惚れていると、
 Soloの終わりで突然演奏は中断。残念ながらリハはここで終了だったようです。

 入場できたのは20:00近く。入場料はなんと1000円という破格です。
 ステージ近くの右側のテーブルをキープ。今日は沼田さん、ビート佐々木さんとの観戦です。
 バーカウンターが充実していますが、生ビール1杯800円と聞いて耳を疑います。
 う〜ん、入場料が安かったのはこのせいだったんですね。さすが、六本木。


SETLIST&各曲寸評

 バブルなビールを飲みながらよもやま話に花を咲かせていると、21:00頃になってMR.JIMMYの  メンバーがステージ上に登場しました。  桜井氏は淡い花柄のシャツにグレーの毛糸のベスト、ベルボトムのブルージーンズにカカトの  高いブーツというカジュアルな御衣装です。Moto氏はオレンジ色の長袖シャツの上にお馴染み  の袖なしヴァイキング風上着を羽織り、ベルボトムのブルージーンズというお姿です。右手の  包帯はまだ取れていませんでした。大塚氏は白のウェスタンシャツにスリムのジーンズ、栗川  氏は白のシャツにジーンズといういでたちでした。  今日はDrums Setの後ろに大型のゴングが設置されています。Guitar Ampのスピーカーには  Zosoマークは無し。Bass AmpはAmpegの小型のものでした。 (1) IMMIGRANT SONG  Openingは大方の予想通りのこの曲です。  桜井氏はLes Paul No.2、大塚氏は赤のArttec Bassでの演奏です。  Moto氏は雄叫びのパートで音程がいつになく不安定です。正面のモニタースピーカーに擦り寄  るようにして歌っているところを見ると、モニター音がちゃんと取れていないのでしょうか。  他のメンバーは飛ばしており、手数が多く迫力満点です。  PAは残響が多くて音が回りまくってますが、それがかえって迫力がある感じに聴こえてます。 (2) HEARTBREAKER  間髪を入れず、この曲です。力強い演奏で、グイグイと押していく感じです。  無伴奏Soloはリバーブが効き過ぎで、桜井氏と観客双方で「あれ?」となっていました。  演奏後、「新年明けましておめでとうございます。MR.JIMMYです。  今年もよろしくお願いします」とMotoさんから丁寧な年賀のご挨拶がありました。 (3) SINCE I'VE BEEN LOVING YOU  71年あたり特有の、ゆったりとした雰囲気の演奏です。  大塚氏はシンセでエレピをシュミレートし、サビではKORGのオルガンで曲を盛り立てています。 (4) OUT ON THE TILES/BLACK DOG  若干のブレークをおき、続けての演奏です。  観客とのVocalの掛け合いが無いのはBBC LIVEを意識してのことでしょう。 (5) STAIRWAY TO HEAVEN  演奏前、大塚氏はORGANの音色を何度も調整しています。  桜井氏はW-Neckで「薄く膜が張ったような」繊細な音色で弾いています。Jimmy PageがBBC LIVE  リリースの際にこだわったであろう「あの音」の再現に努めているのがよく分かります。  曲中咳き込むMoto氏ですが、最後のRock Sectionでは渾身のシャウトを聴かせてくれます。  「え〜、我々MR.JIMMYはですね、定期的にLIVE活動をやっておりまして。   今月はもう一本、1月31日に秋葉原のClub Goodmanの方でLIVEをやらせてもらいます。   (今日)我々の後に登場するVon Halenもバッチリ出ます。あと、Electric Lady Bandも一緒   に出ます。いつもの....何て言うんですか?(笑)御三家ですか?(場内爆笑)   新御三家、っていうのもありましたけれども、昔。まぁ、いいですか?   よろしかったら、いらっしゃって下さい....」 (6) WHAT IS AND WHAT SHOULD NEVER BE  静と動が交互する、初期の佳曲です。  昨年リリースされた正規盤には収録されていませんが、実際に録音された"BBC in Concert"  ではアコースティックセット後、WLLの前に演奏されています。  桜井氏はGuitarのVolume操作だけで、歪みを巧みにコントロールしています。  PAでの深めのリバーブがここでは功を奏し、派手でドラマチックなエンディングとなりました。  「『強き二人の愛』をお送りしました。   えー、宴たけなわではありますが、最後の曲となってしまいました」 (7) WHOLE LOTTA LOVE - BOOGIE CHILLIN' - TRUCKIN' LITTLE MAMA - FIXIN' TO DIE - THAT'S ALRIGHT MAMA - FOR WHAT IT'S WORTH - A MESS OF BLUES - I CAN'T QUIT YOU BABY - HONEY BEE - THE LEMON SONG  桜井氏はLes Paul No.2、大塚氏は赤のArttec Bassを手にします。  今日のThereminは絶不調だったようで、盛んにアンテナに手をかざしますがほとんど音は聞き  取れませんでした。ちなみにEchoplexではなく、ハーフラックサイズのディレイマシンを通し  ていたようです。  メドレーの基本は"BBC in Concert"(正規盤の方にあらず)です。  Moto氏はThat's All Right Mamaの入りが分からずに何度もTryしています。  A Mess of Blues後のブレークで、Moto氏はHoney BeeではなくI Can't Quit You Babyを歌  い出します。予定外のアドリブだったようですが、他のメンバーは何事もなかったかのように  合せ、絶妙なタイミングでHoney Beeに移行してます。 [Encore] (8) THANK YOU  アンコールを求める拍手に応え、メンバーは再びステージに戻ります。  大塚氏はKeyboard席につき、オルガンを奏で始めます。リバーブが効きまくったスネアの  音がドッカンドッカンときて、これまたいい感じです。 (9) COMMUNICATION BREAKDOWN  大塚氏は赤のArttec Bassに持ち替えます。  これまた正規盤には未収録で、"BBC in Concert"では最後に演奏された曲です。
感想  73分という短めのステージでした。  12/23/97の第1部が77年、第2部が73年のsetlistだったので、「今回は71年だろう」という  予想のもとに臨みましたが、これは大当たりでした。BBC LIVE '71を意識されていたそうなの  で、これを聴きこんでいたファンの方には大サービスだったことでしょう。  ただ、正規盤で収録されたDazed/Going to California/That's the Wayを落とし、代わりに  未収録のWhat is...とCommunication Breakdownを演奏していたので、MR.JIMMYらしいひねり  は入っていたようです。  演奏的には手堅い感じであり、1曲目からパワフルな演奏を聴かせてくれました。ただ、相変  らずMoto氏は風邪ひき状態であり、曲中に何度も咳込んでらっしゃいました。う〜ん、早く直  って下さい、としか言い様がありません。  開演前、桜井氏が「この会場は音が回ってしまうんですよ。あまり音には期待しないで下さい」  と申し訳なさそうに語っていましたが、その言葉に違わず、残響バリバリでした。  天井が高く、奥行きも深いという会場の作りから、これは仕方ないと言えます。ただ、迫力の  ある太い音ではあり、Admあたりで超デッドな状態でやるよりは私は好きでした。