
9月○日
約2ヶ月前、大腿部に深い広範囲に火傷してしまい入院。1ヶ月ほど前
入院中に脳梗塞の再発作を起こした。車椅子をこぐことが出来なくなり
CTを撮って脳梗塞の再発作と診断された。幸い軽い発作で1ヶ月後退院となった。
自宅に戻ったけれど歩行が極めて不安定で転倒が心配な状態だった。
「転んだら大変だから夜はトイレに這っていった方がいいから。」と
ハイハイで行ってもらっていた。左半身のしびれ感や痛み、以前から
あったが再発作でさらに強くなってしまった。その痛みと一人暮らし
なので色々考えて今後のことが不安になってくる。
「痛くて・・こんなになっても生きていたくない。」
電話の声も半分泣いている。訪問してみると食器棚、戸、ネット柵などに
捕まって歩いているが観測に突っ張るような不随運動が突然出現して
転倒しそうになる。歩行は非常に危ない。
「車椅子にしようか?」
「その方が安心だけど、狭いし・・。」
「この戸を外して、ベットをもう少し移して、段差を直して
食器棚も片付けて・・。段差をなくす工事、大家さん大丈夫かな?
「大家さんは大丈夫と思う。」
「本当にこれで良いのか入院中に訓練してくれた理学療法士さんと相談してみるね。
車椅子にするのはまだ早いて言われるかもしれないし。市販のスロープで良いのか
床ごと上げる工事がいいのか聞いてみたいし。」と言って帰ってきた。
段差解消の工事は、他の方もやってもらっている。たぶん介護保険内で大丈夫。
取り外しも可能な工事で大丈夫そう。生保の方なので一時的にも全額払うのは
困難なので市役所に問い合わせてみたところ見積書を持って相談して下さい
とのことだった。これで巧くいきそうと思ってまた本人に電話した。
「大家さんにお逢いしたいんだけど、いつ頃が・・。」
「看護婦さん、工事やっぱりしないで。」
「どうして?」
「あのね。もう私などにお部屋を貸してくれる所はない。もう車椅子でないと
動けないなんて分かったら、出て行けと言われるかもしれないし。看護婦さん
もう工事はいいから何も言わないで。」
「工事と言ってもすぐに外せる工事だし、それに大家さんには巧く説明するから
大丈夫だから。」
「駄目だよ。看護婦さんは何も知らないんだよ。こんな年寄りにお部屋を
貸してくれる所なんてないんだよ。追い出されたら行くと来ないし絶対に
言わないで。」
「車椅子で生活している人なんて沢山いるのよ。若い人だっているし。ちゃんと
説明するから大丈夫よ。」
「そうじゃないのよ。看護婦さん、そういうものじゃないの。」
「分かった。もう少し考えてみるから心配しないで。」と電話を切った。
大きなやけどで入院したばかりで・・。ガスを使うのも危ないと自分では
使わないようにと話してある。体調が悪くなると体調が悪いと嘆くだけでなく
生活する場所さえも脅かされて生きて行かなければならなくなる。
前のケアマネ雑記 次のケアマネ雑記
ケアマネ雑記目次に戻る
看護婦奮闘記(訪問看護編) 更新履歴へ 看護婦奮闘記(病棟編)へ 看護と介護の談話室へ お茶の間の風景へ ホームへ