自動潅水器 作成 1996年
1.どんなものか |
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出張・旅行・里帰りなどで、長期留守にするとき、植物達に水を自動で与えてくれる装置です。ポリ容器に水を汲み置きしておき、その水をお風呂用ポンプにて汲み上げ、各プランターにチューブにて導き潅水を行います。お風呂用ポンプは1日に30秒だけ動作させるようタイマーにてコントロールされます。 |
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2.構成 |
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20リットルの灯油用ポリ容器と市販のお風呂用ポンプ、自作の水分配器とタイマから構成されます。 |
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図1 全体構成図 |
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3.各部説明 |
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1)お風呂用ポンプ(写真1) |
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ポリ容器に蓄えられた水を各プランターへ潅水するためのポンプです。ホームセンターには、お風呂の残り湯を洗濯水に使うためのポンプが各種売られておりますから、それを用いました。購入時にたまたま安売りをしており、\780にて入手。実際に使ってみると、結構パワーがあるので、1つのポンプで複数のプランターへ水を潅水することができます。このポンプはAC100Vで動作しますから、ポンプの動作・停止はAC100Vをリレーで制御することで実現します。 |
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写真1 使用したポンプ |
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2) 汲み置き用タンク 灯油用20リットルポリ容器を用いました。広く出まわっているためか、水の入る容量に比べ値段が安いので今回の用途にはうってつけです。ただ、そのままではポンプが容器に入りませんから、のこぎりで給水口を広げます。 |
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3) 水分配器 園芸用品として市販品もあるのですが、値段が高いため自作しました。φ15程度の塩ビパイプに、φ5の穴を必要数だけあけ、その穴にチューブを接着剤で固定します。これで立派な水分配器の出来上がり。 写真2のBが、この水分配器です。なお、この水分配器、写真をとるため強引に手前に引き寄せましたが、実際はちゃんとした位置に固定してあります。 |
写真2 水分配器と固定器具 |
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4) チューブをプランターに固定する器具 目玉クリップや洗濯バサミに穴をあけ、そこにチューブを通します。この状態で目玉クリップや洗濯バサミをプランターにはさめば、チューブが丁度よく固定されます。 ちょっと見難いですが、写真2のAが、この部分です。目玉クリップを用いていますが、他に洗濯バサミを利用したものもあります。 |
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5) タイマ 写真3がタイマで、秋月電子通商のAKI-80シルバーを用いました。ポートAの0ビットにリレードライバ回路をつけ、風呂用ポンプ電源であるAC100Vをコントロールします。コントロールされたAC100Vは、写真3右上の風呂用ポンプの電源出力であるコンセントから出力されます。ポートBには、動作状態の確認用としてLEDをつけています。最初はこのLEDをつけるつもりは無かったのですが、いざLEDなしで使用してみると、動作しているのかどうかさっぱりわからなくとても不安になったので、つけることにしました。1日を256分解して、2進数で表すようにしています。 回路としては、とても簡単ですので、ユニバーサル基板上に作成しました。
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写真3 タイマ |
7) ファームウェア 言語は、Z80用リモートBASICを用いました。秋月で購入したものです。当時は、言語といえばBASIC(N-BASICとか、VisualBasicとか)とFORTRAN(学校で習った)しか知らなかったので、Z80開発環境としてまずBASICを選んでみました(最初からALLアセンブラというということは考えていませんでした)。また、これを作ったときは、CTCを利用する方法など知りませんでしたので、FOR〜NEXT文で1秒タイマをつくり、それを元に動作をさせるという荒業を用いました。おかげで24時間ごとに30秒リレーONという周期で動作をさせるつもりが、28時間の周期となり、狂う狂う。まぁ正確にする必要もあまり無いのでとくに修正はせずこのまま使用しています。 動作確認用LEDは、1日を256分解し、その数字をそのままポートに2進数で出力しています。非常に単純ではありますが、このLEDが有るのと無いのでは、心境的に大きな違いがでます。 |
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4.つかってみて とにかく単純な回路とファームですが、使用してみると結構つかえます。もともと留守にするのは、年に5・6回程度、1回につき1週間以内ですから、こんな回路でも十分だったりします。当初は、1度使ってみて、使えるようであれば時計回路を内蔵したり、潅水用水タンクの水切れセンサをつけたり、土の乾き状況を検出して、潅水時間や潅水タイミングを変えたりとかファーム・ハードともにバージョンアップさせていくつもりでしたが、最初のこのバージョンでも十分使えてしまっているため、いまだに6年前の当時のままの形で使用しています。 なお、AKI-80を使う上で、言語にBASICを用いたのはこれが最初で最後となりました。どうもこのBASICが使い難かったものですから。この後、AKI-80を用いてC言語の勉強をすることとなりました。 |