GALLERY 3
笠井の家並
 浜松市の北東部、通称笠井街道(県道天龍・浜松線)を軸に広がる笠井の町は、遠州の織物市場として室町時代からの歴史が残る地域。門前市から始まったとされる織物の市は、時に東海道屈指の織物の集積場として栄えたという。時代の移り変わりとともにその役目を終え、今は街道の町並みに僅かにその面影を感じるのみとなったが、往時の息吹が残る笠井織(遠州縞)が今も伝えられている。

 麹の旧家として笠井のシンボル的な建物。漆喰で固められた蔵造りのどっしりとしたたたずまいは見事。戦時中に防空対策として黒く塗りつぶされたという壁面が痛々しいが、時代を物語る遺産として残しておきたい建物だ。

 土壁の周りを大谷石で固めた重厚な雰囲気の建物。今は倉庫として使われているようだ。時代はそんなに古くは無いかも知れないが、趣のある建築として印象が強い。

 時代劇の町家そのままの細かい格子窓が印象的な建物。もとは商家と思われるが、暗そうな二階部分などが、ひっそりとした息づかいを感じさせる。丁寧に修復された建物横の壁面の板張りに、当主の粋を感じられて嬉しい。

 黒い漆喰の壁面が印象的な建物。頑固で一徹な親父さんのような雰囲気だ。新しいアルミの窓が残念だが、住んで居られる方から見れば余計なお世話だろう。

<もどる>

目次へ