Moon is a Merciful Mistress.




「Apple税」を考える
2008年10月18日15:03
http://wiredvision.jp/news/200810/2008101720.html

Apple製品、特にMacが不当に高いという批判にたいしては、まあ「おまえが言うなMicrosoft」で終わるわけですが。

本当にMacは高いのか?
そりゃまあMacBookはNetBookに比べれば高い。ここでMacに対して批判的な人は同等のモデルについて比較して批判すると言うことを意図的に外している。MacProは高いが、販売当時で比較すれば同等のスペックを持ったDellのワークステーションよりも安い。問題はモデルチェンジの間隔が長いので末期においては相対的に高くなってしまうことにあるが、それを批判するのは筋違いだろう。普通のPCメーカーのように夏モデルだの秋モデルだのと3ヶ月ごとにモデルチェンジを繰り返されては、ユーザーとしてはいつ買うべきなのか。欲しいときに買え、後は知らないよでは、そっちのほうがよっぽどむごい。

そしてWindowsと比較した場合に決定的に違うのはソフトウェアの値段だ。この面に関しては明らかにMicrosoftのほうが不当に高い。Windowsのパッケージ版がいくらすると思ってる。Windowsに最初から付いてくるソフトウェアで最初から使えるソフトって何?電卓?メモ帳?Macを買えば最初からiLifeが付いてくる。Office互換のiWorkだって1万円しない。Officeは一番安いバージョンだって5万5000円する。デベロッパにとっては、最初からXcodeとInterface Builderがただで付いてくる。ADCのメンバーシップについてもオンラインメンバーであれば無料、Monthly Mailingが199ドル。Windowsで同等のことをしようと思ったらVisual Studioが13万4000円、MSDNサブスクリプションまで付けると17万円以上する。こーゆートータルコストまで考えて論じないと意味がないだろう。

確かにWindowsマシンを買う場合、最初の敷居は低く見える。とっつきやすいのはもちろんだろう。但し、その門を一度くぐったら、あとはひたすら金をむしり取られ続ける。フリーソフトウェアですべてまかなえる人ならもちろん問題はないが、そういう人はそもそもWindowsじゃなくLinuxを選択する。

海外でUnix関連の会議に出ると、大体がMacを持ってくると言う。Unixワークステーションとして考えればMacほど使い勝手のいいものはない。環境は全て揃ってる。英語環境で全て事足りる人にとってはMacはパラダイスだ。それが現在アメリカでMacのシェアが上昇している原因であって、同時に日本ではさっぱりシェアが上昇しないことの原因でもあるだろう。


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