Moon is a Merciful Mistress.




ローレライ見ましたorz
2005年05月05日21:39
潜水艦映画にはずれはない。
もはや常識ともなった言葉だ。
しかしながら、ここに来てですぞおは新たな真理を得ることになる。
すべてのものには例外が存在する。orz

っていうか、これ正確に言えば潜水艦映画じゃなくて単なる3流メロドラマな訳ですが、たとえドラマが三流でも潜水艦さえでれば一流にしてもらえる事が約束されていたのに何でここまでひどい出来になるかな。

ええと、公開が明日までだと言うことで見てきたわけですが、本来ならネタばれはしたくないのですが今更新規に見に行く人もいないだろうからネタばれ含んで書いちゃいます。

まず肝心要の潜水艦。なにあれ。CG使いすぎなのはいいとして、あそこまであからさまにCGですよと言わんばかりのつるつるのてかてか。対する駆逐艦もぺらぺらのCGに荒っぽいテクスチャ。お前なあ、東宝伝家のミニチュアワークスはどうなったのかと。ミニチュアでやられた方が1000倍まし。
もっと最悪だったのは海。ですぞおもCGをかじったことがあるんで解るんですが、CGで海を表現するのはものすごく難しい。っていうかCG最大の鬼門なんじゃないかと思うんですが、それを果敢にも全部CGで挑戦して、見事に玉砕orz。実写の海と組み合わせればいいじゃん。この映画を作った人は実物の海を見たことがないんじゃないかと思います。海にも表情があるって事を全然解ってない。それこそが海を舞台にした映画の一番の魅力なのに。全部画一的なCGの海。無機質。
そう、生命が感じられないんですよこの世界に。だから弾が飛んでこようが爆雷落とそうが痛みも怖さも感じない。ゲームの世界で駒が戦ってるのと一緒。おまけに戦術まで稚拙と来たらもう、感情移入なんてできるわけがない。

だもんで、潜水艦の中の狭さはせっかく充分に表現されてるのに、その狭さが緊迫感につながらない。おまけに伊507無敵だし、何発爆雷を食らおうが沈む気がしない。ちょっとダメージを食らったところでダメコンがしっかり描かれてないから、言葉だけでどこどこ浸水って言ったって緊張するはずがない。要は、潜水艦映画の肝を全然理解しないまま形だけなぞって作ってるから、潜水艦映画としてそもそも成り立ってないんですよね。無敵すぎてローレライがなくても沈む気がしないからローレライの存在意義も不明。つーかなんのためにローレライ乗せてたんだ。

じゃあドラマ部分はというと、絵の見せ方はうまいんだけどドラマ自身が意味不明な上に説得力に欠けるのでちっとも盛り上がらない。なんでローレライを引き渡す代償に東京に原爆を落とすってなるの?ローレライ渡そうが渡すまいが原爆落とすじゃん。反乱軍にしても、南方からの一心同体だった割に少女を引き渡すのがいやなだけであっさり瓦解しちゃうし。結局何をしたいのか解らない。最後は強引すぎるご都合主義。普通離陸時間どおりに離陸する爆撃機なんかいないぞ。民間機じゃないんだから。こういう代替のないミッションの場合はトラブルに備えてたいてい早めに行動するものだし、ましてや単機行動なんだから時間に縛られるわけがない。おまけに離陸時間ちょうどにローレライが浮上するなんて出来過ぎもいいところ。

役者的には頑張っていたけどシナリオに振り回されて悪印象。ローレライがかわいいから許すヽ(´ヮ`)/(でもあの下着は時代考証を無視してるぞ)。なんで何日も潜水艇に閉じこめられてて髪がつやつやなんだという問題はあるけどな(;´Д`) 。絵的には米駆逐艦の艦橋部分がベスト。あれだけは良かった。

この出来だと亡国のイージスも見る前にお里が割れたなorz。で、帰ってきてから口直しにDVDでオー!ブラザーを鑑賞。Keep on sunny side,walkin' on sunny sideヽ(´ヮ`)/


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