介護なるほどQ&A 
(マザアス南柏 ケアマネジャー 今澤和子氏)


 高齢者の食生活についての注意点 





@一般にお年寄りは薄味のものを考えがちですが、味覚機能が低下しているため、かえって
濃い味付けを好みます。しかし、高齢者は心疾患、腎疾患、高血圧などの持病を抱えている
方も多く、味つけが原因で身体のことを案ずる家族といさかいがおころことにもなりかねません。
そこで、減塩料理にコツとしては、塩味の代わりに、酢レモン、ゆず、ゴマ、ノリ、焦げ目などを
上手に利用するとよいでしょう。

A自分の歯が残っていても、また義歯でも、噛むことに問題のある方は多いと思います。です
から、形状の工夫が必要です。といっても、特別食を作るのではなく、家族と同じ料理でも、食
卓で刻んだり、ほぐしたりすることで解決できます。そのためには、ステーキ用のナイフとフォー
ク、小さなすり鉢があると便利です。

B軽い脳梗塞で飲み込みの機能が低下したり、老化の一つとして唾液の分泌が低下すると、
食べ物がつっかえたり、ムセたりすることがあります。それには、食前に口をすすぐ、食卓に
必ず水分を用意する、流動物をトロリとさせる「トロリアップ」等を常備しておく、といったことが
役立ちます。



C排泄との兼ね合いで、トイレが近くなることを心配して水分を摂らないようにしてしまうお年寄
りがいます。食事以外の水分は一日約1,500cc(コップ7−8杯)は必要です。水分が不足
すると膀胱炎や脳梗塞を起こしやすくなるといわれています。ですから、水、お茶、牛乳などを
食事時間や食間に意識的に飲むことが大切です。

Dお年寄りになると、どうしても視力が低下します。そこで食卓についたときに、食べ物がどこ
にあるかがわかると、お年寄りも安心して食べられます。たとえば、座ったときに時計の3時の
方向にはお魚が、10時の方向には煮物がありますよ、というように、時計の針の位置で説明
するのも効果的です。これなら白内障などでボンヤリとしか見えない場合でも不自由がないと
思います。

 以上、食事にまつわるさまざまな工夫について述べてみましたが、ポイントは普段の食事が
楽しめることに尽きるといえます。



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