東京の車窓から・・・東京のローカル線を訪ねて

西武多摩川線








東京のローカル線を巡るこのシリーズ、今回は西武多摩川線です。
西武鉄道の各線区から離れた存在のこの線は、そもそも多摩川の砂利を
採取する目的で建設されました。大正6年のことです。
現在ではJR中央線の武蔵境と、終点是政の間を4両編成の電車が、
全線単線の線路を走っています。全線でも6駅8.0KM,12分の小さな旅です。
特筆すべきは、東京にありながら、駅こそ全て有人ですが、電車は
ワンマン運転をしています。特にラッシュの混雑もない路線ならではの光景でしょう。
(都営12号線もワンマン運転ですね。)
運転手が前に乗って(まあ当たり前ですが・・・)駅に到着すると、
身を乗り出して、後ろを見つつドアの開閉をします。12号線と違い
とってもアナログです。そのため駅に着いてからドアが開くのに
タイムラグがあるのが、まあまあそんなに急ぎなさんなって・・・という感じです。
電車は朝夕問わず一日中12分間隔でのどかに走っています。






さて起点はJR武蔵境駅、中央線も三鷹をすぎるとぐっと突然田舎になっていきます。
武蔵境駅もホーム状に瓦葺きの事務室があったりして昔のままです。
そのJRの同じホームから発車です。まるでJRの引き込み線といった風情です。
ホームにはほとんど屋根もありません。
さて、JRからの乗り換え客を乗せると電車は発車、地方私鉄のようです。
最初の駅は、新小金井です。新といったって、開業は大正6年、JRの東小金井よりは
古く、この辺の中央線が開通したのが明治22年頃ですから、それに比べて
新しいわけで、70歳になっても子は子といった感じです。




この駅と次の多磨墓地前からそれぞれ徒歩15分くらいの、野川公園
おすすめです。園内をずっと野川が流れるこの公園は、面積は390,000uの
広大な公園です。そもそもこの野川は湧水を集めた川で、20年前はその湧水地は
77カ所もあったそうです。敷地の大部分は何と国際基督教大学のゴルフ場だったものを
造成したそうです。ですから大きな芝生や広場や丘陵はおてのもの、森もあり、
また、テニスコート、自然観察センターもあります。ただただ自然の公園で
とても好感が持てるところです。駅からちょっと歩きますが、三鷹駅からバスもあり、
また狭いですが、駐車場もあります。
6月には蛍の鑑賞会もあるそうです。





さて、多磨墓地前駅に戻りましょう。
ここはその名の通り、多摩霊園の最寄り駅です。著名人のお墓も多い広大な墓地です。
また近くに近藤勇の生家跡もあります。
次は北多磨、車庫があります。京王線の武蔵野台駅と乗り換えが可能です。
さて、電車は中央高速をくぐり、次は、競艇場前です。
ここは前述の通り、砂利を採取した跡地が競艇場となりました。
このあたり、次の終点の是政は東京競馬場が近く、やたらギャンブル色の強い一帯です。

さて程なく、終点の是政(これまさ)です。

終点です。

もう、多摩川は間近、今ここの多摩川を渡る是政橋は架け替えの工事中です。
このあたり多摩川は八王子から川崎まで70Km近いサイクリングロードになっています。



この是政は、江戸時代、北条氏の家臣、井田摂津守是政に由来しているそうです。
駅前には特になにもありませんが、東京競馬場に向かう人で結構賑わっています。
中央フリーウエーのビール工場もすぐ近くです。

さてこの西武多摩川線の小さな旅、如何でしたか、全線12分の線ながら以外と見所盛りだくさんです。
是非、行きは一番前でワンマン運転の運転手さんの忙しく働く様子でも見ながら
風景をお楽しみください。



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