臨海副都心・・今・・

                   96年8月


この東京小さな旅で3回ご紹介している、臨海副都心ですが、その今をお伝えする今回です。

東京小さな旅臨海副都心情報 95年冬版 96年5月版 レインボーブリッジを歩いて版


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昨今、ますます話題の臨海副都心、幻想の街ともいわれだしました。
相変わらず、都市としての機能はしていませんが、テーマパーク(アイランド)としての発展は、
素晴らしく、新橋と臨海副都心とをつなぐ、新交通システム「ゆりかもめ」は連日満員御礼の
状態です。新橋駅も長蛇の列、案内の方が叫んでいます。駅ごとに乗車券を買うのにまた
行列・・というわけで、一日乗車券の購入が便利です。乗り放題ですよ。
ちょっと前になりますが、5月の連休中も、デイズニーランドを17万人も上回る73万人が
この臨海副都心を訪れたそうで、本家デイズニーランド以上の観光地ぶりを発揮しています。
ゆりかもめの利用者も開業以来7月中に1,000万人を越えたそうで、大変な賑わいです。
ここは他に鉄道としては、臨海交通線もありますが、走行が地下部分でもあり、人気がなく
社員は満員のゆりかもめを横目に、案内ビラ配りの毎日です。
だってそうでしょう、遊園地には必ずぐるっと回る汽車がありますよね、それが地下鉄で
時速100Kmで走ったら誰も乗りませんよね。
つまり、臨海副都心の現状はこの事柄に代表されています。
このゆりかもめ、開業当初は空気を運ぶだけ、と言われていたのが嘘のようです。


さて、この夏の話題は、「デックス東京ビーチ」の開業です。ここは、住商開発センターの
運営によるもので、複合商業施設です。わかりやすく言うと、セガのアミューズメント施設
・テナント・飲食店の大型ビルです。これが大盛況、7月中旬の開業で1カ月間で140万人
の入場者を集め、多い日には何と1日10万人!の入場者があるそうです。
このおかげで、最寄り駅のお台場海浜公園駅は大混雑、入居がはじまった周辺のマンションの
住民からは、夜中まで騒ぎが収まらず、安眠できないとの苦情が出ています。
セガのアトラクションも超満員で、私が訪ねた時も、60-90分待ちのものばかりでした。

おかげで隣駅にあるホテル日航東京も大盛況、当初経営が危ぶまれていたほどですが、
飲食ばかりでなく、宿泊の客室稼働率も上々のようです。


さてここを訪れているのは、主として家族連れ・お兄ちゃん・お姉ちゃんとおばさんの一行です。
これらのことからいえることは、東京のリゾートが東京湾に突如出現したと言うことです。
全てが新しく、真っ白な街、ちょっとだけ未来のリゾート、それが新橋から遊覧鉄道で
10分少々の所に出来たわけです。タイムマシンもいらず、パスポートもいらない街です。

この先、ここはどうなっていくのでしょうか。オフイスビルの空室率も物件によっては
下がっているようですが、年月とともに新しさも薄れたとき、本当の副都心になるのか、
もの珍しさだけで終わるのか、この秋からのオープニング需要が終わってからが、
正念場のようです。

ここは、今後も定期的にお伝えしたいと思います。みなさんも、もう一度行かれてみては
いかがですか、お台場のあたりだけはずいぶんと変わりましたよ。


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