日本シャクナゲ (ホソバシャクナゲ)

抜けるような青空が広がり、木々の新緑が映え、涼しげな風が緑の香りを運びます。この初夏の快さを

大宗は 「 薫風自南来 」(薫風南より来る) と詠み、南から匂うように吹く快い風を薫風と称えた。日本

でも室町時代頃からこの言葉が使われようになりました。香しい五月の風は、いかにも薫風と名づける

に相応しく、そこから 「 風薫る 」 という言葉も生まれました。この風はいくつかの移動性高気圧が重な

って、帯状に大陸まで東西に長く伸びた五月晴れのときに吹くようです。

「モーツァルトの宗教音楽」

モーツァルトの宗教音楽は近年まで意外と低く評価されてきたようです。それはモーツァルトの宗教音楽が余りにも美しすぎるところに原因があるように思えます。俗なオペラのアリアのように美しい旋律と敬虔な信仰心をもとに、ひたすら神への信奉で音楽を綴り、精神美を追求し続 けた教会音楽の旋律とには厳格な区別があって然るべき、というわげです。このような主張は大抵バッハの教会音楽の熱狂的崇拝者に多いようだ。作曲家は歌を以って神に仕え、美しい歌は神に対する敬意である。そこには俗も聖もなく、美だけが真だったのである。そのことをわかればモーツァルトの宗教作品が余りにも美しすぎる、といって非難する人はいなくなるであろう。その素晴らしい宗教音楽の幾つかを挙げてみました。

「ヴェスペレ K.339」ヴェスペレとは日没に行われる、晩課のことです。その敬虔な音楽にはモーツァルトの優れた音楽性と手法がこれまで以上に、精巧に示されており、中でも 第5曲「ラウダーテ・ドミヌム」は抒情的な美しさで有名。

モテット「エクスルターテ・イウビラーテ K.165」急ー緩ー急の3楽章からなり、最後の明るく喜ばしい「アレルヤ」は独立曲としても好んで歌われる。

モテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618」モーツァルト最晩年の名品。純粋至高の境地が現われており、珠玉の一篇というべき作品。

「ミサ曲ハ長調 K.317 戴冠式ミサ」全曲が明るい喜びにあふれていて、第六曲「アニュス・デイ」を流れてゆく美しくも典雅な旋律を聴く人は<フィガロの結婚>における円熟した世界がすぐそこまで迫っていることを、実感せずにはいられない。

「ミサ曲 ハ短調 K.429」モーツァルトの宗教音楽の野心作。大司教の制約の多かったザルツブルク時代にはない、この天才の独自の様式や充実した対位法の妙が大胆に、奔放に発揮されており、その音楽はバッハの「ロ短調ミサ曲」以来の最大の宗教作曲といわれる。

「キリエ K.341」大編成のオーケストラを伴った壮麗な曲。

「レクィエム K.626」モーツァルト辞世の歌であり、ひたすら自分のためにと思って書きつづけた「死者のためのミサ曲」である。曲はモーツァルトの死により途中で絶筆となってしまうが、弟子のジュースマイヤーが引き継いで完成となった。このレクィエムは演奏者により又聴き手の感情いかんによっても千変の魅力を示す作品である。