桜の開花予想はソメイヨシノが基準となります。標本木(基準木)が5〜6輪咲いた時、開花宣言します。現在は気象庁による桜の開花予報はなくなり、かわって民間の気象情報会社が発表することになった。 桜の開花は立春以降の暖かい日が続くだけでなく、落葉後の最低気温の推移もポイントになります。このことは一番早く開花してもよさような南国鹿児島の予報がいつも遅いことをみればうなずけます。日本のソメイの南限は種子島といわれております。あくまでも平地に限ってのことですが、地球温暖化で種子島のソメイの開花は年々遅れてきているようです。このままだと冬の冷え込みが足りないため、いずれソメイが開花しなくなるかもしれません。こうしてみると休眠打破は避けて通れません。 開花の最速は3月23日の高知で開花しました。平年より1日遅く、昨年より6日遅い全国でトップの「開花宣言」となった。今年の桜前線は、早いペ−スで列島を駆け上がっています。29日の下関の開花で関門海峡を渡った桜前線は、北陸4地点の昨年は開花の最早記録を更新しましたが、今年はさらに早く開花し、満開もそろって統計開始以来最早を更新しています。4月に入ってからも、桜前線は速いスピ−ドで北上しています。7日に山形、10日に秋田、12日に盛岡、15日には青森で開花しました。三週間で列島を駆け上がったことになります。さらに津軽海峡を渡り、函館18日、札幌は18日に開花した。さらに北海道稚内、釧路でのエゾヤマザクラの開花で終着駅を迎えます。厳寒の地の標本木はソメイではなく、エゾヤマザクラです。5月1日、稚内で開花が発表されました。釧路でも3日開花したようです。今年の桜前線は、これでゴ−ルインとなりました。3月23日に高知で最も早くソメイヨシノの開花が確認されてから一ヶ月半強かけてゴ−ルに到達した。1月5日に宮古島で緋寒桜が 開花宣言が出されてからは、桜前線は約4か月間かけて日本全土を駆け上がったことになります。
八重桜の初陣をきって 松前紅豊が開花しました。少したってに一葉、ウコン、普賢象、関山、松月と続きます。
今年はソメイと松前紅豊が逆転しました。そんなことは通常ありえない。下関市や長門市では例年通りにソメイ
の方が早かった。ソメイの不調には原因があった。@小鳥が花芽を食べた。A昨年4月に当地周辺に爆弾低
気圧が三回発生し、強風によるダメ−ジがあった。原因はAと考えている。4月21日に発生した爆弾低気圧に
よる強風は、近くの油谷観測所での観測史上最大値を記録している。さらに数日後に同じクラスものが起こっ
た。月初めの3日にも爆弾低気圧が発生しており、豊田町での観測史上最大値を記録している。一週間に二
度、月では三度の天災により、桜は完膚なきまでにやられた。まだ花芽の形成時期には早いが、花芽の形成
に支障をきたすダメ−ジがあったのは間違いない。
わが家のように山桜が主体の桜山では、開花前後の天候に大きく左右されますので、毎年立派な花が
見られるとは限りません。しかしたとえ山桜、ソメイ、松前桜が不発に終わるような年であっても、遅咲きの
八重桜もかなりあり、これはあまりハズレがありませんから救われます。桜山から見る響灘は四季折々違
った表情を見せてくれます。 俵島 が霞がかった表情を見せるのは、春だからなのか、それとも大陸から
の黄砂のためなのでしょうか。「春の使者」 とも言われますが、偏西風に乗って数日でとどくと言いますか
ら驚きです。ここから刻々と暗転してゆく夕空と夜桜越しに 俵島灯台が放つ淡い光を見ますと、しばし時
の経つのも忘れます。桜の時期が終わりますとまた一つ歳をとった実感がいたします。散花の後には新
緑の季節がまっています。山桜の葉は開花から散花その後で色が変化していきますので、楓の新緑と
のコントラストも素晴らしい。亡き祖父が発起人となり、推進者として地区民全員と多くの関係者の支援の
もとに完成した 大浦岳森林公園 には、ツツジ、モミジ、桜、梅、椿等四千本を越える花木が四季折々
の表情を見せてくれます。最後の夢となった自宅周辺の庭園化、そのためにどうしても欲しかった裏山、
大変なコストを払って買ったその山は今、モミジ、桜、椿、サザンカなどの花木の山になろうとしています。
夢の実現半ばで逝った祖父の意思に共鳴し、微力ながら完成に向けて日々ツルハシをふるっておりま
す。桜守亡き後、十数年の歳月は大きく、隣地の竹が侵入したり、雑木が大きくなったりで、この桜山も
大変荒れて桜もかなり枯れました。都会に長く出ておりまして、十数年前に帰ってからは、百m近くも侵
入した竹を1千本、太陽を遮断する椎をはじめ雑木を伐り、新たに桜を植えるなどしてやっと昔のような
体裁を取り戻しました。おそらく帰るのが三、四年遅れていれば、残った桜の大半も枯れていただろう。
竹の被害は相当なもので、これに囲まれれば枯死を待つ他ない。竹は伐っても翌年には又生えてきます
が、毎年こまめに伐れば勢いは衰えますし、薬剤の散布も効果的です。竹の根は連結してますから、一
ヶ所に蒔けばある程度の範囲は効果があるのです。隈笹なども5年刈り続ければ耕地として使えるようで
す。大きくなった檜も伐りました。高くそびえる檜がうっそうと茂り、昼間でも薄暗かった空間だったが、今
は視界がひらけ、眼前に 大浦岳 * * が一望出来ます。更に裏山の続きの雑木林も伐りましたから、
随分広がりました。大浦岳の全貌もよりスケ−ルアップスしました。裏山の庭園化もここまで広がると自然公
園風になってきました。桜守も草葉の陰から眺めているかもしれない。開花前までいた小鳥たちは、深山へ
行ったのでしょうか、すっかり影を潜め、ツバメが飛び交い、ホトトギスの高らかな声が谷間に鳴り響きます。