コバルトブルーの海     青海島

断崖絶壁、奇岩、洞窟が続く青海島の北海岸一帯は国の天然記念物に指定されています。 自然散策

の森林浴ロードを歩き、名勝一六羅漢を目の前にする静ヶ浦海水浴場の紺碧の海で泳いでください。

仙崎の沖に浮かぶ青海島は本州日本海側では、佐渡島、隠岐につぐ大きな島(現在は橋で陸続き)。

仙崎は幻の童謡詩人と呼ばれる金子みすゞのふるさと。 20歳の時、故郷の長門市から下関に移り住み

西ノ端町にあった上山文英堂という書店で働きながら、童謡詩の創作活動を行い、文学雑誌に次々と

作品を発表しました。 わずか5年間に、万物へのやさしさを込めた512編の作品をつづり、西條八十を

して 「 若き童謡詩人の中の巨星 」 と称賛されながらも、26歳の若さでこの世を去った。 海辺に育ち、

青海島から日本海、みすゞの海は夏の透明な青、冬の鈍色のすべてを唄っている。 時折、歩きながら

見上げる空にも、みすゞの詩が舞っている。 海や自然 ・・・・・ 森羅万象を全身で受けとめながら、たくさ

んの生命(いのち)が輝きを放ちながら一生懸命存在していることの素晴らしさ、たくさんの愛があって私

たちがこうして生きているのだということを、詩という形で語りかけてくれる。 金子みすゞの再発見は、

中原中也や山頭火という、山口の文学的イメージをより強くし、彼らがうたった心の山口が広がってゆく。

 

朝やけ 小やけだ 大漁だ

大ばいわしの 大漁だ。

はまは祭りのようだけど

海のなかでは 何万の

いわしのとむらいするだろう。

ー 金子みすゞ 童謡集 「 わたしと小鳥 とすずと 」 より ー

 

わたしが両手をひろげても、

お空はちっともとべないが、

とべる小鳥はわたしのように、

地面(ちべた)をはやく走れない。

私がからだをゆすっても

きれいな音は出ないけど、

あの鳴る鈴は私のやうに

たくさんな唄は知らないよ。

鈴と、小鳥と、それから私、

みんなちがって、みんないい。

ー 童謡集 「 わたしと小鳥 とすずと 」 より ー