節分は立春の前日をいう。2月3、4日ごろである。立春から新しい年がはじまると考えれば、節分は年

の最後といえる。一般的に行われる節分習俗は鬼打ち、豆まきです。邪気をはらい、幸いを願うもので

す。大豆をいり、夜になってから、<鬼は外、福は内> などと唱えながら豆を内外に投げ、鬼を追って

戸口をどざします。また魔よけのまじないとして、ヒイラギの葉と鰯の頭を戸口にさして門守りとします。

関西が発祥の恵方巻というのがあります。 恵方とはその年の干支にもとづいて、縁起が良いと定めた

方向で、今年は東北東とされる。その方向に向いて無言のままのり巻きを丸かぶりしながら、願いをす

るとそれが叶うと言われてます。節分には豆を食べ、南南東に向かって豆を内外にまき、願いを込めて

太巻きを食べたいものです。

春の田園を彩る代表として麦畑の緑、レンゲ畑の紅とともに、菜の花畑の黄を挙げることができるでしょ

う。春の花前線のように、かってはレンゲの紅のじゅうたんが、菜の花の黄色の帯びを伴って日本列島

を南か ら北へ移動 してゆくにしたがって、養蜂業者のミツバチの大群がこれを追って移動したものです。

菜の花といえば、昔 アブラナ、今 園芸種の花菜です。また菜の花といえば 、

「 蝶々蝶々菜の葉に止まれ 菜の葉にあいたら桜に止まれ ・・・

「 菜の花畠に入日薄れ 見わたす山の端霞ふかし ・・・

の童謡、唱歌を思い出す。 梅もほころび始め、春を告げるウグイスの初音(はつね)もまもなく聞かれよ

う。2月18日 雨水 ( 温かさに雪や氷が解けて蒸発し、雨水となって降りそそぐ ) 。月末にかけて土脈潤

起( 土が潤い、活動を始める )。 春霞がたなびき始め、3月に入れば草木萌動( 草や木が芽生え始め

る )。そして啓蟄( 大地も暖まり、地中にひそんでいた虫が這い出てくる )。 菜虫化蝶(蝶が飛び交い始

める)。寒暖をくり返しながら、野山はにわかに春めいてくる。 梅に遅れをとっていた春の花が、いっせい

に咲き始めます。春を告げる花にはなぜ黄色が多いのでしょうか。鮮烈な黄色は、 冬季 花に飢えていた

人々の心に喜びと刺激を与える。花の色は単純な色、原色ほどそれが強い。三寒四温のこの時期、微

妙に変動する気温の変化は、この黄色と何か深い関わりがあるのだろうか。木々の若葉も出始めは黄

緑色です。カエデも萌黄そのもので、木漏れ日に映えると黄金色に輝いて見えるのです。 摩訶不思議

な自然の摂理と申せましょう。 菜の花、タンポポ、マンサク、トサミズキ、エニシダ、オウバキ、レンギョ

ウそしてミモザ (アカシア)、これらの黄色の花が咲く とあたりは明るく 、春はいよいよ本番 となりま

す。 落葉後の桜、楓は冬の間、輪郭がはっきりとしませんでしたが、新芽も伸びてき、遠目にもはっき

りそれとわかる赤味を帯びて浮かび上がってきました。そして雨の時は一層顕著になります。

そして春の風物詩ともいえる 「 春一番 」 が吹きます。 春の最初の強い日本海低気圧に吹き込む南の

強風をいい、多くは冴え返る北風である。 春の強風を言い表す季語に、「 彼岸西風 」 「 春一番 」 「 桜

まじ(サクラの花の咲く 頃の南風) 」 「 春疾風(はるはやて) 」 などがある。 冴え返る寒さは 「 春寒 」

「 春寒 し 」などともいわれ、サクラの咲く頃なら 「 花冷え 」 、五月なら 「 若葉寒(わかばざむ) 」 であ

る。 春の寒さの戻りを言い表す言葉は外国にもあります。 ロシア 「 マハレブ桜冷え 」 「 カシの若葉冷

え 」 、ポーランド「庭師の冬 」 、韓国 「 コッセムチュィ 」 コッは花、セムはねたみ、チュィは寒さの意味

である。