Luxman MQ36

 

 

シリアル No.440303(下一桁の38ともとれる)

6336A:Raytheon セトロン製では?

 

「菅球式OTLアンプのメリット」

菅球式OTLアンプの最適負荷インピーダンス(最大出力が出る)は概ね30Ω〜60Ω位でしょうか。 一方SPのイン

ピーダンスというものは、周波数によって大幅に変化しますが、一般に公称インピーダンス(16Ω、8Ω、最近は4Ω

)は、最もその値が小さくなる400Hz付近を対象にしたものです。 これが低域のfo付近になりますと、数十Ωから数10

以上にも達します(10KHz以上の高域でも高くなります)。 具体的には音楽が低音域の再生になるほど、SPのイン

ピーダンスは公称Ωより高くなり50〜100Ωくらいまでになります。 このため菅球式OTLアンプでSPを駆動する

と、絶えず最適負荷の方へSPが歩み寄ることになって、特に低域では、力にゆとりが出てくる結果になります。 これに

伴って歪みは減少し、DF値は増大します。 例えば最適インピーダンスが32Ω(92W)の菅球式OTLアンプ場合

、公称インピーダンス8ΩのSPでは52Wだが、音楽が低音域の再生になるほど、SPのインピーダンスは上昇し

92W近くの出力がとれることになります。

一方Trアンプの場合は菅球式OTLアンプと逆の関係になります。 即ちTrアンプの最適負荷インピーダンスは、

SPのインピーダンスより低い方にあり、インピーダンスが高くなればなるほど出力がとれなくなっていきます。 ということは、

実際にSPをつないだ場合は、カタログ上に示されている出力よりも周波数によって急激に減少してゆくということです。

Trアンプの公称出力が概ね大きいのはこの事情が考慮されているからでしょう。 以上のようなことは大変重要なことですが、

意外に知られてないのも事実であります。