大正時代の仙崎(王子山より)
つゆ
だれにもいわずにおきましょう
朝のお庭のすみっこで、花がほろりとないたこと
もしもうわさがひろがってはちのお耳へはいったら、
わるいことでもしたように、 みつをかえしにゆくでしょう
ー 金子みすゞ 童謡集 「 わたしと小鳥 とすずと 」 より ー
土
こッつん こッつん ぶたれる土は よいはたけになって よい麦生むよ
朝からばんまで ふまれる土は よいみちになって車を通すよ
ぶたれぬ土は ふまれぬ土は いらない土か
いえいえそれは 名のない草の おやどをするよ
ー 童謡集 「 わたしと小鳥 とすずと 」 より ー