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東京税理士協同組合「THE GREETING」99年秋号

ひと・わだい

キャッシュフロー会計


公認会計士 税理士 佐久間 裕幸


キャッシュフロー会計
サブタイトル:会計ビッグバンにより世間から注目される新しい会計制度。その目玉の1つがキャッシュフロー会計。税理士やその顧問先も大いに活用していきたいものだ。


★注目される会計
 書店のビジネス書コーナーを見ると、連結会計、税効果会計と並んで、キャッシュフロー会計やキャッシュフロー経営に関する相当数の本が列んでいる。いわゆる会計ビッグバンと呼ばれる国際会計基準への対応がこういう現象をもたらしているわけだが、この数十年来において、いや、我が国会計史上、会計がこれほど専門外の人からも注目されたことはないと言ってよいだろう。

★キャッシュフロー会計ってなんだ?
 さて、このキャッシュフロー会計であるが、簡単に言えば、損益計算書や貸借対照表の記載項目を資金の収支の観点から組み替えて、資金の動きが見えるようにした報告書を作成しようということである。
 従来、腕のよい経理マンだけが、「こんなに在庫が増えたのでは、資金が回らない」とか「売上高に匹敵する銀行借り入れがあるのでは経営が危ない」などと分析できたものを、誰にでも理解できるような表にまとめられることになったわけだ。以前から国際会計基準など海外の開示基準が作成を求めてきたが、日本でも上場企業など証券取引法に基づく開示をする場合には、作成することになったということに過ぎない。もっとも、従来の有価証券報告書でも資金収支表という類似の計算表は作成・開示されており、まったく新しい概念というわけでもないが、連結ベースで作成する点で企業への負担が少なくないのである。

★中小企業への影響
 このように説明すると、「なあんだ、じゃあ、税理士の関与先には関係ない話じゃないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれない。しかし、顧問先から「1000万円も利益が出たというけれど、銀行の預金は、すっからかんだし、儲かったという実感がないのです」という訴えを聞くことはないだろうか。こういう状況の原因を簡単に説明できる表がキャッシュフロー計算書なのである。
 また、キャッシュフロー計算書を見れば、営業マンや社長など経理知識のない人でも会社の資金繰りの状況が理解できるのであり、会社の経営に財務的なセンスが織り込まれるような変化がもたらされるだろう。たとえば、従来は銀行借り入れをするに当たっては、「××円借りなければ」という借入額優先の発想であったものが、「将来のキャッシュフローで返せる期間で借りなければ」という発想が浸透するはずである。当然ながら、税理士にも「うちの会社のキャッシュフローは、どんな感じになっているんでしょう」という質問が飛んでくることも増えるにちがいない。キャッシュフロー計算書は、財政状態と経営成績を表示する貸借対照表・損益計算書と並んで、資金状況についての情報を経営者に提供してくれるツールなのである。

★簡単に作成できるソフトがほしい
 このキャッシュフロー計算書、厳密に作ろうとすると貸借対照表、損益計算書の組替えだけでは駄目で、総勘定元帳から数字を拾う必要があり、作成には相当な時間がかかる。
 とりあえず私どもの事務所では、決算書から数字を拾うだけで作成できる簡易版キャッシュフロー計算書の表計算シートを開発している。しかし、できることなら財務会計ソフトのメーカーでキャッシュフロー計算書作成機能を織り込んでいただきたいものだし、おそらくそういう時代がこの1〜2年で来るのではないだろうか。