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色 の テ ィ ー ル ー ム

「パッケージと色」
セルフ化粧品のパッケージ

セルフ販売化粧品というのは、スーパーで棚置きして売られているどちらかというとお手頃価格の商品のことです。逆にお店で肌の状態などを相談しながら買う商品は、カウンセリング販売の化粧品と呼ばれています。
 化粧品の市場の伸びは、ここ数年横バイが続いていますがこのセルフ販売化粧品だけは着実に伸びてきています。その理由は、(1)大手の企業がセルフ販売化粧品に参入し低価格でも高品質のものが出揃いセルフ販売化粧品が充実したこと、(2)消費者が利便性を求めるようになり、購買方法にも変化を与えていること、(3)高機能商品は価格にとらわれずに買い、機能重視でない商品はセルフで買うというように、消費が2極分化したこと、(4)女子高校生層が化粧品に強い関心を持っていることなどがあげられます。
 さて、そのセルフ販売の化粧品の中でも基礎化粧品に目を向けてみました。
 パッケージのデザインイメージは、白をベースカラーにブルーまたはグリーンを組み合わせた清潔でみずみずしいイメージのものが多く、次に多いのは白をベースカラーにベージュを組み合わせたナチュラルでエレガントなイメージのものです。そのイメージは、女性向けの基礎化粧品に要求されるファクターと共通しているようです。
 化粧品売場に行ってみると、白をベースとしたパッケージばかりなのが分かります。その中で、唯一違いを見せているのが「カリテ」という商品。赤と白の組み合わせという思い切った色使い、はっきりと他社品と差別化されています。おまけに、その赤と白の組み合わせはちょうど日本の国旗と同じ、国旗の色はその国の国民にとって一番注視力の高い色と言われています。
 他社との差別化という点ではまだスタートラインといえるカテゴリーなのかもしれませんが、今後どのようなパッケージデザインのものが発売されていくのか、とても気になります。
(1997.JULY)
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