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色 の テ ィ ー ル ー ム

「色の話題」
癒しの色”紫”

 かつてはその高価な染料から、高貴な人しか身につける事の出来なかった禁色の紫色。 江戸時代の人は、どうしても身に付けたかったのか、または、お上への反骨精神か、江 戸紫という限りなく黒に近い紫を作り出しました。
 紫色は一般に、”病的な色”という風に思われている節があります。例えば、紫色ば かり着ている人がいたらあの人ちょっとおかしいなんて思われてしまう。
 しかし、その紫色の波長は、”細胞内の光回復酵素を刺激してDNAやRNAの損傷 を修復する”のだそうです。つまり”癒しの色”というのでしょうか。そういえば、歌 舞伎の助六は紫色のはちまきをしていますが、頭でも痛いのか何かのおまじないか。
 ところで、最近紫色が街に増えていると思いませんか?色に対するタブーがどんどん 無くなってきて今までより自由に色を使うようになってきたせいか、人々が心の奥で癒 しを求めているせいか。
(1997 SPRING)
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