実録、M氏のウドン

 すんませ〜ん。またまた、手抜きで簡単モノです。それも内容は書くほどのものではありません!

 でも、忙しいときとか、作るのが面倒なときに、体に良くないものが沢山入っているインスタントラーメンとかコンビニウドンを食べたくない人に福音となる、とても簡単で美味しいものを紹介します。


 知り合いのM氏宅で、よくご馳走になったので、自分でもやるようになりました。

 M氏は綺麗な奥さんや可愛い子供、お婆ちゃんと暮らしています。才能溢れる人なので、仕事をすれば稼げます。でも、仕事をしません。お金があるのか貧乏なのかよく解らない状態でも楽しく暮らしているM氏です。稼ぐことはあまり興味がないそうです。奥さんは能力があるので自分で稼ぎます。M氏はアメリカ留学の末、イギリス、ロシアなどにも留学、そして世界各地を放浪、秘境のエクスペディションなどを繰り返しているのであまり日本に居ることがないようです。今もモンゴルか中国の奥地をさまよっているのではないでしょうか。
 でも、居るときは来客が多く、そんなときにはいろいろ料理を作ってもてなします。私もそのご相伴に預かりましたが、みんな美味しいものばかりでした。アメリカでレストランもやっていた事もあるそうなので、えらく手際がよいです。

 結婚する前には房総の海に近い山の中に、木を切ってホッタテ小屋を立て、その辺で採れるキノコや野草、魚を、薪で料理して食いながら2年間暮らしたという、変わった人です(なにしろ近年では、シベリアの雪の中の氷点下2〜30度という原野で、着衣の上にシュラフカバーだけを被り、雪の中にそのまま埋もれて寝たとか、アンデスの標高6000mだかをサンダルで登ったとか、現地の人間が出来るのだったら、自分も出来るだろうとやってしまう人間なのです)。

 その後、5年位前に結婚をして、まともな一軒家(結構大きな家)に移ったときには、ガスもコンロも冷蔵庫もなかったそうです。
 すると、M氏は嫁さんとお婆ちゃんに、これで料理をしろと、山用の携帯ガソリンコンロ(例のポンピング儀式をして使うMSRのやつ)を渡したんですって。

 それを使いながら新婚の家族は1年暮らしたそうです。当然冷蔵庫は無し、ストーブも無しです。で、お婆ちゃんが余りの寒さにとうとう耐えられなくなって、ストーブだけは入れてくれと懇願して、晴れて文化的生活が出来たとのこと(本人は日本に居ないことが多いし、寒いときは服を余分に着ればいいと、気にしていなかったらしい。なんといってもシベリヤの雪の原野に寝てしまう人ですからね。奥さんは大学教授の娘でお嬢様育ちなのですが、見た目とは違い、前述のホッタテ小屋で暮らしたこともある精神的にタフな人です)。

 でも、幾つかあるM家のストーブは、みんな自動着火のスイッチが壊れています。なぜかというと、M氏が全部壊して回ったからだそうです。簡単に火がつくと、無駄に石油を使うという理由で。
 お金に興味はないが、資源の有効活用については、滅茶苦茶興味があるようです。

 そんな節約家のM氏のよく作る料理は!!!

・冷凍ウドンを茹でます(安いパックの茹でウドンだと不味くて食えない)
・皿にゴマ油と醤油を適宜垂らします
・その皿に葱を刻んで入れます
・茹で上がったウドンを皿に入れて食べます

 以上終わり。
 簡単でしょう! 誰でも出来ます、短時間で。あとは残り物のおかずを乗せれば完璧ですね。

 でもねえ、これが旨いんですよ。ゴマ油がポイントです。
 それに、変な添加物が入っているインスタントものを食べて、頭や身体がおかしくなることを考えたら、これっきゃ無いんじゃあないっスか?
 冷凍ウドンも讃岐ウドンのいいのを探してくると、メチャ旨いです。わたしは適当に、近所で買える加ト吉の冷凍讃岐ウドンで済ませています。生協の冷凍ウドンも良いです。原材料は、小麦粉、澱粉、食塩だけです。これだったら安心して食べられますよね。さらにゴマ油と醤油もこだわると一段と味が良くなることでしょう。※このページを作ってから暫くして、コンビニで売っている茹でウドンを使って、同じように食べたら、不味くて食べるのがやっとだった。こんなに味が違うとは知らなかったんです。ご免なさい!

 話は変わりますが、わたしのサイトに載せている速読教室の先生は15年前に国立大学の助教授の椅子を捨てて速読の普及を始めたものだから、ずうっと貧乏でした。それなのに子沢山で5人も居るのです。私は24年くらい前からの付き合いなのですが、堅物でそんな子供を沢山作る人ではないと勘違いしていたら、次々と授かっていつの間にか5人になってしまいました。

 そんな大変だった彼が自慢するのは、食えなかった時期は素ウドンに醤油をかけて食べてしのいだんだ、ということです。

 でも、この話を今回のM氏のウドンから考えると、その彼も結構旨いモンを喰っていたのだなあ、と思っちゃいます。わたしはただのウドンがこんなに美味しいとは知りませんでした。固定観念が贅沢寄りにシフトしていたのです。反省。

 因みに速読の彼の奥さんは立派な人で、子供たちに添加物の入ったものは食べさせないと努力をして、健康で可愛い素直な子供に育てました。全員、優しくて賢い智慧のある本当にいい子供たちです。まだ、一番下は小学3年生の女の子で、とても可愛いです。それに彼は安定性より自分の理想を求めたチャレンジャーなのですが、それは奥さんの「大学なんて残っていたってつまらないでしょう。やりたいことをやった方が面白いわよ。」という腹の据わった考え方にサポートされてのものであることでしょう。そういう人の子供は、話をしていても学ばせて貰うことが沢山あります。子供は鏡ですね。

 そうそう、M氏の奥さんも添加物の入ったものは一切採りません。マクロビオティック(故桜沢如一氏の玄米正食)についても詳しい人です。子供は幼稚園の女の子ですが、これまた賢くて可愛いです。ペルーで生まれたので、向こうの法律のため日本名の間にパチャというミドルネームが入っている子です。
 でも、M氏本人は農薬とかを全然気にしないで、野菜も洗わずに料理してしまう怖〜い人です (^o^;;

 そのM氏は滅多に風呂に入りません。それから石鹸を使いません。でも、肌は綺麗でサラサラしています。ホラ!とか言って手のひらを見せますが、確かに綺麗です。M氏の料理はみんなM氏の手の出汁が効いています。どうも秘境で暮らしていてそんなになっちゃったらしいです。既成概念を山奥に置いてきてしまったのですね。
 そして、あまり寝ないのです。睡眠時間はかなり少ないと思います。私が一時仕事を手伝いに行っていたときに見ていると、しょっちゅう何かやっていて、疲れたときにその辺で適当に横になるといった感じです。生活に決まったサイクルはありません。家族は全員自立して、それぞれ自分のペースで活動しています。もちろん、揃うときはみんなで食卓を囲み感謝を持って食事をしています。
 で、M氏は時々、昼でも夜中でも突然吼えます。噂ではアメリカでクスリをやったり、チベットの山奥でメディテーションしたりイニシエーションを受けたりしていて、どうやら逝っちゃってるみたいです。by T.T


udon v1.3

Room full of mirrorsへもどる