ロクデナシ・ロール短編シリーズ
深雪オバサンに捧げる
その1:「P」の巻き
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「だから、あんたはみんなからロクデナシって言われるのよ!」
深雪は、炬燵の中に頭を突っ込んで、深雪の靴下のニオイを嗅いでいるPに向 かって叫んだ。
先日なんか、Pは、深雪の経営する会社の社員でシステムエンジニアの小泉幸恵が訪ねてくれたときに、トイレへ一緒についていこうとしたのだ。外に出掛けたら出掛けたで、道ばたのウンコまで食べようとする。ニオイがするものに圧倒的に弱いPである。こともあろうに昨日の晩は、ご近所でも一番ウルサ型の岡田家の奥さん、ヤヨイ様のパンティまで持って帰って来る始末だ。
深雪はもう我慢の限界まで来ていた。
「もう、いや! あんたがそんなだから、わたしまでオカシイんじゃないかって、近所中で言われるじゃないの。」「イクの?イカないの? イクんだったら早くして・・・・・。オシッコしたいんでしょ!」
「そんな、我侭してるんだったら、もうイヤだよ、Ponta! きょうは用を足したら直ぐ帰ってくるからね・・・・・。」
「どうするの、おさんぽイクの?」
「ワンワン!ワン」今日も返事だけは良いPontaであった。