1990年
午年です。小判(馬が実物大だったらとても「小判」と呼べる大きさではありませんが、小さい置物の「招き馬」という設定ですので)の中は、前年に亡くなった手塚治虫先生に敬意を表して「虫」マークです。
1992年
申年です。大学入試を控えたこの年、センター試験の直前だというのに、勉強しているフリをしながら彫りました。
1993年
酉年です。一応動物に関しては専門家の卵という立場になったので、解剖学的に正しい鶏を描こうとか、品種をちゃんと考えて体型や毛色を決めようとか考えました。結局デフォルメされたので意味はありませんでしたが。
1994年
戌年です。犬は品種によって顔も体型も全く違うので、どれにするか悩みました。結局特定のモデルのない雑種です。あえてモデルを挙げるなら、「のび太の大魔境」に出てきた「ペコ(クンタック王子)」でしょうか。
1995年
亥年です。なんとか猪に見えますよね。刷った状態の物が手元に1枚しか無かったのでこれを取り込んだのですが、これは刷りに失敗してるヤツですね。刷っているときに版木と紙が動いてしまい、絵の具が擦れたのでしょう。
1996年
子年です。「招きシリーズ」を継続するか新たなシリーズを始めるか迷った年でした。シリーズを変えるなら子年からがよいと思ったのですが、招きシリーズが実質丑年から始まっているのでもう一年作って干支一周分にしたいとも思ったからです。結局招きシリーズは亥年で終わりにして、新たに「駄洒落シリーズ」を始めることにしました。デザインがなかなか決まらなかったこともあって時間が無くなり、11年ぶりに1色1版になってしまいました。
1997年
丑年です。前年に亡くなった藤子・F・不二雄先生への追悼の意味を込めています。後ろ姿はF先生を挟んでのび太とドラえもんです。地平線の上には手塚先生の顔をした太陽が浮かんでいて、この太陽は朝日ではなく夕陽のつもり。つまりF先生は「西」に向かっているわけです。これは手塚先生がいるところもF先生が向かっているところも「西方極楽」である・・・ということを表現しています。奥が深いですね。このドラとのび太って著作権に引っかかるかな。