No.86

            トランプ大統領への反応


ドナルド・トランプ大統領の就任式翌21日の土曜日朝、
トランプ一族とマイク・ペンス副大統領夫妻らが姿を見せたのは、
ワシントン市内の国立大聖堂
(National Cathedral)で行なわれる
共同祈祷式
(prayer service)であった。

そこには、アメリカのプロテスタントの多数が属する
福音伝道派
(Evangelicals)の他、それこそ、アメリカに存在するすべての主要宗派
(カトリック、ギリシャ正教、ユダヤ教、モルモン教、イスラム教、シーク教、仏教など)
の指導者らと、その信者らが来ていた。
新大統領の就任で、ともに祈るためである。

その場所自体も、どの宗派にも属さない、
言ってみれば超宗派的場所としてデザインされているなら、
来会者も、以上のようにすべての宗派を代表する人々によって占められていた。

更に、それらの各宗派の代表が入れ代わり立ち代わり、
それぞれの祈りを捧げて行った
(いずれも新大統領の政治の行く末に祝福を祈るものであった)。


その前の金曜日1月20日就任式当日には、
大統領の一族は、ホワイトハウスに近い聖ヨハネ教会
(St. John’s Episcopal Church)
8:40 am頃入っている(以上1月21日NPR)。

この時、教会傍の防護柵の外から1人の灰色の髪の高齢の女性が呟いていた。
「あの男も、そんなに持つまい!」。
すると、「アメリカを偉大に!」の文字の赤い帽子をかぶった別の女性が
「お前の国じゃないだろ!」と激しく反論した。
別の男は、「バカ!」、と言って立ち去った。

赤帽の女は、なおも絡んでいる。
「あんた、何しに来たのよ!」、
「この国のため祈るためよ!」、
「なら、家でやってな!」
そう言い残して、赤帽の女も去って行った(以上、ワシントンポスト紙)。


                           2017年1月25日