No.77
トランプ氏とメディア各社との関係
去る1月4日、トランプ氏は半年ぶりに記者会見会を開いた
(彼の住いの在るトランプタワー内で)。
彼は、その間も独特の広報作戦、twitterでの「お喋り」で、
メディアからの要求を拒みつつ、逆に掻き回してきた。
去年7月の記者会見会とは違って、
もう直ぐ大統領になる今回の受け答えは、「多少違ったものになる」。
一部メディアが抱いていたそんな期待は、「裏切られた」との声が支配的だ。
というのも、テレビでも見られた通り、彼に批判的なBuzzFeed Newsの記者が手を挙げたが、
感情むき出しの口調で
「ダメ!お前の所はインチキニュース(fake news)だから!」
と怒鳴ったのである
(BuzzFeedは、2006年発足のニューヨークを本拠とするニュース社)。
そこでトランプ氏がメディア界と、全体としてどんな関係にあるか、一瞥してみよう。
NPRはトランプ氏が、「確立した大手メディア」が自分に注目してくれること、
敬意を払ってくれることを、「熱望している」としている。
そのため、ニューヨークタイムズとは、
タイムズ側の予めの質問項目は受付けなかったものの、インタビューに応じている(1月14日)。
いわゆる大手メディア外にも、アメリカにはわんさと、この手の業者はいるが、
中でも、次の6社はトランプ氏に好かれている
(白人至上主義的で偏向的なブライトバート(Breitbart)は除いている)。
(@)ニューヨークポスト、
(A)フォックスニュース
(そこにいた女性のケリー記者(Megyn Kelly)とは喧嘩をしているが、
彼女が去った後、同社は、トランプ氏のファンとされる別人を持ってきた)、
(B)ナショナル・エンクァイア、
(C)ニューヨークオブザーバー
(ここは、トランプ氏の義理の息子、長女イヴァンカの夫、ジアレット・クシュナー氏が、これまでやっていた)。
なおNPRは、ロシアの、政府寄りの会社RT社も、「トランプ寄り」と伝えている。
間違いなく1つ言えることは、
トランプ氏が、神経質なくらいにメディアにとても気を使っていることであろう
(大統領になる人としては、ある意味で、当然のことであるが、
大手メディアなどは、独立性を身上とする従来の姿勢を崩すことはないであろう)。
2017年1月16日