No.41
93歳のメディア王Redstone
6月16日のNPRは、93歳のメディア王Sumner Redstoneが抱える
内外・公私にわたる頭痛の種について、「シェイクスピア的ドラマ」と題して伝えている。
Redstoneとその一族は、所有するメディア系の持株会社
National Amusements, Inc.の株式の80%を保有している。
同社の傘下には、テレビ、ラジオなどのCBS放送や、
ナスダック上場のViacom Inc.社など、多くのメディア関連企業がある。
中でもViacomは、
「最近まで業界(ケーブル・ネットワークなどでの興業界)でナンバーワンであった」。
93歳のメディア王Redstoneにとっての最近の公私に渡る頭痛の種の「公」は、
そのViacomでの出来事、問題である。
これまでRedstone氏の子飼い(protege)の第一人者とされてきたViacom CEOで、
会長のDauman氏が他の役員とも5人で、一纏めに頸にされた
(ViacomのCEOばかりか、National Amusements, Inc.の方の役員も
辞めさせられるのでは、と観測されている)という*。
NPRは、Redstone氏にとってこのDauman氏は
30年にわたる法律顧問、助言者であったとしている。
公私の「私」の方での悩みごととしては、
永らく父と疎遠だったと伝えられるRedstone氏の娘Shari Redstoneとの関係がある。
それが近年、Redstone氏とよりを戻した(reconciled)というのだ。
そこからNPRは、娘Shariと、Dauman氏との間で、
Viacomのコントロールを巡って争いが始ったとの見方を示している。
とすれば、公と私とが交錯した問題と言ってよい。
Dauman氏は社外(アナリスや投資家ら)からも、
Viacomのインターネットに対応した展開で十分ではなかったと批判されている。
Dauman氏は取あえず、持株会社(National Amusements, Inc.)の
CEOの頸はつながったようだが、Redstone氏は、それも束の間の猶予と考えているのかもしれない
しかし、これですべての幕が下りた訳ではない。
もう既に頸になった役員の1人は、訴えを起こしている。
更に、Redstone氏に対しては、
「無能力者である。娘のShariによって操られているに過ぎない…」
として、無能力者宣言を求める訴えも、
マサチューセッツ州の家裁に出されていると、NPRは報じている。
*Dauman氏の手腕については批判もあり、Viacomの業績も、
「このところ樽の底(bottom of the barrel)にいる」とのViacomの前のCEOのFrestonの言が引用されている。
2016年6月22日